1-1-7(第11話) リーフ=パール
「さて、話を聞こうじゃないか?」
「そうですね。アヤトさん、話してくれますよね?」
「ひい!?」
こ、こわ!そんな顔で笑っても、恐怖しかないんですけど!
この後、俺は森で起きたことを正直に話した。倒し方は秘密ってことを貫いた。
「緋色の森にゴブリンの巣ができていたなんて」
「あぁ。それをなんなく全滅させたこいつも相当だな」
「ゴブリンの巣?」
え?あれ、巣だったの!?なんかゴブリン多いなと思ったけど、皆これくらい倒しているよな。
「他の冒険者もこれくらい倒していますよね?」
「他にこれほどの量のゴブリンを狩れる人なんていませんよ」
「そうだな。こんな多くのゴブリンを狩れる奴などそうそういないだろう」
「それにゴブリンキングまで含めるとなると」
「軍隊が動くレベルじゃないか?」
ぐ、軍隊!?そりゃ、ちょっと強いと思ったけど、そんなレベルだったの?
「え、えっと、冗談ですよね?」
「冗談ならどれほどよかったことか・・・はぁ」
「ですね。これでまた今後の方針が決まりましたね、ギルドマスター」
「うむ」
「えっと、今後の方針とは?」
「「あなたのランクについてだ(です)!!」」
「ランクなんか別にどうでもってひぃ!?」
怖い怖い怖い!!!そんな顔で見ないで!トラウマ、トラウマが出来ちゃうよ!
「はぁ。いいですかアヤトさん。ゴブリンキング倒せるような人が最弱ランクの緑にいると知られたら、皆どういう反応すると思いますか?」
「え?そりゃ、期待のルーキーだって言われるくらいじゃないですか?」
「違うな。ありとあらゆる手でお前を殺すか、仲間に引きずり込もうとするぞ」
こわ!この世界こわ!!
「なので、今後どうするか会議できちんと決めないといけないのです」
「あ。なら、もう少し経ったらこの町出ていくので、その会議しなくていいですよ」
「「この町を出ていく!!??」」
「はい」
え?なにこの空気。なんかまずったこと言ったかな?
「それはいつだ!?答えろ。答えろーー!」
「そんな叫ばんでもいいじゃないですか。あと数日ってとこですかね」
お金も入るし、この町のグルメ、是非とも堪能させていただきます。
「こいつ、なんかやりそうな気がするんだが」
「奇遇ですね。私もです。ところで私に提案があるのですが」
「提案とは?」
「アヤトさんがこの町にいる間、私がアヤトさんを監視するのです。そうすれば、何かと安心かと」
「おぉ!それは名案だな。」
なんか俺がこの世界の食べ物について考えていたら、いつのまにか話が進んでいるんですけど。えと、どういうこと?
「貴様が町にいる間、こいつがお前をかんs、一緒についていくことになった」
「改めて自己紹介します。エルフのリーフ=パールです。リーフとお呼びください」
「わかりました。パールさん」
「リーフとお呼びください」
「えと、パールさ」
「リーフです」
「ぱ」
「リ・―・フ」
「………はい。リーフさん」
「お願いします」
し、仕方ないじゃん!だってぱ、リーフさん、パールさんって呼ぼうとしたら、無言で威圧してくるんだぜ!ゴブリンキング以上の迫力だったよ。ちびらなくてよかった。
「では、残りの方々でゴブリンの査定諸々お願いしますね。これからアヤトさんと今後の相談をしますので。では今日はこの辺で失礼しますね」
「あ!まだはn」
そう言ったリーフさんと一緒にギルド長室をでた。リーフさん、たくましいな。俺はギルド長を少し哀れに思いながら、ギルドを出た。




