第23話 新しい能力
人間側の情報がわかったところで、いよいよ私たちの新しい能力について情報共有することになりました。
私はワクワクが止まらなくて、ソワソワしちゃってます。
だってダルクさんの鬼神って、神様として崇められてたんだから、とんでもない能力が備わっているはずだもん!
もう早速聞いちゃいます。
「ダルクさんは進化してどんな変化があったの?」
「そうだな、まずは身体能力が驚くほど上がっている。だが重要なのはそこではないんだ。体内に不思議な力が巡っているような感覚があったのでな、その活用方法を会得してきた。」
「おー!どんなことができるようになったの?」
「とりあえずその力を闘気と呼ぶことにするが、闘気を体に纏わせれば身体能力を更に上げることができるし、ある程度の攻撃であれば闘気に阻まれて俺に傷を負わせることはできないだろう。それに闘気を透明な力場のように扱う術を身につけたことで、空中に透明な障壁を作り出したり、相手に放って攻撃することもできる。今後は闘気を刃状に具現化できるように訓練していくつもりだ。」
思っていたより凄いかも。今まででもダルクさんの身体能力は群を抜いていたのに、そこから2段階アップできるとは!
それに透明の障壁とか力場とか、なんか格好いいなぁ。
私は会議の後に実演してもらう約束をして、次に進みました。
「じゃあ、次はフィズさんの能力を教えてくれる?」
「わかりました。私も身体能力が格段に上がっていましたね。それと獣化の能力が備わっています。獣化すると大きめの狼の姿に変わって、身体能力は更に上がりますが、獣そのもののような戦い方になってしまいますね。それに獣化中は月の満ち欠けによって強さが変動するようです。たぶん満月のときに最大の力を発揮できると思います。」
「凄いね!進化1回なのに、獣化すれば2段階パワーアップしちゃうってことでしょ?牙狼族って強い種族なんだね。」
私の感心の言葉にフィズさんは嬉しそうにしていました。
私はというと、実は獣化したフィズさんをワシャワシャしたい欲求が抑えられず、後で獣化した姿を見せてほしいと約束をとりつけました。
「ドレミーはどう?エルダードライアードになって、できることが増えたりした?」
「大きい木じゃないと一体化できなくなったノ。」
あら、マイナス成長ってありなの?
「魔界樹様の気持ちが前よりハッキリわかるようになったノ。」
ふむふむ、魔界樹様を助けるときに役立ちそう。
「植物を生やしたり、操ったりできるようになったノ。」
「それは凄いんじゃないの?いつでも果物食べ放題ってことだよね。」
「相変わらず食いしん坊ね…。」
リタ姉ちゃんに呆れられてしまいました。
でもでも、旅の途中の食事問題が解決しちゃうのって、やっぱり凄いと思うんだよねぇ。
「リタ姉ちゃんは?眷属っていうのも進化したからできたんでしょ?」
「そうね、ヴァンパイアは血の契約によって1人だけ眷属をもつことができるのよ。」
「一人だけなんだ…。キエムでよかったの?」
キエムが悲しそうな顔で私を見てきたよ。目を合わせないようにしよう…。
「キエムは剣士のタレント持ちになったんだから、かなりの戦力になるわ。それにね、眷属は私に魂を預けている状態だから、私が死なないかぎり、どんな状態になっても死ぬことはないのよ。肉壁として使い倒すには、キエムはうってつけじゃない?」
結構酷いこと言われてるのに、キエムは何故か嬉しそうです…。
「他には何ができるの?」
「使い魔としてコウモリを召喚できるわね。視界を共有できるから偵察にはもってこいね。後は、闇魔法が使えるようになったことと、影に身を隠すことができるわね。もちろん身体能力も上がっているし、抵抗力が強い者でなければ私と目線を合わせたときに恐怖で身を竦ませることもできるみたい。」
「なんか、盛りだくさんだね。」
「そうなのよ、闇魔法についてはまだまだ把握しきれていないのが現状だわ。」
リタ姉ちゃんも大変そうだね。
同一種族のまま進化したほうが強くなれるのかなって思ってたけど、そうとも限らないのかぁ。
「キエムは強い剣士になっただけだよね。」
「まぁ、そうですね。しいて言えば、バラバラにされても、くっついていって再生していくみたいです。」
想像したら気持ち悪くなったよ…。聞かなければよかった。
「最後は私ね。なんと羽を動かすことで風を発生させて操ることができます。鱗粉も含んだ風だから隷属紋を消すのが簡単になったよ。」
私は自慢げに新しい能力を公表しました。
「それだけなの?女王というから、もっと凄いことができるのかと期待してしまったわ。」
リタ姉ちゃんのガッカリ感が私の心に突き刺さりましたとも…。
なんか魔蝶族って弱くない?
「いや、隷属紋を消すのに危険を冒さなくて済むのは重要だろう。それに、お嬢ちゃんの役割は重傷すら治す後方支援だ。鱗粉の効果が上がったことも忘れてはいけないぞ。」
ダルクさんが、すかさずフォローしてくれました。
少し自尊心が回復したよ。ダルクさん、ありがとう。




