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いつかは君を  作者: 雪田流魔
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第一話~見つけた!~

人と人がわかり合うこと、それはとても大切で、残酷で、とてもむずかしい。


それでもみんな言葉から、表情から、空気感から、相手の気持ちを拾おうとしている。


時にはそれが傲慢さを呼び、こいつはこういうやつだって決めつけて、見下して、傷つける。


それは寂しくて、苦しくて、しんどいことだけど、その先にある何かを求めずにはいられない。


俺達はみんな知っている。

その先にある気持ちがとっても優しくて温かいことを。


だから怖くても頑張って、傷つけあって、楽しい世界を求め続ける。


誰かと誰かの間、目には見えない空間に。


だからそれは、誰が悪いわけじゃない。


誰かが傷ついたり、死んでしまったりしても、それは何か強い気持ちを求めた結果で、傷つけたりしたとしても決して“悪”なんかではない。


“悪”では無いその感情は、たくさんの悲劇を生みながら、多くの人を惹きつける。


そんな気持ちをもう一度求めたくて、でもどうしたら良いかわからなくて


 そんな事をぼんやりと考えていたわけだ。


 部屋でぼーっとしながらさ。


 そんな休日も悪くはないと思ってね。


 たまには時間の無駄遣いも贅沢でいいんじゃないかってさ。


 時間の有効性とか、義務感とか全部ほっぽりだして見る景色はどれほど素晴らしいだろうってさ、思ったんだけど……


 いつもの部屋にいつもの天井だ。せっかくならばこの優雅な時間を使って外の景色でも見たほうが安らぐんじゃないのか?


 そう思った俺は服を着替え、スマートフォンから引っ張ったイヤホンを耳に突っ込み外へ出た。散歩に音楽はつきものだ。


 

 選曲は一昔前のフォークソング。熟年カップルがつきあい始めの初々しさを無くしながらも、未来を想い、それと一緒に忘れてしまいそうな思い出も抱きしめるような様を描いている。『恋愛』というものは科学的に解明しようとすれば、それは性欲であったり、脳の誤作動であったりと、切なくなるような仕組みが提唱されているが、好きになったあの子に明日も笑っていて欲しい、だとか、同じものを同じ時間に見てみたい、といった気持ちはどう説明するのだろう。これが単に『脳の誤作動』から生まれたものならば、脳にはずっと誤作動していてもらいたいものだ。

 

 残念ながら現状全く誤作動していない俺の脳は、風邪にそよぐ街路樹による視覚と、肌の感触によって寒さに意識を向けられている。これが脳の正常な状態なんて、正常ってほんとなんだろう?正常の方が辛いのだろうか?早くぶっこわれないかな俺の脳みそ。


 外に出たはいいけど何をしようか。好きな音楽を聞きながら街を歩いているだけで家で天井を見ているよりは楽しいが今日はせっかくの日曜日、何か目が覚めるような楽しいことはないだろうか。

 

 思わずガラスを割って中身を盗みたくなるような宝石店の前に差し掛かると、裏路地の方から微かに男女の声が聞こえてきた。

 こんなドブみたいな匂いのする場所で恋が生まれているのだろうか。

目の覚めるような楽しいことを探していた俺は、思わず路地の方に入っていった。普段は人見知りで他人に話しかけられると内容にかかわらず「ど、どうも」と答えてしまう俺だが、このとき俺は頭がどうにかしていたのだろうか。脳の誤作動…もしかして恋?


 路地に入って数歩進むと、男女が何をしているのかハッキリと見えてきた。やや長髪の男が、ニヤついたような、怒っているような顔で、小柄だけれど少し気の強そうな女を壁に押し付けていた。

その女は肩にちょうどかかるくらいの栗色の髪で、一部分だけ三つ編みにしていて、彼女の意志の強そうであり、照れると可愛らしくなりそうな瞳とよくマッチしている。服装はダウンジャケットに細身のデニムパンツというラフなものだが、茶色のムートンブーツが女性らしい柔らかい印象を作っていた。また、ダウンジャケットとデニムパンツという厚着からの上でも女性らしい身体のラインが➗➗➗俺女見すぎだろ…しかたないよね。脳が誤作動してるよね。


 俺に気づいた男が「誰だお前!?」とこちらを威嚇してきた。その整った少し中性的な顔立ちと目つきの鋭さも相まって一見迫力があるように見えるが、少し腰が引けた気持ちがその瞳からにじみ出ている。人見知りの俺にはわかるのさ、同族の持つ弱点というやつが。しかしこいつ女にモテそうな顔しててちょっと腹立つな。


「何してんの?エッチ?大通りまで声聞こえてたよ」


 向こうも人見知りだとわかれば俺がビビることはない。人見知りは人見知ってなさそうな態度を取る人間に弱い。ビビる。これで多分相手は『え、あ、いや、そのー、えーと、なかなかさせてくれなくて…どうすればさせてくれるんだろう?マジ凹むよ…』みたいな弱気な態度を取るはずだ。

 

 しかし、俺の予想とは裏腹に、男はポケットから何かを抜き出して「お前誰に口聞いてんだよ」と低い声で言った。それはまあいいのだが、そのポケットから抜き出した何かはキラキラと銀色に眩しく光っており、先も鋭い。うん、要するにナイフだね。

 どうしよう、人見知りを暴力でカバーするタイプかよ、ていうか裏路地で女押し付けてる時点でヤバイやつだって気づけよ俺、しかたないよね脳の誤作…それどころじゃない。どうしよう?


