解決
俺たちは道路にすんなり出ることができた。
犯人の男が通り道にしていた所にしっかりとしたロープが張られていた。
すぐに警察と救急車が到着し、俺たちは1週間ほど入院することになった。
入院2日目には警察が聞き込みに来た。
その中で、犯人の男の行動を少しだけ聞かされた。
もともと樹海での失踪事件は昔からあったが、今回の犯人は10年ほど前から樹海に来る人を襲うようになったらしい。
そして8年前の事件が起きた。
あの時はテレビニュースでかなり報道されてしまったので犯人も警戒しておとなしく身を潜めていたようだ。
今回は世間もそろそろ忘れた頃と思い、俺に罠を仕掛けたとのこと。
また、警察以外からもテレビをつけると連日報道されていたし、ネットではもっと詳しく犯人の情報が特定されていた。
犯人の名前、住所、職業、家族構成などなど。
俺はずっと違和感を感じていた。
今回の事件、まったくの他人であるタクシー運転手が単独で出来た事だったのか?
田口と岩井が関係していると思ったからこそあまり引っかからなかったことが後々考えたら違和感に感じてきた。
俺は違和感を払拭させるために犯人の周辺の情報などをネットで事細かに調べた。
するとその違和感は払拭されるどころか核心に代わっていった。
俺は入院中、違う病室にいる岩井と田口とよくロビーで会って話した。
みんな無事で何よりだった。
「悪かったな二人とも」
「何言ってんだよ、とりあえずみんな無事で何よりだったよ。」
「でもすごかったね、あのたぐっちゃんの飛び蹴りといい、フルスイングといい。私なんか腰が抜けちゃって」
「いやぁ、犯人もしぶといよな。あれで生きてるんだから。」
そう田口が言ってから一呼吸置き、俺は二人にできるだけ落ち着いて話し始めた。
「犯人の名前は岡本孝仁、55歳。
職業タクシー運転手。
家族構成は数年前に妻と離婚して息子が1人。
その息子は俺たちと同い年。
名前は岡本孝二」
そこまでいうと二人の顔が真っ青になっているのが分かった。
「うそでしょ、オカピーが関与してたっていうの?」
「たまたま同じ名前なんじゃなくてか?」
俺は黙って首を振った。
お見舞いや連絡をよこさないことからも二人は納得していたようだ。




