2-2-10(第103話) 町の中の異常
今週も投稿していきたいと思います。
町に入ってみると、活気がすごい。
時間的にはおやつ時だと俺の腹時計は言っているのだが、人の出入りが多い。
依頼から帰ってくる人が多いのだろうか。
それにしてはあのスカーレットの町より女性が多いような…?
そして何より、
「なぁ、何か全体的に、肌の露出が多くないか?」
「…確かに」
「動くのにはいいですけど…」
「全員が全員、そんな服を着ているとは…」
「はい。私的にはご主人様があんな服を着ろと仰るのであればすぐに」
「俺はそんなことは言わないからな!?」
「「「「…………」」」」
「い、言いませんよ?」
いつもの三人はともかく、なんでラピスにまで睨まれなくてはいけないんだ?
そんな理不尽が襲い掛かってきた中、改めて町を見渡してみる。
…やっぱり、服の露出が多いな。
女性は、地球の水着って程ではないが、水着にパーカーを一枚羽織った程度の服しか着ていない。みんな胸元を強調するような服なのだ。
凝視できない俺の性分が妬ましい。
男性は、上半身裸が多いったら多い。
ここは海水浴場ってか?
だが、下はきちんと穿いているのがこれまた不気味だ。
今町に入ったばかりだが、今すぐにでもこの町を出たい。
…いや、まてよ?
俺はあくまで地球での生活を基準にして考えた訳だからな。
もしかしたら、この世界ではあの服装が普通なのかもしれない。
これは他の人に意見を聞かなくては!
そう考え、俺は六人に目を向ける。
ルリとクロミルは首をかしげた。
…うん。クロミルは牛人だものね。俺達みたいな生活をしていなかったものだから、戸惑っているのかな。
ルリは俺と出会うまでずっと寝ていたものだから、分からなくてもしょうがないか。
では、他の四人はどうだ!
俺はまた期待の眼差しを四人に向ける。
そして、
「「「「これはひどい」」」」
とのことだった。
よかった。もしこれが正常だったらどうしようかと思ったが、俺の地球で培ってきた常識で大丈夫だったんだな。
でもこれからどうしよう?
………四人に聞くか。
「あのさ、これからどうすればいいと思う?」
「私はアヤトに任せます」
「…この町にある魚が見たい」
「私はギルドに行きたいです。ギルドの様子で大体分かればいいのですが…」
「…僕はどうしたらいい?」
クリム、イブ、リーフ、ラピスの順で答えてくれた。
イブさんや。お主はほんとにあの魔王夫妻(食いしん坊)の血を受け継いだ娘だよ。
そしてラピス。それは俺が聞きたいのだが?
ともあれ、2つの案が出たな。
魚があるであろう市場に行くか、ギルドに行くか。
う~む、どうしよう?
「お兄ちゃん、これからどうするの?」
「・・・、そうだ、二手に分かれよう」
「「「「「「二手??????」」」」」」
「そ」
そうだ、簡単なことだ。
どっちか選ばなくてはならないのなら、二つとも選べばいい。
俺はいつでもそう考えてきた。
まぁそう考えると、多少変更しなくてはいけなくなるのだが、許容範囲だろう。
「そうだな~。俺、リーフ、こいつの三人でギルド、残りの四人が市場に向かうってことでどうだろうか?」
「「「「「賛成!!!!!」」」」」
「ちょお!?だから僕はこいつじゃなくてらぴs…」
「反対意見もないみたいだし、終わったらギルド前に集合ってことでいいか?」
「「「「「賛成!!!!!」」」」」
「僕を無視しないで!?」
とりあえずこんなものか。
向こうの四人はもう何買うか話し合っているみたいだし。
良かった、仲良さそうで。
あ、王女二人が頬を引っ張りあっているよ。
クロミルが頑張っているけど、ルリはケラケラ笑っているだけか…。
…ま、あの四人なら出来るだろ。
お金ならいくらか持っているだろうし、あれを渡してあるから、荷物持ちには困らないだろう。
さて、
「俺達も行くか」
「「はい!!」」
こうして俺、リーフ、ラピスの三人でギルドに向かう。




