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異世界移住1日目


まだまだ雪降る寒い毎日、アガタ王国とタナハ聖都の狭間にある。どちらの国も決して手をださぬ。

少々いわくつきの無領地の奥深い異世界の山の頂上に、その者は降り立った。


その者、名を朝倉 由楽(あさくら ゆら)と言い。年は21才、性別は男。

生まれは日本で、両親の仕事の関係で、幼少期(ようしょうき)から中学までは、父親のたっての希望もあり。

家族と一緒に海外を飛び回る生活していたが、母親の実家の村にある高校進学(こうこうしんがく)を理由に、母親の実家の山奥の集落の村で、祖父母達とのんびりと暮らし始めた。

(※村にただ1つある小中高の私立の学校で、本家の朝倉家が運営しており。ほとんどの生徒や学校関係者は朝倉一族にあたる。)


容姿は、オペラ歌手でオーストラリア出身の210cmの高身長で、顔面偏差値の高い父親譲りの金髪青目。

白人とアジア人のいいとこ取りのたいへん綺麗な顔立ちの容姿をもち。

さぞかし異性にモテて、薔薇色の人生かと思いきや

性格が、幼少期からの可愛い物大好きな母親に、ショッピングや展示会(てんじかい)など連れ回された影響で、可愛い物やレース、フリル、裁縫・手芸が大好きで

おっとりとしたマイペースな事と身長がピアニストの母・和音(かずね)の朝倉一族の血を色濃く継いでしまったがために

村では高い方なのだか、平均男性より小柄な150cmしかない、小さくちまっとした。ちまっ子な事もあり。

海外生活の間、異性からは男性として見てもらえず。

初恋もまだな、初恋に恋するような、まっさらなピュアな青年であった。


そんな日本に住んでるはずの由楽(ゆら)が、なぜこのような異世界に居るかと言うと。

それは、朝倉一族の不思議なパワーのせいなのであった。


ぶっちゃけ。なんかその世界に居るだけで、何もしなくても邪気や悪いものをひとりでに、勝手に祓うパワーを無意識に出してるらしく。

その世界のパワーバランスが崩れると朝倉一族と縁ある神様に連絡が来て。

そこから本家の大巫女のおばば様に話が来て。

一族のなかで、その異世界に一番適してる者を占いで探しだし。

神様一族から、いろいろなすんごい生活に役立つチートパワーを貰って、半神人の不老不死に種族をレベルUPさせて、異世界に移住する運びになるのだ。

ちなみにお盆とお正月の年2回、村に里帰りや親族がこちらの世界に遊びに来れるので、ホームシックの心配は大丈夫そう?



で、その名誉ある移住者に選ばれたのが、そう、先ほど説明した朝倉 由楽、彼であった。


「うわー、凄い!山の頂上ていう事もあるけど、ここいらの山は、樹木が生えてなくって、草がところどころ生えてるだけの禿げ山が目立つなぁ~。

今居る場所も広大な空き地なのにもったいない。

それに見たところ水場が近くに有りそうな感じもしないや………うーん、どうせなら、この場所を緑豊かな山々に戻したいから、この場所を永住の場所にしちゃおう!そうしょう!」


と、一人で解らない納得をした由楽は、早速神様一族から頂いたチートの1つ。

広い範囲に五重の守りが付いた防衛魔法付きの快適一軒家カードを

これまた、神様から頂いたチートパワーの1つ。何もないところから、自由自在に物が取り出せる異次元無限収納いじげんむげんしゅうのうチートから取りだし。目の前の平らな地面に置く。


するとカードがひとりでに光だし。

次の瞬間には、巨大な湖の真ん中にある島にダイアモンドのようにキラキラと七色に輝く巨大なお城とアーチ状の真っ白な橋が建っていた。

そしてお城の回りや湖の回りには、色とりどりの花や草木がバランスよく生い茂っており。

草花は、力強く咲き乱れ。樹木は、青々とした葉っぱや瑞々しい果実をたわわに実らせ。

辺り一面は、先程までの広大な空き地が嘘のように、劇的に変貌している。

お城が建っている湖も、湖底何ヵ所から水がポコポコとわきだしているらしく。

透き通った水面には、七色に輝くお城が反映しており。2本の下流へと水をおくる小川も出来ている。


余りの神秘的な美しさに、まるで夢の国にいるような錯覚を覚え。

暫しの間、呆然とお城を見ていた由楽は、次の瞬間、なにかを思いだしらしく。慌てた様子で異次元無限収納から、また1枚のカードを取りだすと地面に置く。


するとカードから一瞬強い光がピカッと光った後、次の瞬間1人のボブカットの栗色の髪色に、金色の瞳をした由楽と同じぐらいの身長の可愛らしい10代後半の男の子が立っていた。


「えっと、初めまして僕のガーディアン。

呼び出すのが遅くなってごめんね。後、住む所も僕1人で勝手に決めてしまって、本当にごめんなさい。」


由楽が神妙な顔で謝っていると、その子がニコニコしながら


「僕のマイスター、全然気にする事はないよ。それより、マイスターの名前を教えてもらえたら嬉しいなぁ。」


と本当に楽しそうにニコニコと微笑みながら、由楽に話しかけてくる。


「そう言ってもらえて、僕の方こそ嬉しい、ありがとう。

僕の名前は、朝倉 由楽(あさくら ゆら)。気軽に由楽って読んでね。

年は21才で、血液型はA型。誕生日が11月27日の射手座。

趣味は、ぬいぐるみ作りや手芸関係全般に、お菓子作りと料理。それから食べる事!

そして、この世界で、ずっと僕と一緒に居てくれる。

一番大切な家族になる。君の名前は、朝倉 雅楽(あさくら うた)だよ!

