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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
200/546

3-2-11(第200話) 22人での狩り

今回、200話達成となりました!

まだまだ話は続きますが、今後とも読んでいただけると嬉しいです!

記念として、久々の短編を次回予告の前に載せます。

今後も不定期に載せたいと思います。

 お昼後、俺達22人は全員で周辺の魔獣を狩っていた。何人かに分かれていたが、やはりボッチ算は存在するものだなと実感できた。


 ここで、ボッチ算について説明しよう。

 ボッチ算を一言で説明すると、余り1が存在しない割り算である。

 例えば、7を2で割るとしよう。普通なら、3余り1と出るのだが、ボッチ算を使えば、答えは4となる。

 ここでほとんどの人が気づくだろう。

 いや、それはおかしくね?と。だが、これがボッチ算の真髄である。1を任意の数字に置き換えることで、割り算を無理やり成立させているのだ。もっと具体例をだせば、学校の時の班決めの時なんかはそうだろう。31人で班決めをする時、1グループ5人のグループを6つ作り、余った1人は人知れず孤立し、5人グループと同等の扱いを受ける。これが善か悪かなんて知ったことではない。だが、こういった境遇が、ボッチ算といった訳のわからないシステムを創造し、周りから変人扱いされるのだろう。

 

 …俺は何を言っているんだ?ま、こんな醜い話は心の奥底に秘めておくことにしよう。

 と、とにかく!今俺がおかれている状況というものが、

「…ま、当然こうなるわな」

 独り、取り残されたこの状況である。3人グループを7つ作れば、必然的に1人余る。最初、リーフ達が誘ってくれたが、「あ、俺はちょっとやることがあるから」と言ってごまかしておいた。そして現在、ボッチ様の誕生となったのだ!…ほんと、何やっているんだか。俺は独り。そう、独りで狩りをしていた。ちなみに、荷物番の方は女エルフ達が持ち回りでやっていてくれたらしい。言葉にしないが、感謝の合掌くらいはしておこう。

 そして、女エルフ達が狩ってきたのは、

「どうぞ。お納めください」

 主に草?が中心だった。初見の時、

(…もしかして、馬鹿にしているのか?)

 とも思ったが、薬草や春の七草があったことを思い出し、そういった類のものかと納得した。後で調べておこう。後は…兎?ぽい動物だった。だが、その動物にはヒレ?ポイ何かがついていた。魚によく見られるあのヒレである。何のためについているのだろうか。女エルフ曰く、あっさりとしていて、ヒレの部分が特に美味しいのだとか。このヒレの部位が希少部位、ということなのか。

 次に、リーフ、イブ、クリムのグループは、熊?一頭と木の実だった。熊は既に血が抜かれおり、傷もそこまで多くなかった。おそらく、一発か二発で仕留めたんだろうな。だけどこの熊、どこか変だな。というより、どこかで見たことが…?あ、もしかして、クマグマンか?俺がそう聞いたら、

「正解!」

 と、クリムが親指をたてて答えてくれた。こんだけ大きいなら、当分肉には困らなかっただろうな。7人なら、の話だがな。後の木の実は…青りんごか?形や大きさはリンゴにそっくりだが、色は赤くなく、緑色に近い。食べてみたいが、食べていいのだろうか。ちょっと心配だし、勇気がいるな。食べてみたら渋くて食べられませんでした、とかシャレにならんぞ。

 そして、クロミル、ルリ、モミジのグループは、

「…これ、食えるの?」

「はい!これは食べられます!」

「…ほんと?」

「「・・・」」

 …木を、持ってきていた。ちなみに、若葉とか、木の苗とか、そういったオチはなく、本当に大木を持ってきたのだ。しかも何本も。それを食べられるとモミジは発言する。…まじか。お前まじか。ほんと、呆れにあきれてしまう場面となっていた。声がでないってこういう時のことを言うんだなと実感した瞬間でもあった。後は猪っぽい魔獣を狩っていたらしく、血抜きをきれいにしていた。

「お兄ちゃん!これで美味しい鍋でも食べようよ!な~べ!な~べ!」

 ルリがこんなことを言ってきたが、俺は軽くスルーし、再び食べられる(と、モミジが言っていた)樹木に目をやる。勇気を振り絞り、モミジにこの大木の食べ方を聞いてみた。

「え?食べ方、ですか?そのままかじってもいいですし、後は焼いてみてもいいと思いますよ?私も一度焼いて食べましたし」

 とのことだった。嘘をついている気配は一切ないのだが、どうにも固定概念が邪魔をし、食が進まない。食欲魔人であるルリも微妙な顔をしているのが証拠である。

「…分かった」

 俺は死ぬ覚悟で木の皮をめくり、しっかりと焼いてから、

「「!!??」」

 一口かじった。

「!?」

 う、美味い!?最初、木の味がするのかと思ったが、味はキノコに近いな。だが、噛んでいくうちに味がどんどん濃くなっていく。例えるならキノコの干物、といったところだろうか。だが、触感的には干しイモだ。ちょっと噛みづらいが、それを考慮しても美味いと感じられる食材だ。…そういえば、外人にゴボウを教えるときも最初は苦労したとかどっかの記事で読んだことがあったようななかったような…。そんな感じなのだろうか。

 こうして、みんなの材料調達は順調に進み、時間は過ぎていく。

 あ、俺ですか?俺は独りで細々と木の実を採取していましたが何か?いや~。ヤシの実みたいな実がたくさんあってよかったな。

 …よく考えてみれば、一グループ2人のペアにすれば、人が余るなんてことはなかったんじゃないか?…次からはそうすることにしよう。

今回の登場人物

ア=彩人

モ=モミジ

異世界版ことわざ(慣用句)

~吹く風枝を鳴らさずについて~

ア「いや~。今は平和でいいなあ~」

モ「まさに、”吹く風森災怒らせず”、です」

ア「…何それ?」

モ「はい。確か、世の中がよく治まり平和な様子、だったかと思います」

ア「確かに。近辺に魔獣もいないし、平和そのものだよな」

モ「あの森にいた時なんか、常に蹴られ、殴られ、貶されていましたから。こんな時間を過ごせるだけでも幸せです」

ア「…そうか。これからもこんな平和な時間を過ごせるよう、努力するよ」

モ「私も頑張ります!」


続いて、次回予告です。

次回予告

『3-2-12(第201話) 嫌われ覚悟の謝罪』

 その夜、彩人はクリム、イブ、リーフの3人と話をするため、起きてもらった。そして、彩人から、誘拐のことで未然に自虐しながら、嫌われる覚悟で、これまで思っていたことをぶちまける。それには謝罪も含まれていた。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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