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第212話 読み解き

思わぬ問題が出てきます!

いつもの冒険者生活を送る中、【アテナズスピリッツ】のギルドマスターであるカルヴァリオさんからBランクの昇格を懸けたクエストに挑む事を進言された。

セリカ達とも話し合った末、受ける事を決めた俺達はノイトレオに赴き、Bランクパーティー【ウォールクライシス】のリーダー格であるリカルドさん達から監督される形で森林型のダンジョン攻略に挑む事となった。


俺達はところどころで遭遇するモンスター達の遭遇に見舞われても、力を合わせて切り抜けた。

ベカトルブ近辺で発見されたダンジョンと比べても中小規模なだけに、最奥も見えてきたのを感じ取れた。

だが、俺達は一つの原っぱのような部屋に辿り着いた。

その奥には扉のような石板がドンと構えられていた。


「あの~、これは……」

「トラップと言うよりも、関門ですかね?何か書いてありますよ……」

「何々?」


石板には文字が刻まれており、俺達はそれをジッと見た。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


『この暗号を解き、実行せよ』


 紅に染まりし赤き玉

 清く透き通りし蒼き玉

 翡翠を纏いし緑の玉

 黄土に包まれし茶の玉

 一寸の狂いなくそれらの力を解き放ち、その力を示した時、最奥に繋がる扉は開かれん


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「暗号?と言うか、何だろう……?」

「俺達が調べてみた結果、このクイズみたいな関門を突破する事が最奥の部屋に繋がる扉を開く鍵だと分かった。俺達も答えは知っているけど、トーマ達にやってもらう事にする」

「頑張ってね~!」

「うっ!」


リカルドさん達は答えを知っているけど、教える気はないようであり、レミーさんも悪戯っぽく茶化している。

まぁ、俺達がBランクに上がるかどうかに相応しいかを判断するために来たのだから、黙秘を貫くのは当然だ。

それから俺達はその場で考え込んだ。


「にしても、芝居がかかったような文章って気もするよな。ダンジョン攻略でこんな事があるんだね……」

「私も事前に調べた時、武力だけでなく、知力を問われる物があるって知りはしましたが、謎かけみたいな事をここで吹っ掛けられるとは思いませんでした」

「何にしても、この謎解きみたいな事を解決しなければ先には進めないって事ですよね?」

「みたいだな……」

「まぁ、武力だけで解決できない事も、この先ありそうですからね……」


問題を解く事に考えなければいけないのは確かだが、その中で変わった問題に直面するのも、それはそれで厄介だ。

そう思いながら、俺達は石板と睨めっこしながら考えを巡らせる。


「まず目に付くのは『玉』ってワードだな……。これがキーになりそうだな」

「それぞれの文章に入っているのに加え、紅、蒼、翡翠、黄土と色の名前も付いていますね……」

「最初にすべき事はこの暗号の意味を読み解くところから始まるって意味ですね」

「……」


その場で考え込んでしばらくした時だった。


(玉って言っても、その辺にある玉……と言うよりも球体みたいな物かそれに類する物でもいいって意味とも言えるような……。それに、一寸の狂いなくそれらの力を放ちその力を示した時って……)

(それぞれ四色の玉って言うか、何かをぶつける事が必須って事のような……)

(何だろう?何を意図しているんだ……?)

(色とりどりのような攻撃を同時にぶつける事を命じるようなこの指示するような内容……。まさかとは思いますけど……)

(素直じゃないような色の表現に玉って言い方とか、絶対に何かあるよね……?)

(手掛かりがあるとすれば玉と言うワードにそれぞれに散りばめられている色を表すような言葉。だが、何を意味するかは……)

「「「「「ん~~~!」」」」」


俺達はまた、その場で考え込んでいた。

するとミレイユが……。


「思ったんですけど、紅蓮の玉ってこれじゃないですか?」

「うおっ!」


ミレイユは何気ないような仕草で右手から火の玉を起こしており、【炎魔法】『LV.1ファイヤーボール』を出そうとしないような様相だった。

それを見た時だった。


「私ができるような事と言えばこれくらいしか……」

「ミレイユ、火起こしにしたっていきなりそれを起こされても……ッ!」

「あ。ごめん……」

「「……?」」


俺はミレイユの何気ないような行動、魔法を放つような様相しか見ていないが、一種の確信を感じていた。

セリカも同じようなリアクションだった。

ミレイユも何かに気付いたようであり、クルスとエレーナも同様だ。


「トーマさん。あの……」

「俺も……想像は付いていない事もないんだけど……」

「あぁ……」


俺は……。いや、何かに気付いたようなセリカや何気ないアクションを起こしたミレイユ達を見た全員が一つの確信を抱き始めていた。


「【炎魔法】・【水魔法】・【風魔法】・【土魔法】を同時にぶつけるとかって……感じかな?」

「「「「かもしれません!」」」」


全員、同じ事を考えていた。


「魔法による玉って事は【炎魔法LV.1】『ファイヤーボール』、【水魔法LV.1】『アクアボール』、【風魔法LV.1】『エアロショット』、【土魔法LV.1】『アースボール』の4種類が思い浮かんできますね……」

「もしくはそれと同じ形の魔法をぶつけるって意味にもなるかと……」

「それを同時に放って当てろって意味か……」


俺達が導き出した答えを聞いていたリカルドさん達は「どうやら気付いたようだな」ってリアクションを取っている。


(答えは導けているみたいだから、足りてない魔法があったらこっちでフォローしてやってもいいか……)

「でしたら、トーマさんのあれが有効ですね!」

(何だ?あれって?)


リカルドさんが助け舟を出そうとする素振りを見せた時、セリカが不意に発した言葉によってそれを止めた。


「そうだな……。まずはやってみるよ」

「お願いします!」


そう言った俺は“ヴァラミティーム”を手に取り、石板の前の前に立つ。

その場で集中力を高めながら、その魔力を研ぎ澄ませていく。


「行くぞ……」


そして結果は……。

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