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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第二章 新たな仲間とダンジョン攻略

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第83話 新たな拠点

新たな拠点ができました!


ロミック様主催の選考会が行われると知って参加した俺達。

その選考結果は俺達【トラストフォース】に加わる事になり、ハイレンド伯爵家のご令嬢にして、『付与術士』のギフトを授かったエレーナをパーティーの一員として迎え入れる流れになった。


ティリルのとある住宅街——————


「「「「……」」」」

「あの、エレーナ……」

「ハイ!ここが【トラストフォース】の主な拠点となります!」


意気揚々と応えるエレーナをよそに、、俺とセリカ、ミレイユとクルスは固まった。

目の前には最近できたのが分かるくらいに清潔でがっしりした2階建てのレンガ造りをしている建物があった。

それはロミック様が不動産として持っている土地の中で建っている場所であり、俺達の今後の拠点となるとの話だ。

だからこそ、急転直下の如き勢いでこんな状況になっている事に置いてけぼり気味だ。


「拠点を提供してくれるのはありがたいんだけど……、いいのかな?」

「ハイ!冒険者であるならば腰を据えておく場所も必要だとお父様から提供していただけたのです!」

((((親バカか~~!?))))

「では皆さん!入りましょう!」


ロミック様のエレーナへの親バカとも娘想いとも取れるようなサプライズに俺達は驚くしかなかった。

エレーナに促されるままに提供してくれた建物の中に入っていく。


「うわ~~。凄い~~!」

「広いし綺麗~!」

「ダイニングキッチンもある!」

「二回には皆様の個室がございますよ!余り広い方ではないのですが……」

「いやいやいやいや充分充分!」


白を基調にしたシンプルながらも清潔感と癒しを感じさせるような空間が俺達の目の前に飛び込んで来た。

5人は座れるL字型のソファーに8人は座れるテーブルと椅子に開放感を感じさせるダイニングキッチンまで付いており、加えてメイドや従者数名も常駐しているとの事だ。

加えてロミック様お抱えの護衛が誰かしらローテーションで付く事になっており、警備にも力を入れている様子だ。

お風呂もシャワー付きかつ2人まで足を伸ばしてもどうにか入れる広さと充実したアメニティもあるから、本当に素晴らしい限りだ。


「個室を見てきたけど、どうだった?」

「私が普段寝ている寝室の倍近くの広さでしたよ!」

「ベッドはふかふかでした!」

「普通に過ごすには本当に居心地が良いですね!」

「俺も同じ気持ちさ!エレーナには本当に感謝しているよ!拠点をいただけるのはありがたいけど……。ただ……」

「私は今、トーマさんや皆と同じ事を考えている気がするんですよね~」

「セリカに同じく!」

「ミレイユに同じく!」


((((ちょっと贅沢すぎる気がして申し訳ない~~!))))


おまけに、俺とセリカ、クルスにはそれぞれのサイズや形が異なるミスリルの胸当てを、ミレイユにはそれを織り交ぜたケープまで支給してもらえた。

俺達は嬉しく思いながらもどこか負い目を感じるのだった。

それぞれの荷造りを終えたその夕飯———————


「いただきます!」

「「「「いただきます……」」」」


シェフ並みの腕を持つメイドさんの手料理で食事を味わったが、お金持ちのセレブならではの食器もあってか、普段と比べるのも抵抗を感じそうなくらいに豪華だった。

冒険者を志してスタートを切っているものの、貴族令嬢育ちのエレーナとしてはズレているのかと思わざるを得なかった。

ロミック様のカントリーハウスでいただいた食事と比べればカジュアルであるのを加味してもだ……。


「エレーナがこんなに立派な別邸ならぬ拠点を用意するなんて、思いもよらなかったわね」

「本当にそうよね……。そう言えば前まで拠点にしていたセリカが住んでいた家屋って、ロミック様お抱えの騎士団や従者の仮住まいとして扱われるんだっけ?」

「うん。清潔で丁寧に使う事を約束してくれたし、信用はしている……」


食事を終えた後、拠点となった住居のお風呂にセリカとミレイユが入っていた。

エレーナと出会う前に住まいとして使っていた家屋もといセリカの家だが、荷造りを終えた後にハイレンド伯爵家お抱えの護衛達の仮住まいとして使われる流れになった。

エレーナやロミック様から「適当な扱いをしていたら処罰を与えたうえで対処するから安心して欲しい」と言われたが、ありがたくも申し訳ない気持ちが出てきそうだった。

もちろん、セリカにとって思い出深い持ち物は全て持ち込み、必要以上に家屋をいじらないようにさせるとの意向を確認したのもあって、この判断を受け入れた。


「にしても、私から見れば豪華すぎる拠点をくれちゃうのは本当に感謝だけど、それはそれでプレッシャー抱きそうだって私は思うのよね~。セリカはどう思う?」

「私もエレーナを仲間に引き入れて、同じ冒険者仲間として共に頑張りたい気持ちに嘘はないよ……。でも、ここまで良くしてくれたは良くしてくれたで、ねぇ……」

「だよねぇえ……」


セリカもミレイユもエレーナを仲間として迎え入れたい気持ちは本心からであり、日々の生活についても考えていたものの、まさか想像以上に立派で快適な活動拠点をいただけるなんて夢にも思っておらずそれが現実となっただけに申し訳ない気持ちを抱いていた。


