自己紹介は手短に
さてさて、先ほどはお見苦しいところを見せて申し訳ない。
私はナレーター、すなわち”第三者”です。
普通の小説ならば物語に干渉するはずのない、ただの説明係ですが…はい、お察しの通り
めちゃくちゃ干渉します
そりゃあもう登場人物と漫才でもするのかというくらい干渉しまくります。
なので、まあ私のことはナレーションの人、略してなっちゃんとでも読んでくださいな
「いや、おかしいだろ」
おやいつの間に
「もうそれナレーションの仕事放棄してんじゃねえか。登場人物にシフトチェンジしてこい」
大丈夫大丈夫ちゃんとナレーターっぽいことするから!!
このさっきからずっとつっこみつづけている男子は”ヒロ”
本名は田中宏亮
彼が所属しているクラブの副部長だ
「おお…ナレーションっぽい…」
だろ?もっと褒めてくれてもいいんだz
「いや、普通だけどな。」
「んもうさっきからなにぶつぶついってるの~?ふわあ…」
あ、おはようございます
「あ~どもども~…ヒロ、あんま大声だしちゃめっ!」
「あ、ああ…すまねえエリ…」
彼女は金田恵理菜、通称”エリ”
おっとりふわふわ系の極みである
っと、場所の説明を忘れていましたね、申し訳ない。
ここは、校舎の一番上の階、5階の空き教室。
ここで彼らは部活動をしているのだ
彼らの部活は、s「おーっす!!ちょいと遅刻してしまったぜ!!」
………写真部である。ちょっと空気読んでくれ
「ん?おお!!すまんすまん!!」
はあ…このテンションお高めなKY男子は”マコト”
本名滝沢真
運動神経抜群で、各運動部から勧誘を受けるも超絶飽き性のせいでどの部にも1週間留まらなかった、そのくせ写真部には毎日欠かさずくる変な奴だ
あと2人部員がいるんだけど…まあ説明は登場してからにしようか。
ーガラッ
回収早いな…
空き教室、もとい部室のドアが静かに開き、部長の桜木龍がじっと教室の中を見る。
後ろには新入部員の”テル”こと林輝彦が部長に張り付いている
そして、部長はこの場に全員がいることを確認し一言
「交換日記するぞ」
「回収はやいな!?というか脈略なさすぎ!!」
「こういうのはテンポが大事なんだよ。もう前座なんかぱっぱとやんないと」
「あんたら小説の意味分かってんですか…」
ヒロがはあ…とため息をつく。気苦労が絶えないようで、お疲れ様です。
「5割くらいお前のせいだけどな」
おや、残りの5割は?
「も~なっちゃん!そんなの分かりきってるでしょ~?」
ああなるほど…
ヒロはもう一度ため息をつくと、忌々しそうに呟いた。
「くっそ…作者め…」