2-3-16(第141話) 依頼当日 ~4人と冒険者達~
「リーフさん?今日から俺のパーティーで一緒に冒険しない?」
「イブちゃん?今日から私達、『青緑の乙女』に加わらない?楽しいわよー?」
「クリムさん!うちの『ムキムキ筋肉マンズ』に加入してくれ!君のその筋肉は、必ずみんなの希望になれる!」
「ラピスさんって、こんなにも可愛いのですね。どこから来たのですか?」
「…」
あれからというもの、四人は自己紹介したのだが、それはもう目にみはるもので、瞬く間に冒険者達を虜にさせてしまい、今現在、至る所から勧誘を受けている。
俺のところには誰も来ていないが。
「お兄ちゃんって、人気ないねー」
「ご主人様。それでも私は一生、ご主人様に仕えます」
いいんだ。
俺にはルリとクロミルがいるから。
うん。
泣いてなんかいないんだからね!
いないんだからね!!
それにしても、これで俺達も心置きなくこの場を任せられるってものか。
「…カイーガ。後は任せてもいいか?」
「はい。後はこの俺に任せてください!」
と、カイーガは胸を張る。
よし。
「リーフ、イブ、クリム、ラピス!」
「「「「はい?」」」」
俺の呼びかけに応じ、俺の近くまで来てくれた四人。
ま、冒険者達から嫉妬の眼差しで睨まれたが。
「俺達はこれから牛人のカラー種のところに行ってくる」
その言葉の意味を理解したのか、空気が重くなる。
この空気、あまり好きじゃないんだけどなぁ…。
「それでだ。もし何かあった時、責任はカイーガとラピスが背負うからさ」
「「「はい!!!」」」
「「え??」」
え?じゃないでしょ。
何かあったら、公爵と王女の特権をフル活用して守ってくれよ。
それくらいしてくれても、罰は当たらないと思うけど。
「それじゃ、俺達は行ってくるから」
「え?あの、さっきのことはどういう…?」
「そうです!いくらなんでも横暴です!」
二人は憤慨していた。
だが、
「お姉ちゃん達!絶対!絶対無事でいてねー!」
「それではみな様方、行ってまいります」
俺達はみんなに背を向けて、その場を後にした。
今週の投稿はこれで終了したいと思います。
次回予告として、次は4人、イブ、クリム、リーフ、ラピスが主な視点で、魔獣達と奮闘します。
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