覚悟を決める聖人。
俺は奴を倒すスキルを持っている。
身捧げの儀式、これな完全に殺せるだが同時に俺が死ぬ。俺は顔を青くして震える珀理さんを見て俺は覚悟を決める。この子だけでも救ってみせる。
「珀理さん、聞いてほしいんだ。俺なら奴を殺せる。」
「方法ですか。」
俺は静かに頷くと、話を続ける。
俺が引きつけるから君は走って転移門まで走るんだ。ダンジョンの外で待っててくれ。俺もあとから行くから。俺は創造スキルで彼女と同じくハンドガンを作り、四属性を混ぜたマガジンを作り装填した。
「じゃあ行くよ。」
俺は奴の首を1発で4本を消し飛ばすと俺は右の壁の隅に移動するとヒュドラを引き寄せた。珀理さんは左側の壁に最大限寄りながら転移門に向かった。あと少しで転移門につくのみ届けた俺は身捧げの儀式を発動した。
「破滅の封を解き、我が存在を代償に姿を表せ。破滅ノ剣」
俺の目の前に鎖に封印されている真っ黒な剣が現れた。俺は迷わず使うと声が聞こえる。
「我、我が望むは汝の左目、捧げれば力をやろう。」
「やるよ。」
「承認した。」
すると左目が消失した。俺の頬を血が伝っていくのが分かる。俺は剣を掴むと鎖を断ち切り剣を横に振るとすべての首が切り落とされた。けど瞬時に回復して切っても切ってもキリがない。
「右目を差し出せ。真の力を解放させてやる。」
「なら条件がある。奴を殺した瞬間に無くなるようにして欲しい。戦えないからな」
「承認する。」
俺は剣を両手で掴むと魔力を流し込みながら力を解放する。
「エルファーナ、真名解放。」
すると風の精霊と真っ黒な精霊が4人現れた見せないはずの俺の目の前に現れ、俺を見ると微笑んで消えると同時に破滅ノ剣に風が纏い、そう上に黒い風が纏った。
「はァァァァ」
俺はヒュドラの胴体を切り裂き、核を破壊すると倒れた。それを確認すると目の前が真っ暗になり俺はその場に倒れた。
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私は、ダンジョンの外に転送されると或遡さんを待っているが一向に現れない。
「どうたんだろ、必ず倒せるからって言ったのに」
それから体感で1時間たっただろうか。また召喚門が光って出てくると見覚えのある人が或遡さんを抱き抱えてこちらに寄ってきた。
「珀理ちゃん、大丈夫?」
「御坂さんこそ、なんでというか或遡さんどうしたんですか?何でぐったりしてるんですか。」
「私がついた頃にはヒュドラの死骸と黒い剣を掴んで倒れている或遡がいたのよ。体に異常はなかったんだけど両目が無くて私はヒュドラの目を移植して来たのよ。」
或遡さんの目を見ると真っ赤な目に変わっていた起きたら覚悟してもらおう決める私だった。
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俺は目が無いはずなのに天井が見える。俺は体を起こすと自分の部屋だと気づいた。服はスボンは無事だが上の燕尾服はボロボロでもう着れない。制服を見つけて上を着ると外へ出た。いつもならメイドさんが1人くらいは通るはずなのに全く通っていない。ポケットに入っているステータスプレートを取り出すと液晶が割れていた。
「変えてもらおう。」
俺は食堂へ向かった。クラスメイトの1人や2人いると思ったのだがやっぱりいなかった。最後は王の間、俺はドアを開けると中には如月を含めたクラスメイトと王様、エイラ様そして御坂さんと珀理さんの姿があった。俺の姿を見ると珀理さんは走ってきて俺に抱きついた。
「良かった、目を覚ましたんですね。ずっと目を覚まさなくて心配したんですからそれに良くも騙しましたね。倒したら必ず行くって言ってたのにあんな目にあって、これからはどんな事が会っても離れませんから覚悟してください。」
「分かった。できるだけしない様にするよ。」
「それじゃあ、意味がないじゃないですか。」
怒っている珀理さんを皆がら笑っていると
「或遡、良かった。生きてて本当に良かったよ。」
如月は俺の所へ走ってくると抱きついた。ステータス差で全然痛くないけど男同士で抱きつくのはちょっと嫌だ。
「分かったから離れてくれ。俺はそういう趣味はない。」
「いやいや、お前はオレの物なんだから」
真面目な顔で話す如月に俺はゾッとした。俺は離れて顔を見ると一瞬、目の色が青色に変化した。
「お前、今目の色が」
「そんな訳ないだろ。目の色が変わってるのはお前じゃないか。」
そう言ってまた近寄ってこようとすると如月と俺の間に華蓮が転移してきた。
「私が確かめて上げますよ。看破」
真っ白な光が如月を包むと頭に角の生えた如月が立っていた。
「バレちゃったか、おまえだけには話すつもりだったんだけどな。」
そう言って頭をかいている如月、
「お前、本物の如月なんだよな?」
「当たり前だろ。」
俺はなんだが懐かしい気がする。前に見たある様なそんな感じがする。
「俺が鳳神如月になる前、俺はお前と夫婦だった先代女魔王だ。」
「俺とお前が?」
「そうだ、前世のお前は勇者として俺の城に来た。最初はすぐに戦ったけどお前は騙された事に気づいて俺と戦う事を辞めて一緒に戦ったんだよ。その先は恥ずかしいから言えないけど色々あって結婚したんだよ。子供も出来て幸せだった。」
話が凄すぎて整理がつかない。俺が勇者で如月が魔王?、それに二人の間に子供?、訳分からん。
「子供?、それは娘?息子?」
「娘だよ。それが今の魔王だよ。」
俺は黙り込んでしまった。
「最初は分からなかったけど、自分に似た魔力を感知して調べて見たらという訳。まぁ、娘の方も親の顔は覚えてないと思うから心配ないと思うけど。」
「で、どうするの?、俺ら敵じゃん。」
「俺達が殺された原因が邪神だからね。奴を殺せば解決すると思うよ。その為にもダンジョンを制覇して力を付けないと勝てないと思うよ。自分は今、魔王と勇者の力を持ってるからいいけど或遡、聖人って言っても自爆とかじゃ話にならないけど。」
「じゃあ、入っただけでも呪われるダンジョンとかある?」
「あるよ、今まで制覇されてない。呪神のダンジョン、入るだけで死ぬ可能性があるけど、送る?」
「頼む。」
俺の足元に魔法陣が展開されると目の前が真っ白になった。光が収まると目の前には廃れた神殿のようなダンジョンがあり大量ではないが毒霧が出ている。俺には浄化があるから関係ないけど、俺は中へと足を踏み入れた。