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第217話 完全決着!

ボス戦、決着です!

いつもの冒険者生活を送る中、【アテナズスピリッツ】のギルドマスターであるカルヴァリオさんからBランクの昇格を懸けたクエストに挑む事を進言された。

Bランクパーティー【ウォールクライシス】のリーダー格であるリカルドさん達から監督される形で森林型のダンジョン攻略に挑む事となり、ダンジョンのボスモンスターである“レッドブルーバイコーン”と交戦する。

その戦いは佳境へと向かっていく。


(セリカ。ミレイユ。クルス。エレーナ……。ありがとうな……。皆が作ってくれたこのチャンス。決して無駄にはしない!)


俺は“レッドブルーバイコーン”を前に魔力を練り上げ、集中力を高めている。

ダンジョンの魔力を得てパワーアップしているのもあって、その厄介さに拍車を掛けられたが故に、苦戦を強いられてきた。

だが……。


(これで決着を着けてやる!)

「ユニークスキル【ソードオブハート】!」


俺は【ソードオブハート】を発動させ、“ヴァラミティーム”を強く握り締めて向き合う。

だが……。


「キュォオオオオオオ!」

「「「「「!?」」」」」


何と“レッドブルーバイコーン”はキレこそ落ちているが、まだ動けている。

エレーナの魔法やクルスの刺突で両前脚がズタズタになっているはずなのにと思ってそこへ視線をやると、膝周りが凍っている。

身体の一部を骨折した際に使う添え木のような役割を氷らせて固定する事で何とか動かせるようにしている状態だ。

ダンジョンの魔力を吸い上げている事を考慮しても、とてつもないタフネスや精神力だと思わせる。

更には最後の抵抗と言わんばかりの【炎魔法】や【水魔法】に加え、【氷魔法】で作られた弾丸を乱発しまくっており、辺り一面が滅茶苦茶になっている。

正に手負いの猛獣だ。


(両脚に意識を集中させて……)

「行くぞ!」


俺は一歩踏み出そうとした時、Aランクパーティー【ノーブルウィング】のリーダー格であるウルミナさんの言葉を思い出していた。

【ソードオブハート】を今までは全身に魔力のオーラを纏って使ってきたが、ウルミナさんから自在にコントロールできれば、少ない負担で最大限の効果を発揮できる可能性がある事を教えてくれた。

それを受けた俺は空いた時間で【ソードオブハート】をコントロールするための鍛錬もしてきた。

まぁ、魔力や精神力を大いに消耗するスキルだから最初は苦労したんだけどね……。

その結果は……。


「うぉおおお!」

「キュォオオ!?」

(速い!それに、トーマさんの両脚に魔力が集中している……)


ただの【脚力強化】では出せないスピードにより、俺は躱しながら“レッドブルーバイコーン”に肉薄していく。

見ていたクルスも驚き、魔力の流れをしっかりと確認していた。

俺が懐に入りかける時だった。


「キュォオオオオオオ!」

「!?」


何と“レッドブルーバイコーン”は俺に目掛けて両前脚を振り下ろしてきた。

まともに喰らえば、間違いなく身体の大半の骨が砕けるだろう。

その瞬間……。


グサッ!

「キュァアアアアアア!」

(!?。クルス!)


“レッドブルーバイコーン”の腹部に刺さっていたのは、一本のロングナイフであり、投げたのはクルスだった。


「ハァアアアアア!」

「キョォアアアアア!」


続いて凄まじいスピードで俺の前を横切り、その右前脚を斬り裂いたのは、【剣戟LV.3】&【風魔法LV.3】『ディストームブレード』を使うセリカだった。


(ありがとうよ……)

「ウォオオオオオ!」


俺は全てを込めんばかりの魔力を全身に漲らせ、気合いの雄叫びを放つ。

そして……。


「【剣戟LV.3】『疾空双閃』!」

「ギュァアアアアアアア!」


俺は渾身の二連の斬撃を放った。

既にボロボロの状態で喰らった“レッドブルーバイコーン”は断末魔を上げながら倒れた。


「はぁ……はぁ……」

「「「「……」」」」


俺達はかなり息が上がっていた。

だが、“レッドブルーバイコーン”は微かな呻き声を絞り出すしかできなかった。

そして……。


「光の粒子になっていく……」


倒れて動かなくなったその身体は光の粒子となって消えていった。

それ、すなわち……。


「「「「「よっしゃ~~~!」」」」」

「やったな!皆!」

「ハイ!勝ち切れて嬉しいです!」

「皆さんの頑張りがあっての結果ですよ!」

「厳しかったけど、勝てた~!」

「本当に一瞬の油断が命取りって戦いでしたね」


セリカ達は俺の下に集まり、勝利を喜び合った。

全員、疲労困憊だが、皆の笑顔を見てそれも吹き飛びそうになった。

実際は疲れてるんだけどね……。


「ハハッ!まさかダンジョンのボスモンスターとして現れた“レッドブルーバイコーン”をあいつらだけで倒しちまうとはな~。たまげたぜ!な!」

「確かに……。命の危機に瀕した時は飛び掛かってでも助けるつもりだったんだが、その必要もなかったな……」

「最後の最後まで、誰も諦めたような目をしていなかった。大した精神力だぜ」

(相手や状況も想像以上に難儀な内容だったからな。健闘次第では俺達が助けに入っても、しっかり話し合ったうえで合格を出してもいいと思ったんだけどな……)


リカルドさんはウォードさんやブラゴスさんと共に俺達の戦いを褒め称えていた。

内容が内容だけに、多少の手助けをしても結果によっては大目に見る形で合格にするつもりだったようだが、その必要もないまま終わった。


「エレーナのサポートもそうだけど、さっき放ったあの魔法攻撃。中々えげつないわね」

「クルスの咄嗟の機転と搦め手を交えた斬撃に身のこなし……。目を見張るわ。何か気に入っちゃいそう」


アリエスさんやレミーさんもエレーナとクルスの実力を認めているようだ。

それからリカルドさん達は俺達の下に歩み寄って来た。


「皆、おめでとう。ダンジョンのボスモンスターとして現れた“レッドブルーバイコーン”を俺達の加勢も無しに倒すなんて凄いぞ!」

「リカルドさん」

「何にせよ、これでダンジョン攻略は達成できたな!」


俺達の健闘を褒めるリカルドさん達の表情は晴れやかなモノだった。

すると……。


ゴゴゴゴゴゴゴッ

「ん?これは……?」

「ダンジョンのボスモンスターを倒した事でこのフロアの部屋の奥の扉が開いたな。あそこだ!」


鈍い音を立てながら石扉の開くような音がする方にリカルドさんが指を差し、その方角に目をやると、奥の扉が開いていた。


「よし!入ってみるか!」

「「「「ハイ!」」」」


俺達は奥の扉の中へと入っていき、リカルドさん達もそれに続く。


そして、俺達はとんでもない物を目にする事となる。

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