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第227話 躍進を知った者達

トーマ達と面識のある冒険者や騎士達が登場します!

いつもの冒険者生活を送る中、Bランクの昇格を懸けたクエストに挑んで成功し、俺達【トラストフォース】は晴れてBランク冒険者へと昇格する事になった。


ある日、俺達は自分の近況を綴ったお手紙を見知った人物の皆様に送った。

その内容は主に、俺達がBランクパーティーに上がった事だ。


———————————————

イントミス・冒険者ギルド【ベスズプレイフル】


「そう。あのトーマ達がBランクに上がるとは……。あの子達には才能があると思っていたけど、見込み通りだったわね……」


執務室らしき場所で一人の女性が一通の手紙に目を通していたのは、イントミスを拠点としている冒険者ギルド【ベスズプレイフル】のギルドマスターであるルチアーノさんだ。

ルチアーノさん達とはイントミスに蔓延しようとしていた闇ギルド問題に対して共に取り組んだ間柄だ。

彼女やギルドに所属している冒険者達の協力もあって、解決に導けた。


「となると、【アテナズスピリッツ】にはBランクパーティーを5組も抱えているって事になるわね……。妬いちゃいそうになるじゃない。カルヴァリオ……」


手紙を見終えたルチアーノさんは羨望と恍惚感が入り混じったようだったが、まあ、嬉しそうって事だな。


———————————————

ベカトルブ・冒険者ギルド【アンビシャノブアレス】


「ほう。あの【トラストフォース】がBランクパーティーになるとは……。やるじゃねぇか」


こちらも執務室らしき場所で葉巻を吸い、一通の手紙を見ながらハッと笑っているのは、ベカトルブを拠点としている冒険者ギルド【アンビシャノブアレス】のギルドマスターであるヴァラガンさんだ。

【アンビシャノブアレス】に所属するAランクパーティー【飢狼団】のガイキさんらと共に、ベカトルブ近辺で発見されたダンジョン攻略に挑戦し、成功した。

俺が使っている“ヴァラミティーム”もその最奥で見つかった。


「ガイキ達から聞いていた以上のポテンシャルを持っていたか、弛まぬ努力を惜しまなかったか、あるいはその両方か……。何にしても、トーマ達もBランクか……。こりゃウチも負けてられねえな!」


