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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
213/546

3-2-23(第212話) 王都シンペキの門番

「さぁて。まずは王都への侵入か」

「うん」

「最初は、俺が行ってくるから、合図を出したら来てくれ」

「「「はい」」」

 それじゃあ、ちょっと門番に会ってくるか。


 王都シンペキの前。

 当然ながら門番はいる。

「失礼しま~す」

 俺はばれないようにゆっくり進む。

「おい。ここで何をしている」

 ま、門周辺は何もないし、当然ばれるわな。別にいいけど。

「この王都に美味しい食べ物があると聞きまして、それを食しに遠方から来ました」

 と、社長にゴマをする専務の様な態度をとりつつ、俺は隙を窺う。やり方は少し卑怯な気がしないでもないが、そこは気にしない。あながち嘘もついていないし。

「…ふむ。となると、【シラリア】を食いに来たのか?」

「シラリア?」

 確か…カルボナーラうどん、のことだったな。確かにあれは美味かった。

「あれ?でもそれは他の街にもありますよね?」

「ああ。でも、この王都で食った方が一番美味いんだよ」

「もしかして、あの麺とソースがよく絡んで、ですか?」

「おお!?お前もいける口か!?」

「そうですね!俺も、です」

 こういう時はうまく相手に乗っかることが大切だ。長いボッチ生活を経て、俺が知った方法の一つで、相手を調子づかせることで相手に隙を作らせるのだ。これも、長い間、ボッチでいたがために会得した会話術である。ま、実践は初めてだがな。何せ、いつも脳内シミュレートで予行練習していたからな。それの賜物と言えよう。…言えるよな?

「そうだよな!やっぱり…!?」

 そう言った瞬間、門番の男は倒れた。

「…さすがはご主人様です。臨機応変に作戦を変え、自ら相手の注意を最大限引くことで、私達の不意打ちを促すとは」

「え?い、いや~…」

 実は、クロミルのいきなりの不意打ちに俺も驚いている。作戦では、この後で俺がこの門番に一発かまし、気絶させてから乗り込むつもりだったのだが…。まさか、急に作戦を変えてくるとは思わなかったぞ。

「そうなの?さすがはお兄ちゃんだね」

「…アヤト、やる♪」

「さっすがです」

「うんうん」

「・・・」

 いつの間にか俺の周りに集まってくる面々。…ここはどうしようか?とりあえず、

「さ、さぁ。次はいよいよ侵入するぞ。ばれるのも時間の問題だしな」

「「「はい」」」

 ごまかしておいた。女エルフ達の内、何人かは俺を尊敬のまなざしで見ていた気もするが、そんな目を俺に向けないで欲しい。俺は単なるボッチで、たまたま上手く事が運んだだけなんだからな。

 そんな言い訳を脳内でしつつ、俺は冷や汗をかきながら王都内に侵入する。

 さぁ。もう後戻りはできないぞ。とはいっても、するつもりもないがな。

 こうして俺達は、王都シンペキへと侵入を成功させた。

 さぁ次は、国王がいる王城だな。

次回予告

『3-2-24(第213話)シンペキへの乗り込み戦~その1~』

 彩人達はついに王都、シンペキに乗り込む。ついに、彩人達と男エルフ達との総力戦が始まろうとしている。その先陣を切ってくれたのは、女エルフ達であった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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