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閏日の日記  作者: さかしん


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優等生との再会

目的の駅に到着する間際、スマホのメッセージが届いた。

『改札を出てすぐのカフェに居る』

その駅は改札が一つしかないのですぐにどこのことを言っているのか理解した。

カフェに入ると、奥のほうにいる女性に手招きされた。


高校時代の同級生の岩井茜だ。


「久しぶり、変わらないね。髪型以外は」

返答に一瞬躊躇したが


「そう?ありがとう」


俺は誉め言葉として受け止めることにした。

そういえば岩井は当時からよくこんな感じの言い回しをしていた。


「手短によろしくね、1時間後の新幹線でまた帰らなきゃいけないから。ホントうちの会社って人使い荒いんだから」


と言っているが言葉ほどの嫌悪感が表情には出ていなかった。


おそらく岩井は会社で若手有望株なんだろう。


高校時代も成績は学年トップで学級委員長と生徒会長を兼任。


本人が言うには


『委員会とか聞いてる側ってもどかしくない?早く終わらないかなって思ってるだけでつまんないじゃん。自分がやったほうが楽だよ。誰かに指示してやってもらえば良いんだし。』


だそうだ。


お笑い好きでユーモアも人一倍持ち合わせていたので性別や学年関係なく岩井に手紙を渡しに来る生徒がよく教室に来ていた。


そんな岩井はよく俺に野球のことを聞いてきた。


野球が好きなのかと尋ねたら


「今は普通?」


と疑問形で答えた。


ではなぜそんなに野球のことを聞くのかというと


「知らないと好きになれない。でも自ら調べるほど今は好きじゃない。比留間君は野球の話が上手だから比留間君が話す野球の話は好き。」


と言われ少し照れた事を思い出した。


「友山のことなんだけど、あいつ無口だったから聞けるの岩井くらいしか思いつかなくて」


数秒考えこんだ表情を浮かべ


「そうだね、あの件でしょ?」


と小声で問い返す。


俺は、


「まぁ」


と、どこまで言うべきか悩みながらはぐらかすような声をだした。


「なんか進展あったの?」


岩井は勘がいい。


「人づてで友山が俺に好意があったって聞いて、なんかアレと関係あるのかなって思って」


と一応準備していたセリフを口に出した。


岩井は納得していなそうだったが、まぁいいやという感じで表情が切り替わるのが分かった。


「確かに友山さんは比留間君のことは気になってたみたい。朝練の様子なんかよく教室の窓から見てたよ。でも私にはそういう恋愛関係の話はしてくれなかったな。」


「あ、でも田口君が友山さんに告白したことがあって、他に好きな人がいるからごめんねって言われたって」


初耳だった。


田口とは結構仲がいい方だったが・・・


ってことは田口も友山が俺を好きだったことに気が付いていた?


「田口って今も連絡とってる?」


「1か月前くらいに『元気?』ってメッセージがきた。」


田口らしいメッセージだ。


俺にも数年前に一度だけ


『うっす!』


とメッセージが入っていた。


俺はそのメッセージに


『うっす×2』


と返したがそれ以上の返信はなかった。


岩井はそのメッセージを見せてくれた。


『元気?』

『なんとかね~、たぐっちゃんはどうなの?』

『俺もなんとかwwなんか急に色々昔のこと思い出しちゃってさ』

『みんな忘れないよ』

『そうだね、なんかありがとう』

『こちらこそww』


田口は間違いなく1か月前に何かあった。


そして1週間前に送られてきたあのノート。


点と点が少しずつ頭の中で繋がっていく気がした。


俺は岩井にお礼を言ってコーヒー代を2人分払い田口にメッセージを送った。


『今日、晩飯でもいかない?』

『おぅ、久しぶり。いいねぇ、どうする?』

『何年か前に飲んだたぐっちゃんちの最寄り駅の近くの居酒屋でどう?』

『おけ!仕事終わってすぐ行く、6時頃かな』

『了解、よろ』



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