ヴァラガンさんには焦りや嫉妬の色は無く、むしろ燃えるように熱くも剛毅な表情が張り付いていた。


「よし!偶には俺からギルドの冒険者達を揉んでみるか!」


そう言って勢いよく立ち上がるヴァラガンさんだった。


———————————————

ウェシロス・冒険者ギルド【ティア―オブテティス】


「あのトーマ達がBランクまで駆け上がるとは……。彼等のポテンシャルは、やはり本物だったって事かしらね……」


とある一室で6人の女性が座っており、一人はウェシロスを拠点にしている冒険者ギルド【ティア―オブテティス】のギルドマスターであるヒルダさんだ。


「あの“ゴーレム”の改造手術を施した“メガオーク”を倒して見せた方達です。遅かれ早かれ、Bランクには辿り着ける才能やポテンシャルはあるって事ですよ」


穏やかな笑顔を見せているのは、【ティア―オブテティス】に所属し、Aランクパーティー【ヴァルキリアス】のリーダー格であるミリアさんだ。

そこには同メンバーであるライラさん、ターニャさん、メロさん、フォネさんもいる。

どうやら任せようとする仕事に関係する話をしていたようだが、その中で俺達の話題が出て、それで盛り上がっていたようだ。


「トーマ達がいなかったら、ウェシロスで蔓延っていた暗部も放置したまま大きくなって、取り返しのつかない事態になっていただけにね」

「改めて振り返ってみると、見どころがある連中だって思ってたんだよね。腐敗した連中とは言え、貴族や騎士団に手を出すような事していた輩を相手にしてたんだからさ!」

「うん、並みの度胸や才覚ではできないと思う」

「それだけ凄い事だよ」


ライラさんとターニャさん、メロさんとフォネさんは当時の事件を振り返りながら、その功績を認めているようだった。


「益々目が離せなくなりそうね。【アテナズスピリッツ】の冒険者達を……。特にトーマやウィーネス達は……」

「えぇ。気にせずにはいられなくなりそうですよ……」


そう言うヒルダさんやミリアさん達の表情は、追い付いてくる事をどことなく楽しみにしている様相だった。


———————————————

ウェシロス・ビュレガンセ王国騎士団西方支部—————


「帰ったぞ」

「お疲れ様です。隊長。副隊長」

「「「「「お疲れ様です!」」」」」

「変わった事は無かったか?」

「はい!問題ございません!」

「ならば良い」


エルヴォス・ブレドラン。

ウェシロスに根差しているビュレガンセ王国騎士団西方支部の隊長を務めている。

側にいる女性は副隊長のシモーヌ・フィオンさんだ。

王都ファランテスにある騎士団本部で用事があったために出向いていたが、その仕事を終えて戻って来た。

エルヴォスさんはウェシロスで広がろうとしていた騎士団の腐敗、貴族や商会の癒着や不正を撲滅するために力強く動いてくれた。

西方支部の前隊長であり、騎士団の腐敗の象徴であり、解任されたノージンの後任として、現隊長に就く事となった。

空いた副隊長のポジションにはエルヴォスさんの右腕であるシモーヌさんが務める事となった。


「ふぅ……」

「隊長、お茶です」

「おぉ、すまない」


執務室にドカッと座るエルヴォスさんにシモーヌさんは暖かい紅茶を提供した。

エルヴォスさんが少し息をつけながら、届いている手紙に目を通した後……。


「シモーヌ。以前に協力してくれた冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】に所属しているCランクパーティーだった【トラストフォース】の面々だが……」

「はい?」

(Cランクパーティーだった?って……まさか……?)

「彼等、Bランクへと昇格したようだぞ」

「本当ですか?」

「あぁ。それを伝える手紙が届いていた」


エルヴォスさんがシモーヌさんに伝えると、彼女は驚きながらその手紙を受け取った。

読み進めたシモーヌさんは驚きと感動が入り混じったような姿を見せていった。


「あのトーマ殿達が……。自分の事のように嬉しく存じます」

「そうだな。彼等の芳しい活躍を知ると、つい誇らしく感じてしまう自分がいるよ」

「と、申しますと……?」

「あの時、力を貸して欲しいと願い出た相手がトーマ殿達で本当に良かったと……。改めて思わせてくれる……」


俺達がウェシロスを訪れた当時、ビュレガンセ王国騎士団西方支部は貴族との不正や癒着を始めとする腐敗が進んでおり、エルヴォスさんはその現状を心から嘆いていた。

そんな中でエルヴォスさんは冒険者達が行方不明になる事件が続いている事の調査に動いた俺達と接触し、初めて接点を持った。

それをきっかけに、西方支部の腐敗の象徴だったノージンを失脚させ、事件の解決へと導く大きな一助となった。

後に副隊長だったエルヴォスさんが隊長に。部下の中でも能力や統率力があるシモーヌさんが副隊長に収まる事となった。

それからはウェシロスを中心に、エルヴォスさんを筆頭に周辺の町や村の治安維持に努めている。


「隊長が希望を込めて協力を求め、事件の解決に導いた方々達ですからね。【アテナズスピリッツ】の冒険者達は、強く優しい方々が多くいるのでしょうね」

「そうかもしれないな。だが、トーマ殿達やウィーネス殿達は私から見れば、事件の解決に貢献してくれたと同時に、西方支部の立て直しのきっかけをくれた恩人達でもある。彼等がいたとしても、実際に出会えなければ、腐敗したままだったのもまた事実だ。だからこそ、感謝と敬意を忘れてはならないと思っている」

「隊長……」


そう言うエルヴォスさんの表情には、哀愁と誠意が入り混じっているようだった。


「何にしても、トーマ殿が更なる高みへと踏み込み、精進する意志を見せているのだ。我々も負けてはおれんな!」

「はい!私も努力していく所存です!」

「頼もしいな……」

「もしもお時間があれば、稽古にお付き合いしてもよろしいでしょうか?」

「構わんよ」


エルヴォスさんとシモーヌさんも、俺達の近況を知って喜びながらも、自分達も向上心を持って日々を生きていこうと決意を新たにしているのだった。


———————————————

そして、現在の俺達—————


「ここがビュレガンセ王国騎士団東方支部の拠点か……」

「私もこうして赴くのは初めてですね……」


俺達は今、【アテナズスピリッツ】からほど近く、ティリルを拠点にしているビュレガンセ王国騎士団東方支部に赴いている。


とある目的のために……。

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