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色を司りし者  作者: 彩 豊
第3色 緑の国 第一章 赤と緑が混在するフォレード
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3-1-18(第176話) ロウカンでの自由行動 ~リーフ、イブ、クリム編~

今週もこの1話だけの投稿となります。

来週からは!と思っていますが、今のところ、未定です。

 私、リーフは今、クリム、イブの2人と一緒にこの町、ロウカンを歩いています。

 これからどうするか話し合ったところ、

「…リーフに任せる」

「そうですね。困った時のリーフです!」

 と、イブ、クリムが言い、私が行き先を考えることになりました。

 少し考えた結果、

「装備を整えましょう」

 私はそう結論付けました。

 今考えてみると、私達の格好は、剣を持っている以外、そこらにいる市民の格好と大差ありません。普段ならいいのですが、戦闘時はやはり防具を付けた方がいいでしょう。そう考えると、アヤトもルリちゃんもクロミルちゃんも防具を付けていませんね。それなのに大した怪我もせずによくここまでこられたものです。私達も同じですが。その私の意見に、

「…ん。賛成」

 イブは賛成してくれたのだが、

「…防具って付ける意味あるの?軟弱者が付ける物だと思っていましたが…」

 そのクリムの発言に、

「「・・・」」

 私達は驚きを隠せずにいました。まさか、まさかとは思いますが、アヤトはそういう考えは持っていませんよね?

 クリムのお馬鹿な発言はともかく、私達は、防具が売られている店に向かいました。

「!?へ、へいらっしゃい!」

「「「???」」」

 何か今、私達を見て驚いたような…?

 そんなことはともかく、今は防具です。ルリちゃんの体内で生成される魔銀を使った特注品にすることも考えましたが、そこまで甘えるのはよくありませんよね。市販の物でもいいものはいいですし、ここは多少目利きが出来る私の出番ですね!腕が鳴ります!

「さ、私がみんなの分の防具を選びましょうか?イブは何にします?」

「…こんなのはどう?」

 と、イブが私に見せてくれたのは、

「なるほど、胸当て、ですか。となるとこちらではなく…」

 胸当てがあるということはおそらく…、

「ありました!こっちのサイズが調整出来る胸当ての方がおすすめです!」

 と、イブに勧めておく。

「…こっちの胸当てはサイズ調整出来ないの?」

「これは…出来ないみたいですね」

「…だったら、これと同じ色の胸当てある?」

「ちょっと聞いてみましょう。すいません」

「んあ?何か用か?」

「はい。これと同じ色でサイズ調整が出来る胸当て、ありますか?」

「ちょっと待っていろ。…あった。これでいいならあるぞ」

 店員さんから渡されたものは、イブが持っていた物と同じ色で、サイズ調整が出来る胸当てだった。

「試着しても構いませんか?」

「壊したり傷を付けたりしなければ、別に構わねぇぞ」

 店員さんの許可もとったことですし、

「実際に付けてみますか?」

「…ん。分かった」

 イブに胸当てを渡し、試着を促す。

 ・・・。

 あれ?なんか、付けるのに手間取っているような…?もしかして、

「…イブ、一人で付けられます?」

「・・・ん。一人で、大丈夫」

 と言いながら、今も付けるのにだいぶ苦労している模様。

「あれ?もしかしてイブ、着れないの?」

 ここで、クリムがイブに対し、やや挑発的な態度で話しかける。いつもみたいな取っ組み合いは、ここではしないでほしいのですが、大丈夫でしょうか?

「…脳筋娘に言われなくても、問題、ない」

「またまた~♪強がる必要なんてないから。ほら、こっち向いて?」

「…むぅ」

 と、クリムがイブに対し、優しく着付けをしていた。

「…こんなもの、かな?イブ、着心地はどう?」

「…問題ない。きつくないし、大丈夫。けど、」

「けど?」

「そうですよ!どうして、クリムがここまで出来るのですか!?」

 さっきクリムは、防具とは無縁ですよ、というような発言をしていたじゃないですか!?

