1-1-13(第17話) ペルセウスの正体
俺、やばくね?
そう思いながら、彩人は魔王と話す内容を考えていた。
一方、
「おう、やっと見つけたのじゃ。ところで何故アヤトは魔国にいるのじゃ?まぁ、それはそれでいいかの♪」
あいかわらずの神であった。
「さてアヤト。死ぬ覚悟はできているな?」
俺は今、魔族の軍と魔王の身内に囲まれている。正直こんな光景より、女の子に囲まれたいのだが、そんなことは言ってられない。
「魔王様。まずは俺と魔王様の身内だけで話さなければいけないことがあります」
「そんなことを言って逃げるつもりだろう?」
「どこへですか?俺はこの近辺のこと知らないんで、逃げても無駄だと思いますよ」
「……それもそうか。では、他の者は退けぇい!!」
魔王は信頼されているらしい。さっきの一言でみんな退いて行った。まぁ、俺には殺気をプレゼントされたのだが。
「さて、では聞くか」
「ペルセウス、のことですよね?」
「………うむ。その通りだ。では、洗いざらいはいてもらおうか?」
やっぱり。ペルセウスの話していた通りだ。俺はそう確信した。
実は、ペルセウスの遺言の中に、魔王に関わるかもしれないと言われていたのだ。まぁ、予想以上に魔王の対応が早かったことに驚いたが。
「はい。俺が殺しました。これ以上、俺たちがいた街を壊滅させるわけにはいかないので」
「きぃさぁまぁーーーーーーーーー!!!!!!」
魔王は俺に殺気を放ち、立ち上がった。その瞬間、魔王は消えた。
いや、魔王は目にもとまらぬほどの速さで俺の下へ高速移動したのだ。
「しねーーー!!!」
そういって、魔王は俺に向かって拳を握り、思いっきり振り下ろした。俺も対応に困るが、俺は落ち着いていた。そして、ある言葉を口にした。
「アイ」
「なぁ!?き、貴様!その名をどこで!!?」
「ペルセウス、いやグランに聞いたのさ」
「ま、まさか!?そんなはずは…」
「それ以外に俺が知る方法なんてないだろ?」
実は、魔族の一つの習慣として、真名を教えるのは、信頼を寄せる相手、それこそ恋人くらいの人じゃないと教えられないらしい。最初に聞いたとき、まさか、「ペルセウス。お前まさか、ホモなのか?」と聞いてしまったが、「ちがぇよ。親友だ、馬鹿」と笑いながら言われてしまった。なんか恥ずかしい。
話を戻すが、ともかく魔王は、自分の息子の真名を知っていたことに驚いたらしい。
「ということは我が妹のことも………」
「あぁ、直接グランに聞いたよ。うちら人間が全面的に悪い。本当に済まない」
「貴様に謝られても意味がないんだがな」
「それもそうか」
俺は、ペルセウスの話を思い出していた。
次は過去編です。物語自体はあまり進みません。