第89話 打ち上げからの……
先輩冒険者達との打ち上げ!
そして、セリカが……。
ギルドマスターであるカルヴァリオさんのお願いでベトカルブと言う街に赴いて欲しいと言うクエストを受ける流れになった。
ふとしたきっかけでBランクパーティーの【ブリリアントロード】を率いるウィーネスさんを筆頭にしばらく修行や行動を共にする事となった。
「確認しました。こちらがクエスト達成の報酬でございます」
「ありがとう!」
夕方に差し掛かる時刻にて、ウィーネスさんは馴染みの受付嬢であるナミネさんにクエスト完了の手続きを済ませて報酬を受け取っている。
「お待たせ!ハイ!これが【トラストフォース】の分ね!」
「ありがとうございます!」
「良いって良いって!今回のコロニー殲滅で色々と助かったし、修行の成果も見れたしで、アタシ達にとっても有意義だったからさ!」
俺達はティリルから少し離れた町村付近で発生したモンスターのコロニー殲滅のクエストを引き受け、完了させてきた。
その内容は“ゴブリンジェネラル”筆頭の大規模コロニーの殲滅クエストだ。
“ゴブリンナイト”の上位種であるレア度Cのモンスターであり、その下位種である“ゴブリンソルジャー”や“ゴブリンポーン”を含めると200体は優に超えていた。
B~Cランク向けのクエストであるが、数も数なので今回はウィーネスさん達とアライアンスを組んで臨んだ。
結果は大勝利でクエストを達成した。
ウィーネスさん達に修行を付けてもらったのもあって、“ゴブリンソルジャー”や“ゴブリンポーン”くらいならばほぼ無傷で倒せるようになり、“ゴブリンナイト”もエレーナの【支援魔法】や【付与魔法】によるサポートを少しだけしてくれたのもあって、単身で勝てるようにもなった。
ウィーネスさん達【ブリリアントロード】組も鮮やかな連携やBランクに恥じない実力で殲滅していった。
残ったコロニーのボスである“ゴブリンジェネラル”との戦いは【トラストフォース】組が担い、修行の成果を発揮するように立ち回り、最後はセリカがウィーネスさんとの稽古で見せた技によって倒す事ができた。
「「「「「「「「「乾杯~!」」」」」」」」」
「う~ん!クエスト終わりのエールは最高ね~!セリカ!」
「そうですね!そして一緒に食べる唐揚げやフライドポテトがあれば更に美味しいです!」
「それにしても、“オーガジェネラル”を倒すなんてやるじゃないか!」
「ありがとうございます。エレーナのサポートやクルスのフォロー、ミレイユの魔法にセリカの剣術あっての事ですよ」
「わたくしは【付与魔法】や【支援魔法】で助けただけですよ!」
「僕は皆が戦いやすいように立ち回っただけですよ!」
「習得したばかりの【爆破魔法】で殲滅や露払いをしただけです!」
「それがあったからクエストを達成できたんだよ!」
俺達はウィーネスさん達とギルド飯を楽しんでいた。
出向いたクエストについて振り返りながら酒を飲み交わしており、特にウィーネスさんはセリカと意気揚々な様子だ。
酔いやウィーネスさんが隣にいるのもあってか、セリカはいつも以上に陽気だった。
セリカにとってウィーネスさんは憧れの冒険者であると同時に、姉妹のように仲良しなのもあって、楽しくてしょうがないのだろう。
それから一時間半ほど飲み明かした。
「じゃ!その【ノーブルウィング】の皆様と合流してベカトルブに赴くクエスト。頑張ってね!応援してるから!」
「ありがとうございます。ベストを尽くしていきます!」
俺達はウィーネスさん達と別れて拠点にしている邸宅へと戻って行った。
クルスがミレイユを、俺がセリカを介抱する形でだ……。
「にしてもウィーネスさん。かなり酒飲んだはずなのにあんまり変わんないよな……。ミレイユはもちろんセリカもいつになくベロンベロンな気がするし……」
「ウィーネスさんは酒豪で有名なんですよ~。なんでもクエストで赴いた先の酒場でウィーネスさんを口説き落とそうとしてきた無礼な男にお酒を引っ掛けられても、お持ち帰りされるどころか悉く返り討ちにしたって話ですから~」
「なるほどね……」
(セリカもミレイユに負けないくらい酔ってるな……。いつもはほろ酔い程度だったのに?)
確かに別れ際で見たウィーネスさん、一番飲んでいるはずなのに少し顔が赤い程度で済んでおり、酔っぱらっている様子はほとんど無かった。
リエナさんがほろ酔い気味だったところをバダックさんが介抱していたな……。
「にしてもエレーナだって以外と変わっていない感じだね……。お酒好きなの?」
「はい……。ワインやカクテルを含めたお酒はよく嗜んでいる方なので……。エールも飲めちゃいますよ!」
「エレーナも酒に強いんだね」
「お酒に飲まれないようにするのも淑女のたしなみです!」
流石はエレーナってところだ……。
いつもは悪酔いする確率の高いミレイユを介抱しているセリカだが、今の彼女はものの見事に酩酊状態だ。
それから邸宅に辿り着いた。
俺とクルスは飲み水を用意したうえでセリカとミレイユが使用している個室へと運んだ。
俺達が普段使用している部屋は3人宿泊できる格安の宿屋の一室程度の広さであり、一人で過ごすには充分な広さだ。
エレーナの個室は父であるロミック様の計らいか、俺達が使う個室の倍くらいはある。
そして俺はセリカを彼女の部屋まで運んだ。
「セリカ大丈夫か?少し落ち着いたらシャワーだけでも浴びよう。な……?」
「……」
(これはもう少しお水を飲ませて落ち着いてからの方がいいな……)
「じゃあ、俺は先にシャワー浴びてくる……」
セリカはベッドに座ったままボーっとしている。
そう言って俺は部屋を出ようとした……。
「!?」
「ンフフフ……」
瞬間、セリカが両手で俺の左腕を掴んできており、どこか妖しい微笑みが聞こえた。
「トー~マ~さ~ん~……」
「!!??」
俺は何故か、恐る恐るその声がする方へと目をやると……。
「ふへへへ……」
「セ、セリカ……?」
顔を赤らめながら、いつになく艶やかな雰囲気を醸し出しているセリカだった。
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