第21話 更なる進化⑤
小走りで門まで行き、「ドレミー、終わったよー!」と声をかけると、凶蓄桃からポンっと抜け出すようにドレミーが出てきました。
一体化を解いたことで、元の可愛いドレミーの姿を久しぶりに見られて嬉しくなっちゃいます。
私たちはお互いに走り寄り、最後はドレミーがピョンっと飛びついてきたので、受けとめてクルクル回りました。
「ドレミー、会いたかったよー!」
「ドレミーもオルフィーに会いたかったノ。」
マンドラ族だった頃の名残りでもある葉っぱのアホ毛がピコピコ動いて、ドレミーが嬉しそうにしているのが、何にも代えがたい癒やしになったよ。
私たちが感動の再会を喜んでいると、門の様子をリタ姉ちゃんが確認してきてくれました。
「人間の死体が1つあったわ。ドレミー、頑張ったわね。私たちの反抗が人間側に知られずに済んだわ。」
ドレミーは声のするほうに顔を向けると、「リタ?」と尋ねました。
雰囲気がだいぶ変わったからね、わからないのも無理ないよね。
「そうよ、私はヴァンパイアという種族に進化したの。これからもよろしくね。」
私に抱きしめられているドレミーの頭をリタ姉ちゃんが優しく撫でてくれます。
冷たい印象の顔立ちになったけど、慈愛を感じる笑顔に私もなんか安心しちゃいました。
ドレミーも安心したようで、笑顔で頷きました。
「よろしくなノ。」
「そうだ、ドレミーも進化できるんだよ。えっとね、エルダードライアードかアルラウネだって。どうする?」
「オルフィーの役に立てるほうがいいノ。」
嬉しいことを言ってくれちゃうから、愛しくて頬ずりしちゃいました。
「魔界樹様と通じ合える能力は捨てがたいし、エルダードライアードがいいのではないか?」
ダルクさんが提案すると、リタ姉ちゃんも同意のようで頷いています。
私も今の可愛い姿のドレミーが大好きなので、ドライアードのままがいいと思ってたんだ。
「そうだね。ドレミー、エルダードライアードでいい?」
私の問いかけに、ドレミーはコクコク頷いて同意してくれました。
「じゃあ、決定するね。ドレミーはエルダードライアードに進化します。」
(ドレミーの進化先が確定しました)
頭に直接声が響くと、ドレミーが繭に包まれ、そして繭が優しい緑色の光に包まれ消え去りました。
進化を済ませたドレミーの姿に私はショックを受けてしまいました。
だって、可愛いドレミーが大人の女性になっちゃったんだもん…。
勿論、髪は緑だし、アホ毛もあるんだけど。
同族の上位進化は身長変わらないんじゃないの…?
ぐぬぬ…解せぬ。
私は一縷の望みをもって聞いてみました。
「ドレミー、もしかして元の大きさに変化できたりしないかな?」
ドレミーはアホ毛を揺らして考えているようでした。
姿は綺麗なお姉さんなのに、ポヤーっとしている表情は前のままだから違和感がすごい…。
「できるノ。」
『ノ』も残っててよかった!『ノ』は癒やしだからね。
ドレミーは目を瞑ると、縮小するように背が小さくなっていき、進化前のサイズになりました。
「このほうが嬉しいノ?」
「うん!だって、ドレミーのこと抱きしめてあげたいもの。」
そう言って抱き上げると、ドレミーは嬉しそうにアホ毛を揺らしました。
「さて、これで進化できる人は全て進化したよ。」
「それなら、これからのことを話し合わないといけないわね。」
リタ姉ちゃんが作戦会議を提案しました。
「済まんが、少し時間がほしい。進化したことで何ができるようになったか把握したい。」
ダルクさんの言い分には納得です。
できることがわからないと適切な作戦もたてられないもんね。
私も、なんか今までにない力を羽から感じてはいたんだよ。
「じゃあさ、明日までに各自の能力を確認してみない?」
「それがいいと思います。正直なところ、私も牙狼族の力をまだ使いこなせていないと感じていますので。」
フィズさんが私の意見に賛成してくれました。
みんなも異論がないみたいなので、明日の午後に元町長の屋敷に再集合することにしました。
私は一人になるのが寂しいので、結局リタ姉ちゃんとドレミーと一緒に能力確認を行うことにしたけどね。
キエムがついてきちゃうのが残念でならないよ…。