 喋ることもままならないくらいに緊張してきたが、ここで対応を誤れば刺されるかもしれない。基本的に平和的に、したたかに暮らす俺はナイフで刺されたことはないが、刃物が身体に突き刺さるなんてあってはならないことだ。死ぬかもしれない。

 

何が最善だろうか?土下座か?いや、土下座のポーズでは相手がもし許してくれなかった場合逃げ遅れる。全力ダッシュで逃げるか?いや、相手の方が足が速くて後ろから刺されたら最悪だ。考えるんだ。もっといい策を…!


「い、いやー、なんでもないんだったらいいんだよ?もちろんなんでもあったっていいんだよ?ちょ、ちょっと暇だったからさー、もう帰るね?怒らないでね…ください」


 テンパった俺はぎこちない声色でどもりながら、ぎこちない動きで両手を広げ、そう言った。大丈夫、敵意はない。許してくれるはずだ…

 

…という俺の願いは届かず、男は無言でこちらに向かって歩いてきた。ナイフを持ったまま。ナイフを持ったまま!


「ちょ、あ、いや、いや!」


 言葉として成立しない叫びを上げながら、俺は後ろに向かって全力でダッシュした。結局2番めの作戦かよなんて考えている暇はなく、大通りの方から覗く日光が希望の光に見えながらそれだけをただ目指した。


 一度も振り返らずに大通りまで飛び出した俺は脇腹を手で擦ったが、どうやら刺されてはいないようだ。


 少しだけ安心して裏通りの方を見ると先程の男がこちらに向かって鬼の形相で走ってきている。ナイフを持って!


 さすがに刺されないよな?こんな人通りの多いところで?いや、まて、世の中には通り魔というものも存在し、そいつらはどうやら人通りの多い大都会でも関係なく人を刺すらしい。こいつは確かに人見知り臭かったけど、通り魔適正がある人間かどうかまではわからない。通り魔見たことないし!


 気がつくと俺は知らないおっちゃんに後ろから抱きついて盾にしていた。おっちゃんには悪いけど、無意識だから俺悪くないよね?刺されたくないし。


「やめろ!このおっちゃんがどうなってもいいのか!」


 デカい声で俺は言った。デカい声が出るということは、さっきまでの緊張は少しだけ収まったのだろう。刺されるのは俺じゃない可能性が上がったからだろう。ん?俺最低かな?いや、最低なのだろう。でも刺されたくない、命を守るために悪になることだって致し方ない!


 そう考えると心が少し落ち着いてきた。この男はいったい何をそんなに怒っているのだろうか?

 俺の態度か?というか態度くらいのことで人を指したりするのか?人って怖い。

 というかあの可愛い子はどうなったのだろう。置き去りにしてきてしまったが、ちゃんと生きているのだろうか?

 …ということは現状の俺は知らないおっちゃんを盾に自分の命を守ろうとしているだけでなく襲われる女の子までも見捨てたというのか?これって最低なのだろうか。

 多分最低なのだろう。

 …しかし、今死んでしまうのはもっと最低だ。いや、俺のかっこよさの最低具合は改善されるのだろうが、死んでしまっては誰かが褒めてくれてもそれを訊くことは出来ない。


 そんな最低な自己弁護を脳内で繰り広げていると、男はナイフをもったまま走り去っていった。


 よ、良かった…


 安心した俺はおっちゃんの腰から手を離し、その場に座り込んだ。生きててよかった。怖かった。

 おっちゃんに謝りたいが、放心状態で声が出ない。あ、このおっちゃん禿げてる。しかもバーコードハゲだ。面白いなぁ…死んでしまったらこの面白さに気づくこともなかったんだろう。ありがとう…おっちゃん。