…………どう?嫌じゃない?………僕の兄妹は、全員『楽』の字が名前に入ってから………雅楽は僕の弟になる訳だし………僕達兄妹と同じ……楽の字が入った名前にしたんだけど………嫌?」


と異世界にくる前に家族会議等をして、悩みに悩んだ末に決めた名前を雅楽に教えながら、やはり男性に雅楽の名前はおかしかったかと少しずつ不安になり。

心配した由楽(ゆら)が、雅楽(うた)の反応を見ていると。

なにやら、考え深げに教えてもらった自身の名前を呟いていた雅楽は、目にうっすら涙を浮かべながら


「ありがとう。雅楽(うた)かぁ、いい名だねぇ!

今日、家族と兄弟になった由楽(ゆら)からの最高のプレゼントだよ!」


とお互い微笑みあいながら、和やかな空気をかもしだし。

2人は、これから長い時間暮らすことになる新居のお城に歩いて行くのであった。



================



新居のお城がある島に、渡るための真っ白なアーチ状の橋を渡っていると。

橋全体に細かな美しい細工が施されたていた事に気づいた2人は、驚きのあまり呆然としながらも余りの美しさに、ついつい足が止まってしまいそうになるのをなんとか堪えて、島まで橋を渡りきる。


だがしかし、コレは序の口でしかなく。

お城の中に入った2人は、嬉しい悲鳴と驚きの連発が待っているのであった。



新居のお城に近づいた2人は、お城の壁の余りの美しさに二重に驚く。

まず1つに、城全体がダイアモンドのように透き通る透明さで

2つめが、なのにお城の中がまったく見えず、プライバシーが守られているのだ。


他にも、お城の中に入るための扉も大きく、豪華絢爛な細やかな細工がしてあり。

お城の中に入った後も、玄関の広さと吹き抜けの天井の高さに口をポカンと開けたまま驚いてしまった。


しかし、ちょっとホッとして、クスッと笑ってしまったのが

玄関から先は、土足禁止になっていて、床が一段高くなっており。近くには、お洒落なシューズルームが存在し。

東洋風のお城の造りなのに、建物内は日本風の土足禁止の生活になっており。

その事に安堵を覚えた自分は、やはりこんなところが日本人だなぁと感じてしまう。



それから由楽と雅楽の2人は、広大なお城中を探検する。


まず1階には、天井まで吹き抜けの広々したティールーム

図書室、広々したキッチン、食材室、休憩室、食堂

執務室、会議室、備蓄室、ダンスパーティが開けそうな広間

様々な楽器が置いてある楽器室、音楽室

ダイアモンドのようなライオンの口からお湯が出ててた大浴場

所々バランスよく配置された多数のトイレ、洗濯室

温室、広々した音楽団が使用するような立派舞台

トレーニングルーム、温水プール

様々な用度に使えそうな中部屋、沢山の小部屋

エレベーター風な物


2階が、トイレとお風呂が付いた多数の客室、ティールーム

備蓄室、様々な用度に使えそうな中部屋と小部屋達、エレベーター風な物


3階が、日当たりが良く広々した大部屋内に

対面式の最新キッチンに巨大冷蔵庫、壁一面の隠し収納棚にセンスよく置かれたさまざな最新便利料理家電

ダイニングテーブル、

10人以上が座れそうな巨大ソファー、ソファーに装備されている沢山のふかふかのクッション、ふかふかの絨毯

部屋の一角にパステルピンク畳を使った畳部屋

備蓄室、エレベーター風な物、トイレ

由楽と雅楽の各トイレ・風呂付の自室と寝室


4階が、様々な用度に使えそうな部屋達、エレベーター風な物


5階が様々な用度に使えそうな部屋達、バルコニー、エレベーター風な物


最初の方は、楽しく部屋を見て回っていた由楽と雅楽の2人も最後の方は、広大なお城の中を歩き回るのに疲れ。

おざなりに見ただけで、どうやら自分達の生活規模になりそうな3階の大部屋に戻って来る。


「あーぁ、歩き疲れて足がパンパンになった。

けど、このお城の内部を見て回った限りでは、家具はホワイトとゴールドとピンク色のロココ調家具で、可愛い感じに揃えられてるね。

それに行く部屋、行く部屋のシャンデリアが、豪華絢爛で凄かったね!!」


と由楽は、ソファー下のふあふあした肌触りの良い絨毯に座り込み。パンパンになった足を揉みながら、ソファーにぐでーっと寝ている雅楽に興奮ぎみに話しかける。

するとピョコッとソファーに起き上がった雅楽も


「本当に凄かったよね!

廊下全てに赤絨毯が敷いてあるし!

どの部屋も細かな細部まで細工してあったし!

1階を探検してる時に、廊下の窓からチラッと見えた庭も白鳥や犬や猫、兎、熊とかいろいろな可愛いアニマル型に手入れしてあったし。

こんな可愛いくて、神秘的なお城に住めるなんて、僕 幸せ!!」


「本当だよね!僕も幸せ!!」


とベースの由楽の影響で、由楽と同じ。

かなり可愛い物好きな男の子になってしまった雅楽が、テンション高めに小柄な体で、床をピョンピョン跳ねる。

それを見た由楽もケタケタ笑いながら、足が痛いと言ってた事も忘れ。

2人でゲラゲラ笑いながら、喜びでピョンピョン跳び跳ねる。


綺麗系の由楽と可愛い系の雅楽の顔は余り似てないが、今日会ったばかりなのに

まるで双子の兄弟のように意見や趣味の合う2人のまったりとした時間は、楽しく過ぎていくのであった。



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