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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
214/546

3-2-24(第213話) シンペキへの乗り込み戦~その1~

 身を隠しつつ、王都へ向かっている俺達。

「それで、王城と言うのは、あれでいいのか?」

「はい」

 王城は、門をくぐると正面に見える大きな建物である。確かに王城だと一発で分かったが、居場所の特定とか、暗殺されやすいとか、そういうデメリットは考えていないのか、と、ふとそんなことを考えてしまう。王城内部が複雑になっていればそんな心配なんかしなくてよさそうだが。相手側の事情なんか考えたところで、今の俺には関係ないな。今は王城を目指して…、

「…みなさん。本当にそれでいいのですか?」

 不意に、カーナと他の女エルフ達との話声が聞こえる。

「どうした?何か困った事があったか?」

「…みんなが、アヤト様方のために囮になりたいと、志願されました」

「…なんだと?」

 いや、効率だけを考えるなら、この22人で移動するのではなく、いくつかのグループに分かれて行動した方がいいとは思う。だが、それはあくまで効率重視での話だ。

「…それだと、お前達の身が…!」

 いざとなれば、俺も女エルフ達を護るつもりでいた。だから、あの作戦で乗り込もうと考えていたのだ。

「大丈夫です」

「私達にはやるべきこと。そして、」

「やり残したことがあります。だから絶対に死にません」

「せっかく、アヤト様方達が思考なさってくれた作戦ですが、それに物申す感じになってしまい、申し訳ありません…」

「いや、別にいいさ」

 俺はボッチだからな。こう言った集団行動を指揮することはやったことがない。というより、今回が初めてかもしれない。地球ではみんなの影になるよう努めていたからな。同級生も俺の顔も声も憶えていないだろう。…今はくだらない過去より、今目の前に起きている問題だな。

「…必ず、生きて帰って来いよ」

 今の俺には、そんな言葉しかかけることが出来なかった。俺にもっと力があれば、こいつらに囮なんかさせなかったかもしれない。そう思うだけで心がきしんでいく。

「「「はい」」」

 こうして女エルフ達は、

「みんな。生きて、帰ってくるのよ」

「「「もちろんです」」」

 カーナの言葉に起因し、笑顔を見せる女エルフ達。

 そして、

「な、何だ!?」

「あそこから音が聞こえたぞ!?」

 聞こえてくる会話から、音がした方向へと向かっているようだ。でも、音がした方向と、今俺達がいる場所は違うんだよね。おそらく、

「上手く、引き付けてくれたんだよね?」

「だな」

 どうやって爆発を起こしたかは分からないが、女エルフ達12人が上手くやったのだろう。残ったのは俺達7人と、カーナを含めた女エルフ1グループの計10人。

「さぁ。あいつらのためにも、一刻も早く行くぞ」

「「「はい」」」

 こうして俺達は、爆発が合った方角を見ずに、王城に向かって走り出す。

次回予告

『3-2-25(第214話)シンペキへの乗り込み戦~その2~』

 女エルフ達の雄姿を見ずに走り始める彩人達。緑の国の王城に着くと、情報通り、3闘士が待ち構えていた。その3人を相手するため、6人は足止めをする。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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