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トキの秘密 ~前半~

今回はトキの秘密について前半後半で分けさせていただきました。

なかなか話が進みませんがもう少ししたら進みを良くしてい行くつもりなんで、

あと少し付き合ってください。

では、どうぞ



◆◆◆




「私たちは今、一つの奇跡について考えていました。それはあなたについてです。何故だか分りますね?」

そう、彼には一つ誰にも言っていない秘密がある。

それを今、ここで明かしてほしい。

これが私たちの考える奇跡に繋がるのです。

「・・・・はい。」

「今ここで出して(…)頂けませんか。」

「えっ!?何それ?何のことか私にはまったくわからないよ!?」

っと、急に今まで黙っていた少女が喋り始めた。

「ねぇ!?トキ!!なんで私に教えてくれなかったの!?なんでこの人はそれを知っているの!?」

ふむ、彼の彼女である自分ではなく、私が知っていることに嫉妬しましたか。

「それについては私が話しましょう。まず私についてお話します。私は、見ての通り樹です。しかし、わかっているかと思いますが、ただの樹ではありません。

私はわかりやすく簡潔に言うと世界と世界をつなぐパイプです。そして同時に世界同士の均衡を整える役目をしているんです。そんなことをしていると自然といろいろなことが見えてくるんです。

その一つが彼の秘密です。しかし彼の秘密は彼の世界では強大すぎる。故に今此処に連れて来たのです。まぁ彼の秘密については詳しくは彼に聞いてください。」

彼の秘密については、彼にしか話せない。

なぜなら・・・・いえそれについても彼が話すでしょう。

「ああ、僕には未だ誰にも言っていない秘密がある。それが・・・・これだ・・・。」

っと、彼が言った瞬間、彼の掌からひと振りの刀が出てきた。

そう彼の秘密は、この刀から始まったのだ



◆◆◆




「お父さん!!お母さん!!」

そこには血まみれの状態で横たわっている二人の男女と泣いている男の子が一人いた。

「トキ・・・、お父さんとお母さんは長い旅に行ってくる。

だけど、トキは強い子だから一人でも大丈夫だよね。」

倒れている内の男性の方が少年に向かって囁いた。

「お父さん・・・」

その隣で倒れているもう一人の女性も小さく囁いた。

「トキ・・・、将来は・・お母さんみたいないい・・女を・・・見つ・・けて結・・・婚す・・るのよ。」

その言葉を最後に女性の方は力尽きたかのように優しい笑みを残しながら眼をつぶった。

「お母さん!!」

「トキ、お前にこれを託す。

これはお前の物だ。

だからお前が必要だと思った時、これを開けなさい。」

そうして、男性の方も女性と同じく笑みを残しながら、その眼を閉じた。

「お父さん!!」

少年は何かを後悔するように叫んだ・・・




◆◆◆




「僕の秘密・・・それは10年前のこと・・・」


・・・・・・十年前・・・・・



それは、トキがまだ幼いころに起こった。

ここはトキが今の家の前に家族で住んでいた家だ。

「お父さーーーん!!」

「どうしたトキ?」

それは、誰もが送る日常から起こったのだ。

「此処に長い剣が落ちてる!!」

「ん?はは、それは剣じゃなくて刀だよ。危ないから触っちゃいけないよ。」

「はーい!!」

その時はまだトキは幼いので何が危険なのか曖昧にしか分かっていなかった。

だが、トキは父が言うことは大抵守ってきた。

なので今回も今は(…)ちゃんと守るつもりでいた。

しかし、それは今でしかなかった。




神奈かんなこの刀は・・・。」

「ええ、そうね健斗けんとさん・・・この刀は危険過ぎるわ。」

「ああ、トキの奴が運悪くこれを見つけてしまった。」

「ええ、この刀は隠すしかないわね。」

トキの両親、父の神谷健斗と母、神谷神奈は小さく囁いた。




そして二日後の夜・・・

「おやすみなさ~~い!!」

「お休みトキ。」

「お休み。」

トキは両親に寝ることを伝えると自分のベットに潜っていった。

「この二日はなんとか大丈夫だったな。」

「ええ。でもまだ二日。最低でも後十年は隠し続けないと。」

「ああ、だがこの家には置いてはおけない。だから明日に伯父のとこへ預けておく。」

「そうしましょう。後十年此処に隠し続けることなどできませんもんね。」

「ああ。」

そうして今日も平和に終わる・・・・・・はずだった・・・




夜、誰もが寝込んでいる中それは起こった。

「刀は・・・刀はどこだ!!!!」

この家に住む人では出来ない声で叫ぶ一人の男がトキの家に侵入してきた。

「っ!!!そんな、早すぎる!!!!」

聞いたこともない叫び声がトキの家に響いた。

「まさか!?此処には私たちが張った結界があるからあと二日は大丈夫なはずなのに!」

叫び声の主は、未だ見えないが少なくともあの刀が見つかるのは、時間の問題だった。

「トキが目覚める前に片づけなければ!!」

「ええ、急がないと。」

っと言いながら二人は、走って叫び声の主のとこへ走って行った。

・・・・・一人の少年を置いて。

「お父さん・・・お母さん・・・?」




「っち!!もうあそこまで!!」

二人が刀の場所まで来た時、男は刀を既に持っていた。

「見つけた・・・刀を・・・・此処にあった!!」

しかし刀は男を拒絶するかのように震えていた。

「やはりあれは・・・魔剣か?」

「震える・・・・震えるぜーーーー!!」

そう叫ぶたびに刀は震え、それに呼応するように男が叫ぶ。

それがエンドレスになっていた。

「トキが起きる前に終わらすぞ!!」

「そうね。」

っと、言いながら二人はどこからともなく取り出した銃を男に向けた。

「俺と殺ろうって・・・・言うのかよーーーー!!!!!」

男がそう叫んだと同時に三人は動き出した。




どうでしたか?

感想やアドバイスは募集中なのでどしどしお願いします

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