2-2-31(第124話) 異常な謁見
今週も投稿しようと思います。
え?
何これ?
どういうこと?
俺の頭に大量の?が飛び交う。
そしてみんなは、
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
絶句だった。
数秒経過し、俺は、
「とりあえず、踏んでおこう」
ルリも、
「これって、頭踏んでくださいってことだよね?」
だったので、
「ああ、そうだぞ。だから一緒に踏もう」
「うん!」
俺とルリは土下座しているやつらを踏もうとするが、
「「「「「まてまてまてまてまて!!!!!」」」」」
「「え??」」
何故止めようとする?
止めようとする理由が分からん。
「…お兄ちゃん。クロミルお姉ちゃん達がおかしいよ?」
「そうだな。でも俺達は気にせずに、な?」
「うん!」
まったく、周りがうるさいな。
俺は気にせず土下座王族の頭を踏もうとする。
「…おいリーフ。手を放してくれないか?こいつら、踏めないじゃないか?」
「踏んじゃダメです!何しようとしているのですか!」
「だって、そこに頭があったらまず踏むだろ?」
「本当に何を言っているのですか!??」
なん、だと!??
「なんでそんなにガッカリしているのです?」
「だって…」
普通じゃないのか?
いや、
「もしかしてリーフも洗脳されたんじゃ…?」
「…とにかく落ち着いて下さい」
「…ちょっと待っていて。今、お父様と話をしてくるから」
と、ラピスは土下座王族と話を始める。
「…ちょっといい加減、手を放してくれません?」
「お願い?」
「「「「「駄目です!!!!!」」」」」
「「ちぇー」」
こうして俺達は、土下座王族から、冷静に話を聞くことにした。
だいぶ落ち着いてきたので、話を、ラピス経由で聞くことにした。
確かに俺は冷静じゃなかったな。
…今思うと、頭があったら踏むってなんだ?
踏み絵か何かか?
まぁいい。
今はラピスから話を聞こう。
聞いた結果、要約するとこんな感じである。
・洗脳時の記憶がある程度残っていて、私達王族が三人(俺、クロミル、ラピス)に負けた→私達では到底叶わない
・黒い悪魔現象による都市の崩壊をあなた方七人でくいとめた→あなた方が本気を出せば、この都市は崩壊する
・あなた方の大半は、あの赤の国と青の国との戦争の被害者→この国にかなりの恨みを持っている
・全て我が娘、ラピスが物的証拠を見せながら懇切丁寧に話した→嘘である可能性が限りなく低い
とのことだった。
なので、まずは誠意ある謝罪をし、それから最大級のおもてなしをしよう、という案になったとのこと。
それでまず、誠意ある謝罪をどうしようかと話し合っていた結果、
「土下座になったと…」
「そういうこと、みたいですね…」
言いたいことがあり過ぎて、逆に何も言えないのだが?
その…黒い悪魔現象?ってなんだ?
都市を崩壊させるとか言っていたが、何のことだ?
…一つ、思い当たる節があったな。
「…もしかして、あのカオーガってやつが急変したのって…」
「はい。その黒い悪魔現象によるものです」
「そうか…」
あいつ、都市を崩壊させるほどの力とか持っていたのか。
無知って怖いな。
「私も踏んづけていいかしら?」
「…少し落ち着く。落ち着かないと、さっきのアヤトみたいになる」
「…それはいやですね」
…おい二人とも。
なんだ、俺みたいになるって。
俺は駄目人間の典型的な例か。
…声に出して言いたいが、前科がある分、言い出せない。
悔しい。
「…とりあえず、謝罪は受け取る。だから報酬払って」
「「「「「はい!かしこまりました!!!!!」」」」」
と、イブの一言で急に立ち上がり、敬礼をしながら返事を返す。
君達、軍人か何かですか。
「…なんか、ごめんなさい…」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
一人の少女に命令されて敬礼する王族。
なんか、みじめだなぁ。
ま、命令したイブも王女なんですけど。
そして、国王、ダイモスが懐からあるものを取り出す。
…なんか、鍵っぽいな。
「これは、別荘の鍵です。皆さまでお使いください」
と、まるで俺が王様であるかのような扱い。
ダイモス達一家も膝をつき、来賓である俺達が偉く上に扱われている。
確かに、俺達は来賓だし、同等、までいかなくとも、少し丁寧な扱いを受けるとは思ったけど、ここまで敬われると、いたたまれない。
「…ん。確かに使わせてもらう。後、」
「はい!朝昼夜のご飯、それにおやつも完備させてもらいます」
「「「「させてもらいます!!!!」」」」
「…ならいい」
…ほんとに何これ?
確か、王族との謁見、だよな?
俺達が謁見しているのではなく、謁見されている感じだ。
…俺達って、そこまで高身分なのか?
地球ではボッチという最底辺の身分だったのに。
いや、恐れられている、のか。
…こういう扱いって初めてだから、どう対応すればいいのか分からないな。
いっそゲームの悪役みたいな態度でもとればいいのか?
…いや、やめておこう。
「それでは誠に、誠にご容赦を!」
「「「「ご容赦を!!!!」」」」
今度はものすごい勢いで頭を下げてくるダイモス達五人。
…あれ?
王族って、こんなに頭下げてくる人のことを言うのか?
権利を乱用しまくる馬鹿どもよりましだけど、いいのか?
…とりあえず。
「…最後に一ついいか?」
「「「「「は、はい!!!!!何でしょう!!???」」」」」
「…次はないぞ」
脅しておこう。
もちろん、今回のことはこれで完璧に許すわけではないが、これぐらいでかんべんしてやろう。
俺もルリも頭にきていたからね。
「「「「「か、かしこまりましたぁ!!!!!」」」」」
…おい。
全員で敬礼するのはやめなさい。
なんか、俺が将軍で、みんなに命令しているみたいじゃないか。
「…とりあえず、これで謁見はお終いか?」
謁見らしい態度はとってないし、言葉遣いもかなり悪かった気がする。
ほんとにこれは謁見か?
「はい!長い間、お疲れさまでした!是非とも、別荘で優雅な日々をお楽しみください!」
「「「「お楽しみください!!!!」」」」
…もうこの状況のことは考えないようにしよう。
うん、それがいいな。
「それじゃ、またな」
「あ!僕が案内するよ!」
「分かった。任せるよ」
俺達はこれで王族との謁見を終え、帰路につく。
さ、別荘が楽しみだ!!




