3-1-17(第175話) ロウカンでの自由行動 ~ルリ、クロミル、モミジ編~
今週も一話での投稿とさせていただきます。
執筆活動も相変わらず頑張っていますが、戦闘シーンがうまくかけず、悩んでいるこのごろです。
私、ルリは今、クロミルお姉ちゃんとモミジお姉ちゃん(今は木刀に寄生している)の3人でどこに行こうか話し合っていた。
「ねぇーねぇー?クロミルお姉ちゃんはどこに行くの?」
「そうですね…。ここはルリ様に任せたいと思っているのですが…」
「えぇー?たまにはクロミルお姉ちゃんの行きたいところに行ってみたーい!」
「えっと…。モミジ様もそれでよろしいのですか?」
「わ、私はどこでも構いません。こうして誰かとお出かけするのは初めてなので、楽しみです」
「そうですか。それでは、私に一任、ということでいいですか?」
「うん!」
「はい!」
こうして、私とクロミルお姉ちゃんと木刀(に寄生しているモミジお姉ちゃん)の2人?3人?で買い物に出かけた。
着いた場所は、
「…クロミルお姉ちゃん?ここで何を買うの?」
「はい。ご主人様からお金を預かっていますので、そのお金で整備に必要な備品でも調達しようかと」
「へぇー」
よく分からないけど、ここ、道具屋でクロミルお姉ちゃんは買いたいものがあるらしい。
私は、クロミルお姉ちゃんの買い物が終わるまで、この店の中でブラブラすることにした。
「…そういえばさ、モミジお姉ちゃんは何か欲しい物あるの?」
「え?わ、私ですか?」
「うん!だって、せっかく仲間になったんだし、何か買ってあげたいな~、と思って、駄目かな?」
私はお兄ちゃんにお揃いのブレスレットをもらったし、イブお姉ちゃん達からは、クロミルお姉ちゃんとお揃いの服をもらったし。だから、私もモミジお姉ちゃんにも似たようなことをしてあげたいと思ったけど、迷惑だったかな?
「!??い、いえ!そんな機会、一度もなかったので嬉しいです!」
「そう?良かった~♪」
そうなると、どんな物がいいのかな?
食べ物は…お兄ちゃんがいるから大丈夫だし、それ以外だと…何だろう?これはクロミルお姉ちゃんに話さないと。
「…?どうかなされましたか?」
「あ、クロミルお姉ちゃん!買い物は済んだの?」
「そうですね。食べ物はイブ様達がすると言っていましたし、大丈夫かと」
「それじゃあ、話したいことがあるんだけど、いいかな?」
「何でしょう?」
「モミジお姉ちゃんに何かあげたいんだけど、何をあげたらいいかな~って」
「モミジ様は何がいいと?」
「わ、私は何でも構いませんよ!?」
「だって。だからクロミルお姉ちゃんに頼もうかな~って」
「分かりました。それでは、少し離れた場所に雑貨屋がありましたから、そこに向かいましょうか?」
「うん!」
こうして、私達は雑貨屋に向かうことになった。
雑貨屋。
そこには色々な物があるらしい。
どこかの扉を開けるための鍵や、小物を入れるための小箱、手のひらサイズの人形などなどが置いてある。
「ここでなら、何かいい贈り物が見つかるかと」
「へぇ~。こんなにたくさんあるんだね。モミジお姉ちゃんは何がいい?」
「え!?えっと~…」
モミジお姉ちゃんは寄生していても外が見えるらしいので、私は木刀を持って、色々な商品に近づけた。
「す、凄いですね。こんなに色々あるなんて…」
「迷っちゃうね~♪」
「・・・」
そんななか、クロミルお姉ちゃんは一つ一つお店の物を真剣な目で見ていた。もっと気楽でいいのに。
「どれがいい?」
「う~ん…。どれがいいのでしょうか?」
こういう時はクロミルお姉ちゃんに!
「・・・」
…集中しているみたいだから、今はそっとしておこう。
「モミジお姉ちゃんは欲しい物あった?」
「いえ。なんかすいません…」
「う~ん…」
この店に欲しい物がないとすると、他の店に行った方がいいのかな?…そうだよ。他の店に行けばいいんだ!
「クロミルお姉ちゃん!別の雑貨屋さん、ある!?」
「…え?確か…数軒あったとは思いますが…」
「それじゃあそのお店に行こう!そしたら見つかるかも!」
「分かりました。ではこちらです」
こうして、別の雑貨屋さんに向かうことにした。
モミジお姉ちゃんが気に入る物があればいいな。
だが、
「結局、いい物は見つからなかったね~…」
「うん」
「一体、どこに行けばいいのでしょうか?」
どうやら、お気に入りの物は無かったらしく、これからどうすればいいか考えていた。
私は木刀を地面に置き、その場に座る。
「ルリ様。そんなところに座ったら、服が汚れてしまいます」
「だって~」
あんなに探したのに見つからなかったから急に疲れが…。
「・・・あの」
「ん?」
「そのブレスレット、どうされたのですか?」
「これ?お兄ちゃんからもらったの!お兄ちゃんのマークと、ルリのマークを刻んでもらったんだよ!凄いでしょ~♪」
「…決めました。私、決めました」
「「え??」」
も、モミジお姉ちゃん?
