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第236話 王族のおもてなし

お城の中でおもてなしを受けます!

晴れてBランク冒険者へと昇格する事になった俺達【トラストフォース】。

いつもの冒険者生活を送る中、ビュレガンセ王国騎士団東方支部のトップであるナターシャさんらと共にビュレガンセ王国第二王女のリリーネ・デュ・ビュレガンセ様を護衛し、王都ファランテスまで辿り着いた。

何とビュレガンセ王国を治める女王陛下であるアイリーン・デュ・ビュレガンセ様と謁見する機会を得ただけでなく、宴席にまで招待される事となった。


「「な……?」」

((何じゃこりゃ~~~~!?))

「トーマさんとクルスさんにはこちらの二人部屋のお部屋を使っていただきたく思います。必要な物がございましたら、近くのメイドや従者にお伝え下さい。ご用意させますので……」

「あ、ありがとうございます……」

(二人部屋にしても広すぎだろ!)


リリーネ様に案内された部屋は男二人で過ごすには広すぎて、何ならもう二人くらい入っても全く窮屈に感じさせないくらいだった。

ベッドもフカフカであり、椅子もテーブルも金をかけているのが一目で分かってしまうくらいの高級品を用いている。

掃除や手入れの行き届いた清潔感もあって、居心地も抜群であり、高級ホテルの一室にでも入っているような気分だ。

そりゃお城だからね。

セリカはミレイユとエレーナの3人部屋で泊まる事になり、ナターシャさんは個室に招待された。


「まさか、泊めていただける事になるなんてな……」

「本当にビックリです。リリーネ様をお城まで守ったら帰るつもりだっただけに、今はただ驚くしかないですよ」


俺はクルスと一緒に今の状況に置かれている事について話し合っていた。

リリーネ様を護衛している道中でモンスターに襲われるトラブルはあったものの、無事に守り切り、安全を確保できたら王都の宿にでも泊まってティリルへ戻るつもりだった。

だが、直々にお礼を言っていただけたばかりか、女王陛下であるアイリーン様と謁見する機会を貰い、宴席にまでご招待されるとは思ってもなかった。

強力なモンスターと向き合った時とは異質な緊張感も抱いてはいる。

だが、同時に嬉しさとワクワクを抱いている自分もいる。

思わぬ形とは言え、この世界に来て初めて、ファンタジーではド定番なお城の中に入る事が叶ったのだから。


———————————————

「凄い部屋だね」

「3人部屋とは言え、広くて清潔だ」

「やはり王宮内は客室一つを取っても、スケールやクオリティが違いますね……」


セリカ達も俺やクルスと同じような反応をしている。

セリカとミレイユは戸惑っている様相だが、エレーナは二人と比べれば手慣れた感じだ。

こう言うところで華やかな空間における経験の差が現れるものだと思う。

実際、内装や清潔感も俺とクルスが泊まる部屋とは大差ないものの、その分一回り以上の広さがある。

本当にお城って凄いなと思うしかない。


「エレーナの実家の部屋って、この部屋と同じくらいだったりする?」

「はい。これくらいはありますね。ただ、わたくしのお部屋の話であって、客人を宿泊させる時のお部屋はその半分あるかどうかくらいですよ」

「そうなんだ」


エレーナはセリカの質問に対し、あっけらかんと答えた。


「それがこのお城の中にいくつもあるって事よね?それを考えたら、王族が公爵以下の貴族と一線を画しているってのが何となく分かってきたよ。建物や内装だけを見ればの話だけどさ……。ははは……」


ミレイユも乾いたような笑みを零している。

ちょっと前までは貴族社会とは無縁だったのに、今では王女や女王陛下に王宮の中にご招待と、非現実的な出来事が数日であれよあれよと経験する事になっているのだから。

到底手が届かないだろう世界の一端を肌で感じ、その空間の中に現在進行形で身を置いているのだが、余りに贅沢なものだから却って緊張するのも当然だ。


「でも、ベッドがフカフカで気持ちいい。寝ちゃいそう」

「流石は王宮ね。家具も全部が一級品だし……」


少し慣れてきたのか、セリカとミレイユもリラックスし始めてきた。

エレーナは用意された紅茶やお茶菓子を普通に嗜んでおり、こちらは平常運転だ。

それから数時間が過ぎ、ノックの音がした。


「はい?」

「失礼します。セリカ様。ミレイユ様。エレーナ様。宴席のご用意ができました。会場までご案内いたします。トーマ様やクルス様、ナターシャ様達も向かわれています」

「あ、ありがとうございます」


扉を開けたのは一人のメイドさんであり、宴席の準備が完了した事を伝えてくれた。

それから案内される形で廊下を歩いていき、俺達は合流した。

そして、宴が始まり……。


「「美味い~~!」」

「本当に絶品だわ!」

「最高!」

「最高品質のヒレ肉ですね」

「やはり王宮で振舞われる料理は格が違うと言うモノだな」


宴席が開かれた部屋は謁見の間と比べれば少し狭く質素なインテリアだが、長いテーブルと数十脚の椅子が置かれており、天井にはシャンデリアが付けられていると言うこれまた華やかなインテリアだ。

女王様はささやかなものと仰っていたけど、テーブルの上には見たこともない豪華な料理がずらりと並べられており、一本いくらするのか分からないような高級ワインに季節のフルーツ、そこにケーキや焼き菓子などのデザートも用意されていた。

俺達も親交のある貴族であるチェルシア様やエレーナの父であるロミック様の屋敷で豪華な料理を味わった事があるものの、それらを大きく凌駕している。

これをささやかだと言ってのけるなら、大盤振る舞いの宴となったらどれほどのスケールや絢爛さになるのか想像が付かない。

だが、料理は本当に美味しいので、舌鼓を打ちながらいただいた。

はしたないと思われないようにした上でだけどね。

一方、エレーナとナターシャさんは優雅に食べている。

貴族出身のエレーナはともかく、東方支部の隊長であるナターシャさんも振る舞いも丁寧で品の良さを感じさせる。

育ちが良いのか、騎士として礼儀正しい振る舞いを心掛けているのか、あるいは両方かな?


「お楽しみいただけていますか?」

「アイリーン様。リリーネ様。っと……」


声を掛けられて振り返ると、そこにはアイリーン様とリリーネ様の他にもう一人の女性がいる。


「トーマさん達にもご紹介しておきたく思い、お連れしました」


俺達は前に出る女性を見て、背筋も自然と伸びた。

胸辺りまで伸びた青味がかかった白銀色の髪をハーフアップに纏め、引き込まれるような緑が混じった紺碧色の大きな瞳と白い陶磁器のように透き通った肌をしている美しい女性だ。

身を包むドレスは水色を基調にしつつも、リリーネ様がお召しになっている物に負けないくらいかそれ以上の華やかさを感じさせる刺繍やデザインが施されている。

その女性の名は……。


「わたくしはビュレガンセ王国第一王女。ミーシャ・デュ・ビュレガンセと申します。この度は妹であるリリーネをお守りするために力を尽くしていただきまして、誠にありがとうございます。心よりお礼を申し上げます」


ビュレガンセ王国の第一王女であり、アイリーン様の娘であり、リリーネ様の姉である……。ミーシャ・デュ・ビュレガンセ様その人である。


ヤバイ……ロマンが止まらなくなってきた……。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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