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trouble ~乱される日常~

今回は短いですがご了承を・・・

「私に剣を教えて下さい、師匠っ」


目の前には、昨日あったあの少女がいる。


机を挟んで向こう側に。


突然の来訪者に周りはざわざわしている。


「あの子誰?」


「妃桜くん、彼女いたんだ……」


「てっきり橘さんと付き合ってるって思ってたのに……」


「くそっ、帰宅部の妃桜のくせに……っ」


……いろいろツッコミ所はあったけど、今はそれどころではなかった。


「えー……っと?」


「取り敢えず、外に出ましょっ」


そう言って、手を強引に引っ張られて、みんなの注目を一心に受けながら教室から連れ出されていく。


ふと、葵が視界に入った。


ポカーンとして、微塵も動かず固まっていた。

一体何がどうなっているんだ……


―――――――――――――――――――


「で、どういうつもりなのかな?」


「ですから、剣術を教えて欲しいんです」


「……冗談だよね?」


「本気です」


…………頭が痛くなりそうだ。


「なんで僕なの?」


取り敢えず、一番の疑問だった。


「昨日斑目さんに色々と師匠のこと聞いたんです」


「はぁ……」


何となく合点がいった。


だが、彼女はこちらの様子には気づいていないのか、更に続けた。


「師匠が凄腕の"ハンター"だってことも、バイトにしては破格の待遇で、他の地域に駆り出されることもあったっていうこともです!」


「……昔の事を掘り返されるのは正直嫌なんだけど」


自分でも驚くほど、冷めたような声音だった。


「……はっ、すすすすみません」


途端に小さくなる少女。


「で、でも、どうしても気になったといいますか、もう師匠しかいないと思いまして……」


それでも必死になって弁解している。


その光景に……既視感を覚えた。


どこか、どこかで同じような……


そうしばらく考えて、ピンときた。


(ああ、なるほど……)


心の中で笑う。


そうだ覚えがあるに決まってるじゃないか。


それはまさに、昔の自分のようなのだから。


ただ強くなりたいという一心で教えを乞うその姿は、まさしく過去の自分そのものだった。(朔夜さんもこんな感じだったのかな……)


そう思うと懐かしさを感じ、思わず笑ってしまった。


「クスッ」


「どうかしました?」


「うん、まあいいかな……」


「?」


少女はよくわからないと言った表情で首を傾げている。


「ううん、なんでもないよ。わかった、僕に教えられる事があるなら尽力するよ」


「え……」


何を言われたのかわからないといった様子でしばらくポカンとした後


「……ほほほほ本当ですかっっ!?」


身を乗り出して顔を近づけてくる少女。


周りの客が何事かとこちらに注目している。


あまりの近さと、周りの視線耐えられず、に思わず声がうわずってしまう。


「う、うん、でもちょっと近い……かな?」


「あ、あぅ…すみません……」


言われて初めて気づいたようで、顔を真っ赤にして再び席についた。


「それでね、えーっと……」


そこで、自分はまだ彼女の名前も知らない事に気づいた。


というか、新米ハンターというぐらいしか知らない。


(そんな相手の師匠を引き受けた僕って一体……)


「あっ、すすすみません、そういえば自己紹介がまだでっ、でした」


慌てて若干噛んでいた。


「私、付属中学1年の沢城優花といいます。よろしくお願いします、師匠!」

本当はここまで前話に入れるべきでしたね・・・(^_^;)

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