「私もそういう…誰かとお揃いの物が欲しいです」
と、モミジお姉ちゃんは言い切った。
「…分かった。それじゃあ、ルリとお兄ちゃんのお揃いにする?」
と言いながら、私は木刀にブレスレットを見せる。
「はい!お願いします!」
「・・・」
「?クロミルお姉ちゃん?」
「わ、私もご主人様とお揃いの物が欲しいなと思いまして…。我が儘でしょうか?」
と、クロミルお姉ちゃんはモジモジしながら聞いてきた。
「そんなことないよ!後でさ、みんなでお願いしよう!ね?」
「「はい!!」」
「そうだ!今の内にさ、みんなの模様、決めない?」
「「みんなの模様??」」
「うん!」
私は頷きながらブレスレットを外し、みんなに見えるように置く。
「この模様はね、ルリが考えたんだよ。この包丁がお兄ちゃんで、ルリは蛇だよ」
「な、なるほど」
「ルリちゃんって絵、上手なんだね」
「ありがと~♪それでね、クロミルお姉ちゃんとモミジお姉ちゃんにはそれぞれ自分の模様を考えてほしいなって。どうかな?」
「「じ、自分の模様…」」
あれ?なんか反応がおかしいような…?
「どうしたの?自分を絵にするだけだよ?」
「自分を絵に…」
「私って、何なんでしょう?」
と、お困りの様子。私も最初は悩んだし、ここは大人しく待っていよう。
けど、
「「・・・」」
「ふ、二人ともどうしたの?自分を絵にすればいいだけだよ?」
「「で、出来ない…」」
二人とも、すごく落ち込んでいた。
一応、町のちょっと外れに来ているけど、ここでよかったかも。二人のこんな落ち込んだ顔、他の人達に見せたくなかったし。
「どうしても出来ない?」
「ご、ごめんなさい。生まれてきてごめんなさい」
「わ、私も出来なくて…。すいません」
何もそこまで真剣に謝られても…。
でも、二人にも出来ないことってあるんだ。それが知れただけでもなんか嬉しい。
「それじゃあ、文字を入れる?それだとバラバラな気がするし、やっぱり絵で揃えたいよね」
う~ん…。どうしたものかな?
私が悩んでいると、
「…あの」
「ん?なあに、モミジお姉ちゃん?」
「ルリちゃんはどうやって、その絵を思いついたのでしょうか?」
「この絵の事?」
「うん」
「う~ん…。どうもこうもなんとなく、かな。だから…」
私はとある二つの絵を描く。
「ほら!これがクロミルお姉ちゃんの絵で、これがモミジお姉ちゃんの絵だよ!」
と、二人に見せる。
クロミルお姉ちゃんの絵は、牛さんの顔にした。笑顔で笑っている絵にした。
モミジお姉ちゃんは木にした。最初は木刀にしようかと思ったけど、それじゃあお兄ちゃんの包丁と被っちゃうからね。でも、木だけじゃなんだし、顔も描いておこうかな。
…うん!笑顔でいい顔の絵が描けた!こんな感じかな?
「「これ、いい」」
「え?」
「「これがいいです!!」」
と、二人は私が描いた絵を指差しながら断言した。
でも、
「これ、ルリが二人のことを思って描いた絵だよ?これでいいの?」
本人が描いた方がいいと思うけど…?
「いえ。これ以上の絵を描くことは、私には出来ません」
「うん。私もクロミルさんと同じかな」
と、二人は言い切った。
確かに二人の事を想って描いたけど、
「これでいいの?」
遊び感覚で描いた感じだから、ちょっと心配なんだよね。
「「はい!!」」
私の心配とは逆に、はっきりと返事を返してくるお姉ちゃん達。
「…分かった。それじゃあ後で、お兄ちゃんに頼みに行こう?もちろん、みんなで!」
「「はい!!」」
こうして、私達はウキウキ気分で宿に戻る。
あ~。今から楽しみだな。
これでまた、みんなとの思い出が増えるんだから♪
次回予告
『3-1-18(第176話) ロウカンでの自由行動 ~リーフ、イブ、クリム編~』
ロウカンで行動することとなったリーフ、イブ、クリムの3人は、戦闘時の格好を気にしたリーフは、防具を買いに行こうと言い、防具屋に向かう。そこで防具を選ぶこととなったのだが…?
これ以上はネタばらしとなってしまうので、ここまでにします。
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