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第16話 それぞれの戦い③

ダルクさん遅いなぁ…。

私は窓の下の壁に耳を押しつけたまま、羽をパタパタさせて浮いているような状態を続けています。

もしかして、何かトラブルがあったのかな?

ダルクさんの強さなら、敵にやられちゃうってことは想像しにくいのだけど。


気になってしまい、私は少し上昇して窓から中の様子をチラっとでも確認しようと思いました。

目の高さが窓の最下部を超えたところで、私は部屋の中にいる犬人族の女性とバッチリ目があってしまった。


みつかった!

私は慌てて反転して窓から離れようとしたけど、すぐにガシャーンと窓の割れる音がしたかと思うと、ガラス片が飛び散り、私の肩を掴む手に動きを封じられてしまいました。

しかも、爪が食い込んでいく感触があり、強烈な痛みで思考が止まってしまいます。


視界を窓のほうに向けると、私を掴んでいる犬人族の女性は、もう片方の手の鋭い爪を私の心臓に向けて構えている。

殺される!みんなごめんなさい。

ちゃんと約束を守らなかった馬鹿な自分を責めたとき、部屋のほうから声が掛かった。


「待て!殺さずに捕獲しろ!」

その命令で、私の心臓に届く寸前だった手が止まった。

その代わりに腕を掴まれ爪が深々と食い込んでいく。


「こんなに大きな羽の魔蝶がいるとは、突然変異か?確か白は回復系だったはず。いい金づるになるぞ。」

魔法使いと思われる男の笑い声に恐怖で鳥肌がたった。

あぁ、これってリタ姉ちゃんが味わったような展開が待っているってこと?


絶対嫌だ。

もう一度みんなに会いたい。


私はあらん限りの力を振り絞って、羽を勢いよく動かした。

肩と腕に爪を食い込ませた犬人族ごと少し上昇できたことで、犬人族の女性の上半身が窓の外側に引きずり出された。

そのとき、確かに彼女の目に力が宿ったのを確認できた。

隷属紋が解除できた!?

そうだよ、今の体勢って私が上で羽を動かしているんだから鱗粉が降りかかってるよ!


私は力一杯に叫びました。

「あなたは自由です!魔法使いを殺してください!」


女性が頷くと、次の瞬間には体から爪が引き抜かれる痛みが走り、急に負荷がなくなったことで私の体は空へ向かって急上昇していきました。

眼下では犬人族の女性が部屋の中に身を翻していく姿が見えたかと思うと、すぐに男の断末魔の悲鳴があがった。


痛みに耐えながら高度を下げて窓から中に入ると、犬人族の女性が魔法使いらしい男に馬乗りになり、何度も何度も爪を突き立てていました。

私はニアの町のときの自分の姿を思い出し、胸が苦しくなりました。


急いで女性の背中に飛びついて伝えました。

「もう大丈夫だよ。バオーの町は開放されたの。もう怖い人間はいないよ。」

私の言葉に動きを止めた犬人族の女性は、荒い息を繰り返したあと、激しく泣き叫び始めました。

これまで、どんな辛い想いをしてきたのだろう。

人間に支配された経験のない私にはわからないから、知ったような慰めの言葉はかけられませんでした。

私ができるのは、ただ背中に温もりを伝えることだけでした。


彼女が落ち着くのを待っていると、頭に例の声が響きました。


(ミッション『バオーの町の開放』を達成しました。ミッション達成総数が3に達したため、オルフィーは進化可能です。また、ミッションクリア特典として、協力者4名を進化可能です。進化先を選択してください。)


そして、私の視界に透明な板のようなものが現れました。


オルフィー

魔蝶族オリジン→魔蝶族(女王)・虫の王


ドレミー

ドライアード→エルダードライアード・アルラウネ


ダルク

鬼神族(侍)→鬼神族(将軍)・鬼神


リタ

サキュバス→サキュバスクイーン・ヴァンパイア


フィズ

犬人族→犬人族(統率者)・牙狼族


ダルクさんの名前を見て、私は大変なことを思い出しました。

ダルクさんがこの部屋に到達してないってことは…。

私はダルクさんの安否を確認するため、勢いよく部屋を飛び出しました。


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