1-1-11(第15話) ペルセウスとの戦闘後
俺がペルセウスの死体をアイテムボックスに入れた後、すぐにリーフさんは駆け付けた。
「ど、どうでしたアヤトさん!?ペルセウスは!?」
「はい。無事に追い払えました」
「え?でも」
「追い払いました」
「でも今」
「追い払いました。これ以上のことは聞かないでほしいですね」
「はぁ。わかりました。では、この街の脅威は去った、ということですね?」
「はい。そのことを街の人に伝えてください」
その後、街の人達は宴会を始めた。多くの人達は、俺がペルセウスを追い払ったと勘違いしているが、まぁいいだろう。とにかく楽しかった。料理は不味かったが。
翌日、俺はこの街を旅立つことを伝えると、
「そ、そんな!?行かないでください!」
「そうです英雄様!是非ともこの街で過ごしてくださいよ」
「なんならうちの娘を嫁にあげますから」
「あ、ずるい!うちの娘もいりませんか?」
「さすがに商品を買う感覚で結婚はしませんよ」
一日しか観光できなかったが、いい街だというのはわかった。冒険者がヘタレなところと料理が不味いところを直せば、この街はますます発展するだろう。
「あ、そうだ。よかったらこれを食べてください」
「なんだいこれは?」
「俺の新作料理です」
実はあの後、報酬として、キッチン道具一式と大量の食材をもらい、宴会の途中から、俺の腕にある検索機能を使い、料理をしていたのだ。
「やっぱ、クッ〇パッドは便利だな♪」
ちなみに作った料理はホットケーキで、はちみつも用意済みである。さらに言えば、作った量の約三分の一が俺の胃の中へ強制的に消えた。
え?なんで消えたかって?別に料理に失敗して俺が食うはめになったわけではない。これは毒味だ。決して俺は食いしん坊ではない。
そして、ギルドの受付嬢に渡すところに至る。
「ありがとね、アヤトクン♪」
「あ。俺が行った後で食べてください。それじゃ俺は行きますので。」
「もぐもぐ。あ、いってらっしゃいませアヤトさんもぐもぐ。ちょっとこれ美味くないですか!?あぁ!?それは私の分ですよ!勝手に食べないでください!!」
もう食っちゃっているし。まぁ別にいいけど。さぁ、旅を始めようか!
こうして彩人は、旅を始めようとしていた。
だが、街の出入り口に、
「待っていましたアヤト様。あなたにはこれから王宮に来てもらいます」
「………ちなみに拒否権は?」
「拒否してもいいですけど、その時は私の騎士たちが血眼になってあなた様を見つけ、強制的に連行します」
そういった後、後ろから十人以上の騎士がズラッと並んだ。しかも全員右手を剣の鞘につけていた。なんで全員血の気が多いの?
どうやら俺について行くという選択しか残されていないようだ。
こうして彩人の旅は、王族と何十名の騎士と一緒に始まった。
その頃、
「すぅー。は!!??そういやアヤトとあの殺人鬼の戦いはどうなったのじゃ?あれ?アヤトはどこじゃ?」
彩斗が殺人鬼ことペルセウスと戦っている中、神は寝ていたらしい。なんとものんきな神様である。




