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第11話 作戦会議

私たちは応接室に戻って作戦会議を再開しました。

「魔王様の宮殿を取り戻して魔界樹様を助けられれば、隷属魔法は効果を失うはずだよね。そしたら魔界の住人をいっぺんに解放できるってことでしょ?」

私は最短での解決方法を意気揚々とみんなに提案しました。


「お嬢ちゃん、ちょっと落ち着け。宮殿は敵の本丸にあたるだろうから守りも手厚いだろう。今の戦力で攻めいるのは死ににいくようなもんだぜ。」

ダルクさんが冷静な意見で私をたしなめました。


「かといって、時間をかけているうちに、ニアの町が解放されたことに気づかれたら、魔界の住人同士で殺し合う展開にならないかしら?」

リタ姉ちゃんの心配していることも、もっともだと思います。


「まぁ、次にニアの町の収穫物回収に人間どもが来るのは2日後だからな。返り討ちにしたとしても、そいつらが戻らないなら気づかれるのはそう遠い話じゃないだろう。」

2日後には人間が来るのか…。あれ?

「ねぇねぇ、隷属魔法で支配されてる同胞じゃなくて、人間がわざわざ回収にくるの?」

私は頭に浮かんだ疑問をそのまま聞いてみました。


「支配した相手の逃亡を禁止しているのは、隷属魔法を行使した魔法使いがいる町を離れると命令の上書きができないという問題が生じるためだと思うの。それと、さっき破壊したような黒い水晶がカバーできる範囲に限界があるはずよ。街道まではカバーできないから、他の町に連れて行くことができないんじゃないかしら。」

リタ姉ちゃんが賢くみえる。

成体の儀のとき、果物をわけてくれなかったからケチなことは知ってたけど、賢いことは知らなかったよ。


「その予想であってそうだよね。魔法使いが一緒なら、魔界の住人も引き連れてくるかもしれないけど…。」

「魔界樹様の力が近づいてきたらわかるノ。」

ドレミーが話にちゃんとついてきていることに、ちょっと驚きました。


「ドレミーの能力で、魔法使いの居場所がわかるのか。これは有利だぜ、敵の大将をピンポイントで狙えるってわけだ。」

ダルクさんが厳しい顔を崩して嬉しそうにしています。


「じゃあさ、作戦を決める前に、進化してどんな力を得たか教えあおうよ。何ができるかわかれば、作戦もたてやすいでしょ?」

私にしては、いいこと言ったと思う。ダルクさんもウンウン頷いているし。

「そうね、そのほうがいいと思うわ。」

リタ姉ちゃんも賛成してくれたので、とっても嬉しい。


「じゃあ、まずは私ね。羽の大きさを変えられるようになったよ。大きくすれば自由に空も飛べちゃうの。あとね、鱗粉の効果も強くなってると思う。浄化と癒やしの両方とも強力だよ。」

実際に私の鱗粉は凄いのです。

「お嬢ちゃんの鱗粉は切り札だな、隷属紋も消せるし、黒い水晶も破壊できる。敵に気づかれたら真っ先に狙われるだろうが、必ず守り抜いてみせるぜ。」

なんか重要人物として扱われているみたいで気分が高揚します。


「ダルクさんはどんな感じなの?」

「そうだな、簡単に言えば身体能力全般が大きく向上した。鬼神族はもともと戦闘部族だからな、今の状態なら人間どもに遅れをとることはないはずだ。」

ふむふむ、生粋の強戦士って感じだね、頼もしいです。


「ドレミーは?」

「魔界樹様と通じ合えるノ。あと植物と一体化して動かせるノ。」

なんか渋い能力だなぁ。

死んじゃうけどマンドラ族の絶叫が強力だったから、パワーダウンかも…。


「それはいい能力ね。姿を隠せるし、一体化した植物によっては強力な武器になるわ。」

そうなの?リタ姉ちゃんがどんな想像をしているのかわからないけど、パワーダウンとか言わないでよかったぁ。頭悪い子だと思われそうだもん。


「リタ姉ちゃんは魔法が使えるんだよね、どんな魔法なの?」

「そうね、1つは男性を対象に生殖行為への衝動を異常に高めることができる魔法よ。もう1つは私が快楽を与えている間しか使えないけど強力な魅了効果を与える魔法ね。」


「やっぱりエッチな魔法だ…。」

メコリ! リタ姉ちゃんのパンチが私の脇腹にめり込みました。

すっごい痛い。リタ姉ちゃんの笑顔が引き攣っていて怖いんだけど…。


リタ姉ちゃんはコホンと咳払いすると、作戦を提案しました。

「ニアの町の開放が気づかれる前に、こちらの勢力を拡大する必要があると思うの。2日後に来る人間を魅了してしまえば、こちらの情報が人間側に漏れることはないし、利用して他の町に安全に潜入できるはずよ。」


「なるほどな。運び込まれる先はバオーの町だと聞いている。この辺りじゃ一番大きい町だし、住人だった犬人族を仲間にできれば、数も多いし統制もとれる部族だ。一気に戦力を拡大できるぞ。」

ダルクさんはリタ姉ちゃんの作戦に満足そうでしたが、私はリタ姉ちゃんがエッチな魔法を使うのを想像してしまい、顔が真っ赤になってしまいました。


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