「あら、わたくしの事を典型的なお嬢様育ちとお思いなのですね……」

「「え……?」」


引き戸を開ける音が聞こえた方向へ振り向いたセリカとミレイユの目に飛び込んだのは、バスタオル一枚のエレーナだった。


「わたくしもよろしいでしょうか……?」

「は、はい……」

「どうぞ……」

「失礼します……」


エレーナは許可を貰うと風呂場に入っていき、身体を洗い始めていた。

大事な部分はタオルで隠れているものの、透き通るような白い肌に長く伸びた栗色のロングヘアーが絡んだその振る舞いに、セリカとミレイユは羨ましそうに見るしかなかった。

要所でエレーナが「何かございますか?」と確認したが、二人はその度にトギマキしながら否定するしかなかった。


「ふぅう……。セリカ、ミレイユ、湯加減はいかがかしら……?」

「え……?凄く良きかな……って感じ……」

「リラックスできちゃってるかな……」

「……」


セリカとミレイユは思わず畏まりながらも砕けた口調を貫こうとしたが、やはりぎこちない振る舞いを隠し切れなかった。


「その様子ですと、まだ受け入れきれていない感じですね……。わたくしを……」

「「……!?」」


エレーナの言葉に二人はやましさを交えたような反応を隠し切れなかった。

芯を喰ったような意見を発現しては反応されても全く冷静さや強かさを失わない辺り、流石は貴族令嬢と言ったところか……。


「確かにわたくしはハイレンド伯爵家の令嬢ですわ。セリカとミレイユが気を遣うのも無理もないのは最初から分かっていることです。ですが、今のわたくしはどこにでもいる一人の冒険者、エレーナ・ハイレンドなのです!対等に向き合って欲しいのが今のわたくしの紛れもない本心なのです!」

「エレーナ……」


エレーナはハッキリと自分の本心を言い切っていた。

今住まわせてもらっている建物も、エレーナの父であるロミック様から提供されたモノであり、最初は断ったものの、親心を受け入れる形で決まった。

本当は安宿を転々とする事も、野宿する事も辞さないと伝えたが、尚更だと押し退けられてしまったようだ。


「この先クエストに出る時、例え長旅になるような事があろうと……。険しい山や洞窟が待ち構えていようとも……。強力なモンスターが待っていようとも……。わたくしは皆様と同じ道を進んでいきます!」

「「……」」


エレーナの決心を聞いて、セリカとミレイユは「エレーナの冒険者として頑張りたい気持ちは本物であると……」確信したように聞いていた。


「私からもいいかな……?」

「私も同じく……」

「はい!」


セリカとミレイユは改まった表情でエレーナと向き合った。


「エレーナ……。これからよろしくね!私が色んな場所に連れて行ってあげる!」

「一緒に頑張って行こう!」

「セリカさん……。ミレイユさん……。ハイ!よろしくお願いします!」


こうして三人の冒険者女子達は、裸の付き合いを通して打ち解け合うのだった。

その夜、エレーナはセリカとミレイユが寝間着姿でペチャクチャとガールズトークをしまくって翌日寝不足気味になってしまったのはここだけの話だ……。


「ふう~、まさかこんなに広い風呂付きの家屋に住まわしてもらえるなんてな~」

「そうですね。何か申し訳ない気もしてきましたね」


女子3人のお風呂の次に俺とクルスが湯船に浸かっている。

この前にセリカやミレイユから「好きに使っていいって許可もらえました」や「存分に味わって下さいってエレーナが言ってました」と聞いているが、まだ少し抵抗を感じる。


「でも、ネガティブな事ばかりでもないぜ」

「え?」

「エレーナやロミック様達からここまでバックアップされたら、ここまでしていただけたのなら、もっと頑張らなきゃいけない気にもなるな!それに、何か本当の意味で冒険者パーティーができたって気がしてならねぇんだ!」

「トーマさん……」

「エレーナだけじゃない!クルスもミレイユも、そしてセリカとも……。俺達全員で強くなっていく!だから……」


俺は気を高鳴らせながら語り、クルスはじっと見ている。


「これからも一緒に色んな所へ冒険行こうぜ!」

「トーマさん……。ハイ!一度は諦めかけた冒険者の道をあなたによって救われました!このクルス・ロッケル!どこまでも付いていきます!」

「嬉しい事言うな~、お前は!」


俺はクルスと男同士の裸の付き合いをしながら、気持ちを新たにするのだった。



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