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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
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3-2-26(第215話) シンペキへの乗り込み戦~その3~

「結局、私達4人になりましたね」

「ああ」

 だが、決して後悔はしていない。ルリやクロミルも、モミジのフォローにまわる余裕なんて無かっただろうし。そう考えると、リーフ達の支援はメシア、と言ってもいいだろう。

「この戦力で勝つ気?」

 確かに、予想していた戦力よりは低い。俺とイブ達3人、カーナ達の1グループ3人。計7人で挑もうと計画していたのだ。それが急に3人減り、4人になってしまった。心配することもあるだろう。

 だが、

「当たり前だ」

 負けることなんか考えない。あいつらのためにも、絶対に一泡吹かせないと俺の気が治まらない。

「そう。ならいいわ」

「そうか」

「…ここを真っすぐに行き、突き当りを左に進むと、玉座の間です」

「そうか」

 正直、会ってもない男にこれまで怒りを覚えたことなんて一度もなかったと思う。今考えてみると、あの国王はもしかしたイブ達の事件に関わっていないのかも、なんて考えてしまう。

(いや、そんなことはどうでもいいか)

 そんなことは今更だ。どちらにしろ、イブ達の傷は消えない。俺じゃ、消せないんだ!

(くそったれが!)

 だけど、傷を軽減させることなら出来るはずだ。それに、

(いや、これは関係ないか…)

「…?どうされましたか?」

「いや、何でもない。それより、行くぞ」

「「「はい」」」

 こうして俺達は玉座の間を開ける。

 そこには、

「…何事かね?」

「よぉ、緑の国の王様?」

「…ふむ。君みたいな礼儀を何も知らない無知な男は知らん」

「ああ。俺も同じ男とは思ってもねぇよ」

 俺の言葉でほんの少しだけ眉を細める。

「ほぉ。では何をしに来たのかね?」

「決まっている」

 俺達は武器を構える。

「お前を、討伐しに来たんだ」

 俺の言葉に、

「…いいだろう。世界樹様から加護を授かったこの私、バンダド=シンペキが相手しよう」

 そう言いつつ、玉座から立ち上がり、後ろには蔦?触手?みたいな気持ち悪い物がウネウネしている。本当に気持ち悪い。

「貴様らはこの私を殺そうとしているんだ。なら、殺される覚悟もあるということだろう?」

「そんな大層なものはねぇよ。けどな、」

 一呼吸おいてから、

「絶対に勝ってやる!」

 俺は高らかに宣言する。

 こうして、それぞれの戦場で、それぞれの戦いが始まった。

次回予告

『3-2-27(第216話) シンペキへの乗り込み戦~その4~』

 王都シンペキでは、男エルフと女エルフ達との戦いが行われていた。中には、幼馴染の仲だったエルフが対立し、女エルフの一人が現実に打ちひしがれる。それでも、これまで彩人達との短くも暖かい思いを無駄にしないよう立ち上がる。



 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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