表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【11/24・コミカライズ連載開始!】旅人のおっさん、自由気ままなスローライフを送りたいのに世界を救った真の英雄だとバレる  作者: 天池のぞむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/41

第12話 ブラックサーペント襲来


「この辺りからレミアナ水郷(すいごう)だな。メロ、強い魔物がいるかもって話だし、慎重に進もう」

「おっけー、あるじ」


 水の都アクセリスの宿屋――水神亭での騒ぎを聞きつけた後。


 俺とメロは、素材調達の討伐隊が行方不明になっているというレミアナ水郷へとやって来ていた。


「小さい川がたくさん。あっちの大きい川が宿屋のおっちゃんが言っていた場所だよね」

「ああ。エルメールさんによればあの河川沿いにある大樹の辺りがグリオフィッシュの出現場所……つまり、討伐隊の人たち向かった場所らしい」

「ふむふむ。それじゃあ、きっとあの遠くに見えるでっかい樹がそうだね」


 レミアナ水郷は大小様々な川が入り混じっている湿地帯だった。

 早く討伐隊の救助に向かいたいところだが、地面がぬかるんでいる上、所々に川があるせいで進みにくい。


 まもなく陽が落ちるということも考えればぐずぐずはしていられないだろう。


「これは厄介だな。早く先に進みたいのに」

「ふふん。あるじ、メロにいい考えがあるよ」

「ん? それは何だ……って、うぉおおおおおおおい!」


 振り返ると、メロが服を脱いでいた。


 いきなり何してるんだと言いかけたが、すぐにその意図を察する。


「よっと、変身かんりょー。ほらあるじ、乗って乗って」


 メロは人型から巨大な白狼へと姿を変えたのだ。


(なるほど。この姿のメロなら湿地帯も簡単に抜けられるか)


 俺はメロが脱ぎ捨てた服を回収して、その背にまたがる。


「それじゃ、行っくよー」

「お、おお……」


(すごいスピードだ。しっかり掴まっていないと風圧で飛ばされそうだな)


 ぬかるんだ地面もなんのそので、メロは川を飛び越えていく。


 最後に一番大きな川の中洲を経由して跳躍し、あっという間に目的としていた大樹の根元まで到着した。


「ふう。サンキューな、メロ」

「ふっふっふ。後でごほーび期待」

「はいはい」


 俺はメロの背から降りて、周囲の様子を窺う。

 この辺りに討伐隊がいるはずだが……。


「あれは……」


 俺は大樹の根元、洞穴(ほらあな)のようになっている箇所に目を向ける。


 そこには武装した兵たちがいた。


「おい! 大丈夫か!?」

「う……あ……。貴方は……?」


 何人かはうずくまり、そして何人かは横たわり。


 致命傷こそないようだったが、体の所々に負傷の痕が見えた。


「君たちがグリオフィッシュの討伐隊だな。エルメールさんから行方不明になっていると聞いて駆けつけたんだ」

「そ、そうですか……。それは、助かります」

「一体何があったんだ? いや、今はそれよりも無事帰還することが優先だな。メロ、皆を運べるか?」

「うん。このくらいの人数ならよゆー」


 俺はメロの言葉に頷き、討伐隊の兵たちをメロの背に運びこもうとする。


「ま、待って、ください……。ヤツが、きっと近くに……」

「ヤツ?」


 背負った兵が何かを言いかけ、俺は問いかけようとする。


 と、その時だった――。


「あるじ……! 後ろっ!」

「――っ」


 メロの声で咄嗟にその場を離れる。


 直後、河川から巨大な影が現れ、凄まじい轟音とともに俺の元いた場所を通過していった。


「コイツは……」


 振り返ると地面や大樹の根がえぐられている。


 幸いにも負傷していた兵たちには当たらなかったようだが、相当な質量を持った何かが襲ってきたのだと分かった。


「あるじ、あれって……」

「ああ、これは面倒なことになったな」


 俺たちを強襲してきたのは黒く、巨大な蛇の形をした魔物――ブラックサーペントだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

本作のコミカライズ連載が開始しました!
漫画ならではの面白さやキャラクターたちのカッコ良い&可愛いが詰まっておりますので、WEB版をご覧の方もぜひお楽しみください!
※画像を押すとコミカライズ連載ページに移動します。無料でお読みいただけます!

旅人のおっさん、自由気ままなスローライフを送りたいのに世界を救った真の英雄だとバレる





⇧の☆☆☆☆☆評価欄をポチっと押していただけると作者への応援になります!

執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