 放心状態でそんな失礼な事を考えていると、裏路地の女が目の前でしゃがみこんでいた。


「大丈夫ですか?」


 彼女は心配そうに揺れた瞳で俺に尋ねていた。そこにはビビって見捨てて一目散に逃げ出した俺を非難したいという感情は読み取ることが出来ない。

おそらくとてつもなく優しい女の子なのか、大女優もびっくりの演技力であるかのどちらかだろう。どちらかと言えば前者であってくれた方が俺としてはありがたい。


最も、後者であってくれた方が俺は罪悪感を感じずに済むが、可愛い女の子と出会った時の結論が、『あー、腹黒い女だった、助けなかったの間違いじゃなかった。よし!』で終わるよりは、『こんなにいい子を俺は見捨てようとしたのか…俺はなんてひどいやつなんだ…もうちょっと人としてのあり方ってものを考えよう、ああ、それにしても可愛いなあ』となった方がストレスは大きいがロマンチックだろう。


「え、だ、大丈夫、刺されてないよ」


 とは言ってもついさっき死ぬんじゃないかという恐怖に襲われたばかりだ。なんとか質問に応えることが限界だった。本当は「あー、余裕余裕!おっちゃん盾にしたらビビって逃げてったよ。やっぱ頼りになるのは一般市民だよね!それより逃げちゃってゴメンよ」てな感じの返事をする準備が脳内に用意出来ていたが、どうしてこう脳内にある言葉を実際に口にだすのは難しいのだろう。これさえ上手く出来てたら多分今俺彼女居るよね。


「……っふ。よかった。でもダメだよ、危ないよ。女の子を人気のないところで壁に押し付けるような男の人に話しかけちゃダメ!」

 

 彼女は安心したような笑みを浮かべたあと、説教を始めた。最も、漫画なら「めっ!」なんて擬音が書かれていそうな可愛らしい怒り方だ。なんだかこの子見てると落ち着くな。さっきまでの恐怖が消えていくようだ。


「いやー、ごめんよ。あまりにも暇でさ、アクシデントを求めてたんだよね」

「え?あんなに怖がってたくせに?好きなの?あういうの……」

「いやあ、もっとこう、想定してたのが、男の方は普通に弱くて、ナイフも持ってなくて、やっつけた俺カッコイイ!みたいな感じでさ……」


 あれ、おかしい。本音がだだ漏れだ。普段はこういう、漫画に影響されたような発想は恥ずかしいから言わないようにしてるんだけどな。なんだか、この子なら俺がそういうこと言っても馬鹿にしたりはしないような気が知れない。初対面だというのに不思議なものだ。ひょっとしてこれは恋か?いや、でも中学の時のアレと比べると……


「かっこよくないよ!……そんなの。別にいいじゃん。男の子だからって強くないととか。死んじゃったら死んじゃうんだよ!」

「そりゃあ死んじゃったら死んじゃうだろうよ。いやさ、俺もそう思うんだけど、さっきはどうかしてたんだよ。変に気が大きくなってたというか。大丈夫。もうしないよ」


 本当は逃げてしまったことをすぐに謝って、「ナイフは逃げるよね―」なんてフォローをしてもらいたいのだが、彼女が俺に抱いている問題点はどうやらそこには関係がないらしい。なんだよ『大丈夫、もうしないよ』って、かっこわりぃ。


「約束だよ。お姉さんと」


 彼女は柔らかくはにかみながら手を差し出してきた。その笑みを世界の全てを許しているような色をはらんでいて、警戒心どこいった?なんて心配になってしまう。


 けど、それ以上に嬉しかった。こんなに優しい顔が出来る女の子がこの世界にいてくれて、恋とは少し違うような、むしろ恋心のような、ドキドキするのとはちょっと違う、不思議な嬉しさだ。


「お姉さんて……、同い年くらいなんじゃないの?」

 意識すると急にこっ恥ずかしくなった。



 結局、無防備で、優しげな女の子と「約束だよ」の握手をし、俺は帰路についた。別れる前に連絡先と名前と年齢を教えあった。彼女の名前は“平井 絵里”歳は俺と同じ17歳だ。あ、そうそう、俺の名前は“吉田 清”17歳で高校二年生だ。


 平井さんも高校生なのだろうか?どんな人生を送ってきたらあんな表情ができるのだろう?なんて考えていると、俺のスマートフォンからメッセージ受信の音が鳴った。


『もうあんな事しちゃだめだよヽ(`Д´)ノ困ったときは110番!』


というメッセージがアプリに届いていた。


 ああ、可愛いなぁ……なんていう感想をディスプレイ上の文字に抱くというのはよくよく考えると少し恥ずかしい。この効果を狙って世の女の子達は顔文字とかギャル文字とか、文字の使い方を日々研究しているのだろうか。……あざといなぁ。

 

 などと違っていたら非常に失礼な推論をしたあと、結局俺は、


『うん、わかった。』


 と、返信した。



 

