よく言われた記憶
「いいかい?闇、宮、人はね、一人では生きていけない。一人では心の病気は治せない。私は君達を愛している。いつか二人にこの思いが届いてほしいと願っているよ」
優しい男性らしい手で抱きしめられる。
冷えた心が少し暖かくなった気がしたんだ。
「闇、宮、君達は愛されている、そんな残酷にならなくても君を見てくれているよ」
ガシャガシャと心の檻をノックされる。
"本当の親じゃ無いのに、よく言うわ"
「なんてよく言われたなぁー」
「そうだね、宮。私達はまだ気を許したことがないけどーうん・・・・・。というよりさ・・・・」
目をキャンバスから目を逸らしボソッと
「心の底から拒否してるんだ」
二人はそれぞれの作品を作っている。
闇は、トマトに包丁が上手くど真ん中に刺さった絵を描いている。一体彼女はどんな気持ちなのだろう?
複雑に絡まってしまってほどけないのではないかと
あの人は思っているだろう。
宮は、相変わらず、隠しもしない思いを取り入れている。
二人の心は、簡単には変わらない。
神経質で産まれたから、こんな辛い今があるのか?
産まれてこなければ、苦しむことは無かった。
自分の非を認めすぎて辛くなる。
自分ではどうする事も出来ない。
結局は産まれた時から決まっているのがこの世のセツリダ。
「闇、闇!新しい曲作ったんで聞いてください!」
「宮!私も描いたから見てよ!」
二人で作品を見せ合い、クリエイター同士が笑い合う。
闇と宮は血の繋がった姉妹ではないけれど、意見が合う、唯一の気が許せる仲間。
二人で意見を交換した後で、曲とイラストをそれぞれ投稿サイトに投稿して楽しむのが良い日なんだと思う。
二人で話して二人でクリエイター。
そんな日が続くといいな。