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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 鮮緑と老緑混じり合うエルフ達
195/546

3-2-6(第195話) その後の夜~ルリ、モミジ、クロミル編~

 そして同刻。

 ルリ、クロミル、モミジもテントに入っていった。ルリは今も気を失い、クロミルが抱えているが。テントに入るなり、

「今日はごめんなさい!」

 いきなり、モミジがクロミルに謝罪をした。それは、ミスをしてしまい謝罪をするサラリーマンのような謝罪であった。

「…何故あなたが謝るのでしょうか?」

 クロミル自身、不思議に思っていた。

「だって、私がみんなを助けたから、あの女性のみなさんを助けたから、あの人達が不快になったわけですよね?でしたら、私が元々助けなければよかったわけで…」

「本当にそれでよかったとお思いですか?」

「え?」

 クロミルはモミジの話を遮り、話を始める。

「モミジ様は、私達を助けてくれました。そのおかげでご主人様はもちろん、私やイブ様、クリム様、リーフ様、ルリ様は今もこうして生きて行けるのだと思っています」

「・・・」

 モミジは口を開かず、クロミルの話を聞くことに徹する。

「私達は感謝こそすれ、文句を言うという恩知らずなことは致しません。ですが、あの者達は、命の恩人に対し、感謝の一言も言わず、同情を誘い、モミジ様を貶めるような発言をされていました。私にはあの言葉の真意が全く分かりません。というより、理解したくありません」

「だからね、元々私がこの髪をもって生まれてきたことが…」

「モミジ様。牛人族は恩を絶対に忘れない種族でございます」

「え?あ、そう、なんだ…」

 急に話が変わったところでモミジは戸惑うが、顔色一つ変えずにクロミルは話を続ける。

「あの時、あの女性の方々は私達から恩をもらいました。ですので、牛人族の観点から言いますと、あの女性のエルフの方々は私達に恩を返さなくてはなりません。ですが、その前にあの方々は何と言いましたか?」

「・・・私の髪を見て、私の悪口を言っていたこと?」

「そうです。それは恩をもらった人達のする行動ではありません。その証拠に、リーフ様があんなに怒っていたではありませんか?それだけ、リーフ様がモミジ様のことを思っていた証拠です」

「…私って、愛されているの?」

「ええ。かくいう私も、その髪を見た時から、親近感はありました」

「この髪なのに?」

「ええ。私も、白と黒が入り交ざっている状態ですから。他の方々はみな一色ですので」

「確かに。そう考えてみると、私達って、結構似た者同士、なのかな?」

「かも、知れませんね?」

「モミジお姉ちゃんは~、私がまもる~」

「「!!??」」

 突如、ルリの言葉が二人の会話を遮り、モミジの守護騎士発言をする。

「…優しい子、ですよね」

「ええ。ご主人様の妹であり、私達の妹です。もちろん、モミジ様の妹でもあります」

「だったら、姉の私がしっかりしなくちゃ、かな?」

「あまり根詰め過ぎてはいけませんよ?」

「ありがと。それじゃあ、今日は守ってくれてありがとう。あと、私のために怒ってくれてありがとう」

「!?気付いていたのですか!?」

「うん♪こう見えて結構、みんなのことを見てきたつもりだよ。それじゃあ、お休み」

 モミジは横になり、そのまま寝付く。

「…お恥ずかしいところをお見せしてしまいましたね」

 そう愚痴をこぼした後、静かに横になった。

次回予告

『3-2-7(第196話) その後の夜~女エルフ達編~』

 一方、女エルフ達でも、モミジに対する発言に怒りを表していた。そして、今後の身の振り方について、一同、知恵を絞りだす。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

 感想、評価、ブックマーク等よろしくお願いいたします。

 

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