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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
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3-2-9(第198話) 女エルフ達と俺達

前回、キャラ一覧を作ってしまったため、割り込みで入れることしか出来ず、予約掲載でキャラ一覧の後に入れるとおかしくなってしまいます。自分の失敗に後悔の懺悔です…。

 あれから俺達、というより女エルフ達は朝食を食べ始めた。もちろん、俺らの奢りである。俺達が朝食を作り、女エルフ達の前に皿を出す。当の本人達は、「ありがとう」とか「美味しいです」等を言ってくる。ま、作ってきた側とすれば嬉しいかな。…少し、根に持ち過ぎなのかもしれないな。そして、これを機に、ホットケーキをまた作っていた。俺が作り始めたことにより、ルリ達も作り始める。おい、まだ作り置きのホットケーキが百枚以上あるのだが?そんなたくさん作っても食べきれないぞ?ま、あればある分だけ嬉しいけどさ。え?他のホットケーキも試作したいって?しょうがないなぁ。

 また俺達は1日中、同じ場所で過ごした。警戒はもちろん怠りはしないが、それ以上にみんなはルリ達と話をしていた。それで仲良くなったのか、みんな仲良く話をしていた。もちろん!そのみんなの中に俺は含まれていませんが!二十人以上いるのに、俺一人だけボッチ街道まっしぐらなのだ!俺もやることをやっていたので、別に寂しさを感じることはない…ことはなかった。作業も順調にこなしたし、いいんだけどさ。孤独を感じる一日だったよ。

 そして、やること、というのは、

「お兄ちゃんありがとう!!」

「ご主人様からの贈り物。一生大切にさせていただきます!」

「ううぅ。私なんかにこんな素敵な物を…」

 喜んではくれたみたいだ。モミジは涙を流していたが、哀しみの涙ではないことは確実だろう。もちろん、【収納】、【不壊】の2つは付与済みである。絵も上書きに成功し、ルリの手書きデザインも反映した。上手くいって良かったな。また、これを機に、これまでの感謝の意を込めた。当然といえば当然だ。ルリやクロミルには普段からお世話になっているし、モミジには命を救われたのだ。伝えると、

「えぇ~?そんなの当然だよ~?だから、そんな改まって言わなくていいよ?」

「ご主人様にそう言ってもらえただけでも、私は幸せ者です」

「あ、ありがとう。え、えへへ♪」

 お互い、変な空気に包まれてしまった。こんな空気、両親と喧嘩し、仲直り直後の空気みたいだ。非常に気まずいな。

 そして、イブ、クリム、リーフの3人はというと、

「これはですね。こうやってかき混ぜて…」

「あ~!?もうイブ!だからつまみ食いはしないでって何度も言ったのに!どうしてつまみ食いするの!」

「…美味しいものがそこにあるから」

「もう!この、食いしん坊お化け!」

「…今の発言は許さない。この、筋肉お化け」

「何ですって!?」

 …まぁ、相変わらずだな。だが、リーフは他の女エルフ達にホットケーキの作り方を教えていた。最初はクリム、イブも教えていたのだが、教える人数が少なくなると、2人でキャットファイトを始めていた。そしてその後、二人で備品の点検をしてくれた。仲悪いのかいいのか分からないな。喧嘩するほど仲がいいということでいいんだろうか?それと、いつの間にか見覚えのない防具があった。これは…胸当て?でいいのか?こんなの買った覚えがないのだが…?リーフ達に聞いてみると、

「これらは私達からのお土産です」

 お土産?…そういえば、宿の時、そんなことを言っていたような…?もしかして、これが?そういえば、防具らしい防具を身に付けていてもいないし、持ってもいなかったな。これは盲点だった、としか言いようがないな。俺って迂闊だな。普段からロールプレイングゲーム等で装備品の大切さを嫌というほど知っていたはずなのにな。やはりまだ、どこかゲーム感覚で生きているからなのだろうか。自分自身、そんな気は一切ないのだが、何故そんな簡単なことにも気付かないのだろうかと自問自答したくなる。自問しても自答はないわけだが。

 そして、女エルフ達の事だ。朝食の後、三人と一緒に話をしていたのだが、夜になって話があると改めて言われたので、夕飯の時はちょっとだけ緊張した。そして夕飯の時、

「…私達を王都に連れて行ってもらえませんか?」

 と言われたのだ。最初は、ずいぶんと厚かましくなったものだなと感じた。だが、俺も用事があったり、やりたいことがあったりする。だが、これを俺一人で決めていいのかと思い、イブ、クリム、リーフを見た。そしたら、首を縦に振ったので、了承したのだと思った。もちろん、ルリ、クロミル、モミジにも視線で了承の意があるのか確認した。そしたら、

「私はお兄ちゃんについて行くよ♪」

「ご主人様の意に従います」

「私も一緒に行きたいです」

 という意見をありがたくいただいたので、女エルフ達の意志を了承した。といっても、出発するのは明日なので、今すぐ出発する、なんてことはなく、女エルフ達が喜ぶだけとなった。ただ、何がしたいのかはすごく気になるな。そして、みんなでお風呂に入った。女エルフ達は俺の浴室にもの凄く驚き、終始、

「本当に私達がお風呂に入っていいのですか?」

 と聞いてきたのだ。そして、至福の時間は過ごしていった。…あ、もちろん、俺はその後の湯を一人で堪能しましたよ。知っていると思いますが、みんなの中に、俺は含まれていないですからね!ま、湯上りの多くの女性を眺めることが出来たのは役得だろう。ありがたや。

 こんな幸せで、至福で、実のある時間は過ぎていき、いよいよ明日はこの地を離れることとなる。

「お休み」

「「「「「「お休み」」」」」」

「「「お休みなさいませ」」」

 女エルフ達が代わりに夜の見張りをしてくれるというので、今夜も彼女らに任せ、俺達7人は夜を休息の時間として過ごす。それにしても、あの女エルフ達は何故、王都に行きたがるのだろうか?明日、その理由を話してくれるといったが、やっぱり気になるな。ちょっとだけモンモンとした夜だった。

次回予告

『3-2-10(第199話) 22人での旅』

 十分に休んだ彩人達一行は、この地を離れるため、馬車での移動を再開する。彩人はリーフ達の誘拐について考えながら、罪悪感を覚える。それは、自分がもっとしっかりしていれば未然に防げたかもしれない、というif話であった。

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