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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
203/546

3-2-13(第202話) 女エルフ達のこれから

200話までを一区切りとして、201話からこうして投稿していきたいと思います。

ですが、初っ端から投稿し忘れてしまいました。

なので、今週はお詫びの気持ちを込めて、3話投稿しようと思います。

これからも投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

 あんな恥ずかしい?痴態?を見せてしまった後も、イブ、クリム、リーフは平然と俺に接してくれた。そのおかげもあってか、昨晩の事は深く聞かれなかった。ほんと、あの3人は大人だよな。俺なんか、この世界に来てから成長どころか退化?幼稚化?しているように感じてしまう。気のせいだよな?気のせいだと思いたい。

 それから全快したと思った俺は、クロミルと一緒に馬車を引っ張っていた。最初は一人で引っ張ろうかと意気込んでいたのだが、「手伝いさせていただきます」と、クロミルが言ったので、手伝ってもらった。結果は、二人でもかなり重かった。一人で約7人を引っ張っていたのだから、単純計算すると、2人で14人、といったところだろう。だが今回は22人。非常に大人数である。もしかしたら一人で引っ張るなんて出来なかったかもしれない。いや、絶対に出来なかっただろうな。そう思うと、俺のどうでもいい尊厳を人知れず守ってくれたクロミルには感謝だな。

「クロミル、サンキュー♪」

「…いえ、当然のことをしたまでです」

 クロミルがだんだんかっこよく見えてしまうな。男気溢れるというかなんというか…。

 そんなことはさておき、俺達は今、とある森を引き続き歩いている。一応、クロミルには道案内を頼んでいるが、俺達は今、どこに向かっているのだろうか?そういえば知らないな。

「クロミル、今俺達はどこに向かっているんだ?」

 王都、ということは分かっているが、詳しい場所は把握していないんだよな。

「『シンペキ』です」

「…???」

 どこですか?俺の知識を総動員しても、何も思い当たる節がない。俺の知識量が紙より軽いからかもしれないな。…相変わらず、自虐を挟まないと生きていけないのかね、俺は。

「…すいません。言葉足らずでした」

「いや、俺が馬鹿ばっかりに余計な手間をかけたな」

「いえ!そんなことは決して…!」

「それで?そのし、し…」

「シンペキ、です」

「そうそう。そのシンペキっていうのは何だ?」

「緑の国の王都です」

「…え?」

 俺は思わず足を止める。

「ご主人様?」

「…あ、いや、悪い。それで?」

 俺は止めた足を再び動かす。乗っていたルリ達は最初、俺の動きに疑念を抱いていたらしいが、すぐに話を再開した。

「え~っと…何でしょう?」

「…いや、何でもない」

 思わず足を止めそうになっちまったが、何とか足を動かし続ける。なんか、一度もそういう話を聞いたことがないのだが!?一体どうなっている!?

「…クロミル。もうそろそろお昼だよな?」

「はい」

「なら、少し早いが昼の用意を始めよう。いい場所はあるか?」

「それでしたら、西の方角に見晴らしのいい草原が見えましたので、そこにするのはいかがでしょう?」

「それでいこう。それじゃあ行くぞ」

「はい」

 さあ、再び話し合いを始めよう。


 ちょっと早めのお昼を準備し、お昼を堪能している間、

「ところでリーフ」

「はい、何でしょう?」

「次の目的地はシンペキ、だそうじゃないか?」

「ええ。確かそう言いましたね」

「俺、さっき知ったんだけど?」

 と、若干俺の怒りを込めて発言する。

 まったく。いい大人が報連相を忘れるなんて!…あ。俺はまだ子供だからいいのか。じゃなくて!

「え?そんなことはありませんよ?私はちゃんと伝えておくよう、ルリちゃんに頼みましたから」

「え?」

 ここで一斉にルリの方を見る。肝心のルリはというと、特大サイズのホットケーキを食していた。…確かあれ、5枚目だよな。イブもそうだが、ルリも大食いだな。

「え?じゃなくて、先日言ったよね?そしたら、“うん分かった!ちゃんと伝えておくよ!”って。返事が無かったから、てっきり大丈夫なのかと…」

「いや、ルリにそんなこと聞かれた覚えは一切ないのだが?」

 ここでまたも一斉にルリを見る。さっきとは違い、額から液体が光って見える。

「あ、あの…えっと…」

「ルリ。どうなんだ?」

 最早原因は炎を見るより明らかだろう。ごまかしようもないだろうし。

「ル~リ~?」

「ごめんなさい!伝え忘れていました!」

 ルリは頭をビシッと下げる。

 う~ん…。

「…ま、別にいいけどさ。わざとじゃないらしいし」

「いいの!?」

「次からはちゃんと言えよ?」

「は~い…」

 と言いながら、ちゃっかり6枚目のホットケーキに手を出していた。こいつの将来はきっと、大食いファイターだな。

「ところで、その王都、シンペキに行って何をする気なんだ?」

 俺はリーフに話を振る。そういえば、王都に向かう理由を聞いていなかったな。

「実は、あのエルフ達からの提案なんです」

「…え?」

 俺は思わず女エルフ達の方を見る。

 ちなみに、女エルフ達の胃は常人らしく、特大サイズのホットケーキの半分でお腹いっぱいらしい。なので、8枚渡しておいたのだが、今話している間もちょくちょく食べている。そして、

「…はい。私達がリーフ様にお願いしたのです」

 こうして、女エルフ達は話し始める。


 女エルフ達の代表、カーナは話し始める。

「この度、私達はアヤト様方に救われました。ですが、これからどうしてもやらなくてはならないことがあり、それは王都に行かないと出来ないのです」

「はぁ」

 俺としては・・・連れて行ってもいいと思っている。こいつらにも何かしらあるんだろうし、一度救った以上、ある程度は世話をしないといけないな、とは思う。

「もちろん!その後でしたら、私達をいかようにしてもかまいません!体をすきにしてもいいですし、捨て駒にしてもかまいません!」

「いや、そこはかまえよ」

 思わず突っ込んでしまった。だが、かなり切羽詰まっている感じは伝わってくる。嘘、というわけではないようだが、そうまでして王都に行きたいのはなんでだ?

「私達はどうしても王都に行き、国王を倒さなくてはならないのです」

「…え?」

 俺は、驚く以外の感情を知らない様な顔を晒していた。


次回予告

『3-2-14(第203話) 女エルフ達の覚悟』

女エルフ達が王都、シンペキに向かう理由、目的を聞いた彩人。その覚悟に、彩人達も答えを導き出し、道を進みだしていく。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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