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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
196/546

3-2-7(第196話) その後の夜~女エルフ達編~

 そして同刻。

「…ああ。なんてことをしてしまったのでしょう…」

 女エルフの代表、カーナは俯いていた。

「…何よ、あの女。私たちよりあんな出来損ないのフォレードの方が大事だというの!?」

 一方、さきほどモミジに対していちゃもんをつけてきた女エルフ、エーガンはふてくされていた。

「違うでしょ!?助けてくれた人に対する言い方じゃないって言っているでしょ!」

「あいつは人じゃないでしょ!それに、助けてくれなんて頼んでない!」

「嘘おっしゃい!捕まった当初はあんなにも涙を流して…!」

「あー!あー!聞こえなーい」

 最早子供の喧嘩のようだった。

 だが、女エルフ達はかなり焦っていた。何せ、助けてくれた恩人を怒らせてしまい、明日、どんな様子で顔を会わせればいいのか分からなかったからだ。

「…とにかく、まずは精一杯謝って、その上であの方達に決めてもらうしかないわ」

 そんなカーナの意見に、

「え?謝らなくてもいいじゃない?なんなら、力でねじ伏せればいいだけでしょ?」

 そんなエーガンの発言に、

「「「は???」」」

 エーガン以外の女エルフが間抜けな声を発した。

「…あの方達は世界樹に勝ったけど、それはどう説明するの?」

 そうタドタドしながら聞くカーナに対し、

「え?そんなの偶然でしょ?」

 あっけらかんと答えるエーガン。そんな同僚に、

「…とにかく、あなたはずっと大人しくしていなさい。いいですね?」

「いやよ!第一、あんな奴らの言うことなんて聞きたくもないわ!私一人でも…!」

「ならそうしなさい」

「え?」

 引き続き、カーナは話を続ける。

「私達はあなたを除いた全員で土下座をして、許しを請うつもりです。そんなところにあなたがいても迷惑です」

 その言葉を聞き、

「じょ、冗談、よね?ほら、私達、同じエルフでしょ?」

 エーガンはさっきより若干声を高くして話しかけるが、

「…命の恩人に対する発言じゃ、なかったよね…」

「…大体、あの御方達が怒ったこともエーガンのせいだし…」

「…ま、いない方がいいかな…」

 と、エーガンを非難する声が続々とでてくる。エーガンは、自分に味方がいないことを悟り、顔色を悪くさせていく。

「う、嘘でしょ?私がいなかったらこれからどうなるか分かって言っているの!?」

「あなたなんか、いてもいなくても変わらないわよ?」

 エーガンの発言にカーナはこう返す。

「はぁ!?」

「だったら、あの子に対し、あなたは何が出来るの?あの時動けたのは、あちらの方達だけ。私達は呼吸するだけで精いっぱいだったの」

「「「・・・」」」

 他の女エルフ達も心当たりがあるので、カーナの話を黙って聞く。

「あの子が本気で私達を殺しに来ていたら、私達の命はそこらの木の枝みたいに簡単に折れるわ。それで、あなたは何が出来るの?」

「・・・魔法」

「例えできたとしても、あんな威圧出来る子が何も出来ない、なんてことはないでしょう?それに、あのエルフの方の言う通り、私達が先に余計なことを言ってしまった。それが原因であの子が怒ったの。それを理解しているの?」

「・・・ごめん、なさい」

「とにかく、まず明日の朝一は全員で土下座。その後はあの方達に決めてもらいましょう。それでいいですか?」

「「「はい」」」

「…はい…」

 こうして、女エルフ達の謝罪決行の時は近くなっていった。

次回予告

『3-2-8(第197話) 女エルフ達からの謝罪』

 一晩経過し、彩人は体の痛みを覚える。昨晩の体の酷使がここにきてひどくなっていた。とはいえ、朝ごはんを食べるためにもテントからでると、女エルフ達が全員、土下座をして待ち構えていた。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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