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色を司りし者  作者: 彩 豊
第1色 赤の国 第一章 暗黒色を纏いし者
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1-1-12(第16話) 魔王

「すぅー。ぴぃー」


 ここにも寝ている者がいた。その者は、王族と一緒に馬車に乗っているにもかかわらず、のんきに寝ているのである。


「何故この状況で寝ていられるのでしょうか、アヤト様は」


何を隠そう、彩人である。どこか似ている二人である。


あれ?俺は確か馬車に乗って………、どうしたんだっけ?


「アヤト様、やっと起きたのですね」


うわ!?寝起きに顔を近づけるなよ。ビックリするじゃないか。って俺は寝ていたのか。


「まったくアヤト様は。もし寝ている最中に盗賊でも襲ってきたらどうするんですか?」

「それは周りにいる騎士さんがなんとかするでしょ」

「それだけじゃありません!馬車の中でお話したいことがあったのに………」

「え?なんかすみません」

「いいんですよ。もうすぐ着きますから」

「え?」


そう言うないなや、馬車は止まった。周りを見てみると、とても大きな建物が目の前にそびえ建っていた。


「それではこれから、我が国の王に謁見しましょうか?」

「はぁ…」


俺は玉座の間で少し待っていると、三十歳代の男が入ってきた。一体何者なんだろうか?


「よくぞ参られたアヤト!これより我、スレッド=ヴァーミリオンとの対談を許可する。」

「え?もしかしてあなたがこの国の………」

「うむ。王である。というか知らなかったのか。どういうことだ、クリム?」

「はっ。申し訳ありません国王様。まさかそこまで無知な者がいるとは存じませんでした」


え!?あの人国王なの?めっちゃイケメンじゃん!皇太子かと思ったよ。それとクリム?様、なにげに俺のことを馬鹿にしていませんか?


「えと………、なにか御用があるのですか?」

「うむ。お主が追い払ったペルセウスという殺し屋の情報が欲しくてな。ついつい呼んでしまった」


 え?そんなことで俺を呼んだの?この国の王族って結構適当だな。それともそのペルセウスがそこまで強かったのか。わからん。


「それで話してくれんか?ペルセウスが何を言っていたのかを」

「あぁ、いいですよ。それは」

「あ、あー。ただいまマイクのテスト中。よし。きけぇい人間ども!」

「「「!!!???」」」


な、なんだ!?俺はあわてて窓の外を見る。


「我は魔王である!我が息子を殺したのは誰だ!!?今すぐ出てこい!でなければ、この国を消滅させるぞ!!」

「「「な、なんだって!!!???」」」


国中がざわめく。なるほど。神が言っていた世界の危機はこのことかもしれない。だが、


「あの、すみません国王様。たぶん俺のことを呼んでいるんだと思うんで、ちょっと行ってきますね」

「待て!それは一体」


 はいはい。そんな話はつきあってられないのだ。国王と王女は俺を必死に引き留めようとしているが、そんなことは関係ない。俺は急いで魔王のところへ向かいながら、ペルセウスの話していた内容を思い出していた。


「おい魔王!お前の息子を殺したのは俺だ!だから俺をお前の根城に連れてけ」

「お前が我が息子を…。よかろう。その話、受けてやる!覚悟しろ!!」


 そうして俺は光にのまれた。光にのまれたかと思ったらすぐにはれたが、魔族であろう背中に翼を携え、武器を構えるものが大量にいた。

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