女の子との連絡先の交換、それは俺にとって初めてのことで、心を踊らせた。

もしかしたらすごく仲良くなったりしてなんて、気持ち悪い妄想だって捗った。


学校で有頂天になり、その妄想を学校の友達に語って聞かせて真面目に嫌がられたりもした。


家でも一人有頂天になり、今のこの気持を保存したいなどと考え、ノートに作詞したりした。メロディーまでつけた。もちろん次の日ビリビリに破いて燃やした。


 そんな気持ち悪い生活を送りながらも、俺は一生懸命平井さんとメッセージでやり取りをした。最初は、


『やあ、何してんの?』


などというさりげなさを装っているつもりが挙動不審になっている字面のメッセージを送るのに30分かかったりしたが、次第に気兼ねなくやり取りが出来るようになった。


 それはとても嬉しくも痛ましい時間だったのだろう。彼女が俺の発する言葉に反応してくれるだけで嬉しかった。彼女が俺に言葉をくれるのが嬉しかった。俺が眺めているのはディスプレイ上の文字だ。まるでディスプレイに恋しているかのような恥ずかしさに囚われながらも喜ぶことをやめられなかった。


 それでも俺は少しずつ進んだ。電話をかけてみたり、一緒に遊ぼうと誘ってみたり。


 本当によく頑張ったものだ。


 ……それから数ヶ月がたった。


 俺と彼女の距離は縮まり、彼女は……


「あははは!……俺の……告白は……風とともに!バイク達に!かき消された!?あはは!馬、馬が!いっぱい歩いてる!これ何の意味があるの?バイクのつもりなの?ねえ、どういう意味!?イヒヒ……死ぬ」


「なあ、もう帰れよ……頼むよ」

 

 彼女は俺の部屋に入り浸っていた。


彼女は俺のパソコンデスクをバンバンと叩き、俺のパソコンで俺が中学の時に“RPGをツクレール”というソフトで作ったRPGをプレイしていた。

 

 俺だって保存したことを忘れていたファイルを、俺がトイレに行っている間に引っ張り出し、帰ってくると勝手にプレイされていた。


 思春期真っ盛りに、学校ではおとなしくしていたがワルに憧れ、ヤンキー漫画ばかりを読み、深夜のハイテンションに任せて作ったものだ。なぜ消さなかったんだろう。

とにかくあの時はどうかしていたんだ。今の俺とは関係ないんだ……


 というか俺は数ヶ月前こいつと仲良くなることに憧れたが、数ヶ月前の俺に会えるのならば忠告したい。


『仲良くなるな!』と


 彼女は平井は俺の言葉を無視し、画面上の馬ひとつひとつにに『話す』コマンドを実行している。缶チューハイを煽りながら。


ウマ:ヒヒーン


「ちょっと!ヒヒーンって、どうしたの?急に照れくさくなったの?」


 はは……楽しそうで何よりだ。そうか、あれは面白いんだ。ああ、俺はいい作品を作ったんだな。そうだよな……


「頼むよ、帰ってくれよ……かーちゃんのチューハイ勝手に飲むなよ……俺が怒られるよ……」


 しばらく必死に説得し、平井はやっとゲームをやめてくれた。


「ねえねえ、さっきのゲームデータコピーしてもいい?家で続きやりたいし」


 もう言葉が出なかった。恥と怒りと切なさの感情に押しつぶされてしまいそうで、意識を保っているのがやっとだった。消そう、データ、消そう。


「いやあ、うそうそ!ゴメンゴメン。あんまり暇だったから。でも大丈夫!あんなゲーム作ってたって吉田くんのこと嫌いになったりしないから。ぷぷ……」


「……もう帰れよ」


 こいつはこれから先もこのことで俺をいじるのだろうか。嫌だなあ……まだニヤニヤしてるよ。

 それでも今目の前でカラカラと笑う平井を可愛いと思ってしまっている自分がいる。しかも厄介なことに、こういうふうに遠慮なく女の子に接されることに少し喜びも感じている。本当に家に帰られたら少し残念に思うのだろう。情けない。


「ゴメンってー、ねぇー」


 こんなひどい目にあいながらもなんだかんだ毎回彼女を家に上げてしまうのは下心があるからだ。 

 謝りながら俺の肘をつかむ彼女の手は柔らかくてなんだか優しい感じがするんだ。ちょっと嬉しいんだ。情けないんだ……


「……っ。まあいいけどさ」


 異性というのは全くもって厄介なものだ。同性にやられたらぶん殴ってしまうような所業もなんだかんだ許してしまう。ただ、“可愛いから”というだけのことでなんだか怒れなくなってしまうんだ……


 そもそもこいつは俺のことをどう思っているのだろう。これで俺に惚れてくれていれば我慢した甲斐もあったというものだが、そうではないのだろう。

 

 ポテチの青のりで口の周りを汚しながら漫画を読む彼女を眺めながら一人憂いた。


「あはは!元ネタあった!……バイク達にかき消されてる!っぷ……でもウマはいないね?」


「もう帰れよ!」


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