2-3-10(第135話) 依頼1日前 ~朝の部~
最近、やるべきことが多くて困っています。
執筆活動だけに専念したいこのごろ、です。
約束の日まで後一日。
本当なら埋め合わせ五日目だったが、今日も一日訓練である。
ま、俺はというと、
「…ま、こんなもの、かな…」
朝からへたっていた。
あの夜食のおかげで頑張ることができ、あの沼出現ボタンを十個作成出来た。
出来たのはいいが、もう疲れた。
「ご主人様、おはようございま…」
クロミルは俺の顔を見るなり、とても驚いていた。
「ご主人様、大丈夫ですか?お顔の色がゾンビ色ですが…?」
おいおい。
顔がゾンビ色って。
たかが一徹したくらいでそんなわけないじゃないか。
「俺は大丈夫だ。ところでクロミルは何故こんな朝早くに?」
確かに夜は明けているが、完全に明け切っているわけではない。
感覚的に言えば、午前5時、ぐらいだろか。
「私は皆さまの朝食の用意がございますので」
…偉いな。
本来なら、あの今も眠っているであろうラピスの仕事じゃないのか?
いや、いつまでもあいつに頼っては駄目か。
確かに今は報酬という名目でこの別荘にいるわけだが、いつまでもいるわけじゃない。
そろそろ早起きする癖でもつけようかな。
「そうか。それなら俺も手伝うよ」
毎朝やってもらっていたと思うと、クロミルに申し訳ないし。
「い、いえ!そんな顔色のご主人様に手伝ってもらうわけには…!」
…俺の顔色ってそこまでひどいのか?
確かに、今日は自分の顔を直接見ていないから、どんな顔なのか分からないけどさ。
「大丈夫だから。一緒にやろう、な?」
「…かしこまりました」
渋々承諾してくれたらしく、俺とクロミルは一緒に朝食を作り、みんなを迎える準備を始めた。
「「「「「「「ご馳走様でした」」」」」」」
朝食を食べ終え、食器を洗い、今日も出かける用意をする。
出かけるといっても、近場の高原?荒野?に行き、戦闘訓練をするわけなのだが。
「今日はアヤトも訓練ですか?」
「ああ。そのつもりだ」
俺は予め作っておいた魔銀製の剣の手入れをしながら答える。
「…具体的には何するの?」
「具体的に?」
そういえば、まったく考えていなかった。
どうしよう?
「それなら私達と模擬戦しませんか?」
「摸擬戦?」
摸擬戦、か。
「誰と誰が?」
「アヤトと私達三人で♪」
「え?」
と、リーフの後ろから、イブとクリムがひょっこり顔を見せる。
「たまにはいいですよね?」
「…こういうのも悪くない」
と、二人は乗り気。
待て待て待て。
「これ、確実に俺、負けないか?」
前、魔法無しの特訓とはいえ、リーフと一対一で惨敗したんだぞ?
それを今回は一対三。
しかも徹夜明けのボロボロの体でどうやったら勝てるというのか。
…待てよ?
もしかしたら、魔法は使用してもいいのではないのだろうか?
俺からしてみれば不利なのは明らかだし、それぐらいはいいだろう。
なら、最初にどんな魔法を使うかな…。
「あ。もちろん、魔法は無し、ですからね?」
「え?」
嘘だろ!?
ただでさえ不利だというのに、魔法も使用禁止じゃ、どうやって戦えばいいんだ!?
「もちろん、私達も使いませんよ?」
「…ん。久々の杖、腕が鳴る♪」
「・・・」
まさか、本当にやるというのか?
この負け戦を?
「あ。もちろん、アヤトはこれを使ってください。私達もこれを使いますので♪」
と、木刀を渡される。
リーフ達も木製の剣や杖を持っていた。
俺は、
(これはもう、覚悟を決めるか…)
沈み切った気持ちを起こし、
「それじゃあ、いくぞ!」
「「「はい!!!」」」
こうして、俺とリーフ・クリム・イブによる摸擬戦が始まる。
今週の投稿はこれで終了します。
来週の予告として、
『依頼1日前 ~午前の部~』
『依頼1日前 ~午後の部~』
『依頼1日前 ~夜の部~』
と、連載していきたいと考えています。
私の作品を読んでくれる人が増えていると、ついつい、
”よし!”
と、言ってしまいそうです。
半年以上続けてきてよかったと思っています。
…ちなみに、今のところ執筆活動を辞める予定はありません。
フラグじゃないです。
感想、ブックマーク等、よろしくお願いします。