「…ねぇ二人とも私を何だと思っているの?私、泣くよ?」

 と、クリムは軽くため息をついた後、

「私は昔。お父様から色々な武器、防具について色々聞かされていましてね。そして、実際に持ってみたり、着てみたりしたので、ある程度教えられるんですよ」

 と、どや顔で言ってきた。

 確かに凄いことだと思うのですが、普段のあのひどい様子からは想像もつきません。というより、

「…もしかして、偽物?」

「違います!本物のクリムです!」

 正直なところ、私も少し思った。普段のクリムとは思えないほどの知的発言だった。

「とにかく!これに後は…靴ね!動きやすそうなのは…これかしら?」

 と、クリムが手に取ったのは茶色の靴。見た目、どこにでもありそうな靴ですね。

「この革、もしかして【ボンボンボアー】じゃない?」

「ボンボンボアーですか?あの?」

「ええ。この質感に軽さ。間違いないわ」

 ボンボンボアー。

 それは確か、丸々としている猪のことだった気がします。

 肉自体はとても硬く、臭いがきついということもあって食用に向かないのですが、皮は大変有能で、お金にゆとりがあるなら、是非とも買い揃えたいほどだったはずです。クリムが言うまで気づきませんでしたが、何故そこまであのクリムが知っていたのでしょう?

「嬢ちゃん、よく分かったな。最近のやつはボンボンボアーの装備はあるか、なんて聞いてくる男ばっかでよ。俺の作った装備を見ずにそんなことを言うんだぜ?嫌になっちまうよな?」

「その気持ち、よ~く分かります!ここにある装備、なかなか良いのが揃っていますよね!癖の強そうなものから、どんな装備にも合いそうなものまで、実に多種多様で…」

「だろ!?お前さんは分かる奴だな!」

「特にこれなんか大変じゃありませんでしたか?クマグマンの膝当て」

「おお!?嬢ちゃんはやっぱり分かっているね~♪」

「クマグマンの皮を使っているのにこの軽さに質、相当苦労したのではないでしょうか?」

「おおよ!何て言ったって…!」

「「・・・」」

 こうして、クリムと店員さんの会話は、私とイブを無視して続けられた。

 この待ち時間を無駄にするのは良くないと思ったので、二人で食材の買い出しに行き、再びこの防具屋に戻ってきましたが、それでもまだ話し中だったらしく、私とイブはまた待つことにしました。


 そして話すこと数時間。

「…そういえば、お前の連れは大丈夫なのか?」

「あ!」

 ここでようやく私とイブの存在を思い出したらしい。

 私とイブは食材の買い出し以降、店の外で待っていました。中で待っているのも申し訳ないと思い、外で待つことにしました。ですあ、待てども待てどもクリムは来ません。ほんとに何をしているのでしょう?

「あ!こんなところにいた!も~。店の中にいなかったから、どこに行っていたのかと…」

「「・・・」」

 私とイブはクリムに冷たい視線を送る。ほんとにこの子は…。

「あれ?もしかして、私が悪い、の?」

「「と・う・ぜ・ん!!」」

「ひぃ!?」

 何時間も話し込むなんて、どれだけ話したかったのですかまったく…。

「ほ、ほら!お礼に、無料で色違い、それもサイズ調整が出来る胸当てをたくさんもらったからさ!これをアヤト達のお土産にしようよ、ね?」

「…どうする、イブ?」

 こればっかりは私一人では決めかねます。私達を数時間放っておいたとは言え、タダであんなに鉄の胸当てをもらえたのですから。

「…その胸当てに免じて許す」

「あ、ありがとうございます…」

 小さくなりながら、クリムは私達に頭を下げる。

「ところでクリム。どうしてそこまで詳しいのに、防具は軟弱者が付ける物だと思っているのですか?」

「え?それは、防具を付けることで、付けた人の危機感が薄れ、いざという時に対応できなくなったり、防具に頼った戦い方になったりと、お父様が言っていたからだけど?」

「「・・・」」

 なるほど。親子そろって脳筋、というわけですか。それにしても、いざという時ってなんなのでしょう。怖くて聞けませんね。

 こうして私達は、クリムの活躍?により、大量のお土産品を持って、アヤト達が待っているであろう宿へと向かいます。

次回予告

『3-1-19(第177話) 集合からの・・・』

 それぞれが宿屋で集合し、報告を始める一行。だが、事態は刻一刻と迫り、ついに彩人達に牙を向く!


 こんな感じの次回予告となりました。だいぶ短めで、来週にならないとまったく分からない次回予告となってしまいましたが、来週を楽しみに待ってくれると嬉しいです。評価、ブックマーク、感想等お待ちしております。

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