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第223話 清風の宝剣を振るって……

明けましておめでとうございます!

今後ともよろしくお願い申し上げます!

いつもの冒険者生活を送る中、【アテナズスピリッツ】のギルドマスターであるカルヴァリオさんからBランクの昇格を懸けたクエストに挑む事を進言され、受け入れた。

森林型のダンジョン攻略に挑む事となり、ダンジョンのボスモンスターである“レッドブルーバイコーン”と激しい戦闘の末に俺達は勝利し、ダンジョン攻略を成し遂げ、晴れてBランクへと昇格となった。


「ふう……。今日は食って飲んだで……楽しかったな……」


俺達はBランク冒険者に昇格した。

それをお祝いするための宴席をギルドで開いてもらえる事になり、盛大に盛り上がった。

Bランクパーティーの面々も参加してくれて、俺達の事を誇らしいと思いながら褒め称えてくれた。


「でも、ちょっと疲れたな……」


その時はお酒が回っていて、もてなす雰囲気を受け入れていたのもあって楽しく過ごせたものの、いざ帰ってベッドに座ると、疲労感がドッと襲ってきた。

アドレナリンと言うのかな……。凄いような、恐いような気がしてくると感じた俺だったのだ。

しばらくベッドで横になっていた時だった。


「トーマさん」

「ん?」


少し楽になったところで誰かが声を掛けてきて、身体を起こしてその方角を見やると、セリカが立っていた。

既に寝間着であるセリカだが、その手には“シルフェリオス”が握られている。

表情から見るに、何か思っているところがあるな……。


「ちょっとだけ……。お話しできませんか……?」

「え?あぁ……。大丈夫だよ」

(セリカも大分酒が残っているよな……)


緩さはありつつも、ノースリーブとハーフパンツみたいな形なだけに、今のセリカはガードが緩いと言ってもよかった。

向き合う相手が俺じゃなかったら、どうなっていた事やらって話だ。

それからセリカはベッドに腰掛けた。


「今日は、お疲れ様でしたね」

「あぁ……」

「ミレイユはともかくでしたけど、クルスも珍しく飲んでましたね」

「あぁ。レミーさんや他の『シーフ』達からも引っ張りだこみたいな状況だったっけ……」


因みにエレーナはクルスとミレイユの介抱中だ。


「トーマさん……。これ……」

「“シルフェリオス”か……」

「何だか。トーマさんの“ヴァラミティーム”みたいな、私だけの武具が手に入ったような気がして、今も感情が揺さぶられそうになってるんですよ……。私以外の他の【軽戦士】の方々にも“シルフェリオス”を見せたら、凄い興奮してましたよ」

「やっぱり【軽戦士】のギフト持ちには反応したか?」

「しましたね……」

「やっぱりギフトに関係していたか」


セリカによると、【軽戦士】のギフトを持った人物に握らせてみたところ、淡い光を発しており、それ以外の場合は全く反応を示さなかったとの事だ。

予想していた通り、ギフトに関係しているのは改めて分かった。

凝視すればするほど興味が湧いて来る。


「何か……。特別感があってワクワクしてきそうだな」

「えぇ。これを振るうのが楽しみになってきました!明日にでも振るいたいくらいです!」

「そうだな。明日は鍛錬と連携の確認をして、Bランク向けのクエストを受けるのは明後日にしよう」

「ハイ!」


しばらくセリカと話した後、俺達は寝る事にした。


翌日————————


「セリカ!早く見せて見せて!」

「楽しみになってきました!」

「分かってる。じゃあ、行くよ!」


俺達はティリルから少し離れた岩場で鍛錬とセリカの“シルフェリオス”の試し切りをしている。

見ている俺達は早くもドキドキだ。

セリカが手に力を込めると、“シルフェリオス”の刀身が淡い翠色の光が灯った。


「フッ!ハッ!ヤッ!」

「「「「オォオーー!」」」」


“シルフェリオス”の効果かどうかはまだ定かではないが、セリカの剣捌きは速く鋭く、身体捌きも軽快で洗練されている。

少なくとも、初めて会った頃よりも格段に成長しており、Bランクパーティー【ブリリアントロード】のリーダー格であり、セリカが憧れる冒険者の一人であるウィーネスさんに確実に近づいているのが見て分かる。


「セリカ!魔法はどうなってる?」

「やってみます!【風魔法LV.1】『エアロショット』!」


試しにと言わんばかりに放たれた【風魔法LV.1】『エアロショット』を岩壁に向かって放ってみると……。


ドォオオオン!

「「「「「え?」」」」」


セリカの手から放たれた空気弾は身の丈サイズの岩に直撃した。

しかし、威力が以前よりも大きく上がっていたのだ。

それを証明するように、厚さ10センチはある岩が貫通しかけている。

前までは少し凹む程度でしかなかっただけに……。


「もしかして……。【風魔法】の威力を底上げするのかな?」

「かもしれませんね……」

「他の魔法もやってみます!」


俺とミレイユの開いた口が塞がらない様子を他所に、セリカは他の【風魔法】や【雷魔法】も試してみた。


「なるほど……。所有者の魔法の威力を高めてくれるのか?」

「みたいですね……。ただ、いつもより自然に放てているような気がするんですよ。何と言いますか、身体の中にも風が吹いているような感覚もあって……」


セリカが様々な魔法を試したところ、威力が底上げされているのが分かった。

加えて、【風魔法】や【雷魔法】をそれなりの回数を放ったにもかかわらず、少しの疲労感と汗が見えているものの、まだまだ余力があるようにも見えた。

効率良く魔力を練り上げているからだとミレイユが説明してくれた。

【剣戟】スキルも交えてみたが、こちらもパワーアップしている。

特に【剣戟LV.3】&【風魔法LV.3】『ディストームブレード』の破壊力は凄まじく、辺り一面が滅茶苦茶になっていた。

人っ気のないところでやって正解だとつくづく思った。


「何だか、風のように自由でいながらも、時に優しく、時に激しい事さえ可能にしてしまえそうだな。その“シルフェリオス”って……」

「そうかもしれないですね……。でも、使っている内に何か気付く事もあると思いますので、今は存分に振るって馴染ませていきます!」


決意を伝えるセリカの表情は自信に満ちていた。

謎なところは追々知っていけばいい。

後に俺達はギルドに立ち寄ってBランク向けのクエストを受ける手続きを済ませ、必要なアイテムを買い揃えてから帰路に着いた。

買ったのは当然、それだけではないけどね……。


そして翌日—————


「よし。皆、準備はいいか?」

「「「ハイ!できてます!」」」

「トーマさん!参りましょう!」

「よし!行くか!」


俺達は新調した装備を身に纏い、クエストのある目的地へと向かうのだった。


さぁ、どんな冒険が待っているのか。今から楽しみだ。

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