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第211話 Bランク昇格クエスト

Bランクの昇格を懸けたクエストが始まります!

いつもの冒険者生活を送る中、【アテナズスピリッツ】のギルドマスターであるカルヴァリオさんからBランクの昇格を懸けたクエストに挑む事を進言された。

セリカ達とも話し合った末、受ける事を決めた俺達はノイトレオに赴き、Bランクパーティー【ウォールクライシス】のリーダー格であるリカルドさん達から説明を受けた。


「ここですか……?」

「あぁ……」


いざ、Bランクの昇格を懸けたクエストに挑もうとする俺達はある場所の前に立っている。

それは……。


「森林型のダンジョンだ」

(ここが……Bランクの昇格を懸けた場所……)


うっそうと生い茂っている大きな草木の門であり、その奥には陰気さをまざまざと感じさせる森林のようなダンジョンだ。

以前に挑んだベカトルブ近辺で発見されたダンジョンは洞窟型であり、かなりの規模であったが、今回はそれよりもコンパクトになった上に森林型だ。

当時挑んだ状況を振り返っても、確かに5人組のパーティーで挑んでも、頑張れば何とかなるかもしれないけど、光景を見ると改めてシビアだと感じるしかない自分がいる。

だが……。


「森林型のダンジョンとなれば、水棲系のモンスターが出てきそうだな……」

「茂みからモンスターが襲って来る可能性が一気に高まったわね」

「これは、ゴブリンやオーク、オーガ系以外の動物型のモンスターの奇襲も考えなければならないですね……」

「基本的に前衛はトーマさんとクルスに任せるとして、後衛や支援はいつも通り……」

(皆……)


セリカ達の方を見やると、表情こそシリアスであるものの、必要以上に気負っている様子はなく、臆してもいなかった。

かく言う俺も、新たに手に入れた自分専用の武器である“ヴァラミティーム”を腰に携え、手を添えると、不思議と落ち着けた。

今回のために、できる限りの準備を整えた。

フォーメーションから戦術、アイテムの使用配分や立ち回りまでシミュレーションやイメージトレーニングまで行ってきた。

最終的に突き付けられる結果は何にしても、今の俺達にできる事は、それぞれが出せるベストを出していく事だ。

過酷な場面に遭遇する事は覚悟しても、悔いを残してしまいたくない。


「よし!行きます!」

「では、Bランク昇格を懸けたクエストのスタートだ!」

「「「「「ハイ!」」」」」


俺が行ける事を伝えると、リカルドさんは開始の号令を伝え、俺達は力強く呼応する。

こうして、俺達【トラストフォース】はBランク昇格を懸けたクエストのスタートを真の意味で切るのだった。

俺達は森林の中を進んで行き……。


「後方に敵影無し。クルス、トラップとかは?」

「目立ったトラップはないですね……。モンスターが出てきそうな予感はしますね」

「分かった。引き続き警戒するように!」

「「「ハイ!」」」

「ほう……」

(クルスが中心になって前方を見渡し、間に機動力に優れたセリカ、後衛に中遠距離攻撃に優れたミレイユとエレーナ、最後尾に多彩なスキルを持ち、全体を見ている。ダンジョン攻略に臨む時の陣形の組み方はなっていて、各々の長所やスキルを活かしやすい配置にしている。ベカトルブ近辺で発見されたダンジョン攻略では補佐と言う形で同行した経験を上手く活かせているな……)


リカルドさんは俺達のダンジョン内の歩き方やポジション、立ち回りを見て感心しているようであり、言葉には出していないものの、好ましい評価を下している。

俺達がベカトルブ近辺で発見されたダンジョン攻略に行った事についてはリカルドさん達にも共有されているため、それを踏まえて見定めている。

途中でモンスター達と遭遇する場面は何度かあったものの、俺達は連携し合いながらこれを退けており、目立ったダメージはない。

受けてもエレーナの【回復魔法】があるからすぐにリカバリーできる。

回復用ポーションもそれぞれ常備しているため、手抜かりはないと見ている。

途中で鳥類系や爬虫類系のモンスターとも遭遇するが、一体一体は一人で対処できるレベルのため、手間はあれども困った状況にはならなかった。


「皆、疲れとかは大丈夫か?」

「問題ないです」

「まだまだ動けます」

「セリカに同じく!」

「僕も平気です。あ、トラップがあるので解除しますね」

(へ~、あんな微弱なトラップ起動装置にも気付けるなんてね……。加えて【トラップ解除】スキルのクオリティも高い。若いのに大したものね……)


皆の表情も気は引き締まっているけど、気負い過ぎている様子はない。

【ウォールクライシス】の『シーフ』であるレミーさんもクルスの感知力に一目置いているようだった。

同じギフトを持つ者として、才能の片鱗を感じ取ったのだろう。

もしも手間取るようだったらレミーさんが割って入って解決するつもりだったんだろうけど、その必要はないと判断したのか、静観するスタンスを続けている。


「それにしても、ダンジョン攻略の経験をAランクパーティーの庇護下の中でサポートとして参加したとは言え、予想以上にアクションの一つ一つに淀みがなく見えるな……。準備やイメージトレーニングとかしておいたのか?」

「はい。俺達が経験した事を照らし合わせながら対策を立ててきました。加えて、Bランク昇格を懸けたクエストに挑戦する事を持ち出される前から各々で鍛錬を積み重ねてきました」

「ほう……。しっかりしてるじゃねぇか」


リカルドさんからの質問に対し、俺達は本番を迎えるまでにやってきた事を教えると、ブラゴスさんは感心している。

表情は強面でぶっきらぼうに見えるけど、見るべきところはしっかり見てくれる人なんだなって思える。


(なるほど……。それぞれの実力も若いながらもかなり高く、果たすべき役割を完璧にこなしながら立ち回るチームワークも良い。加えて、準備や対策を万端にしていると言い切っただけに動きもスムーズだ。【トラストフォース】……実に良いパーティーだ……)


リカルドさん達からの評価も悪くはない。

そう感じ取っていた。


(今回トーマ達が挑んでいるダンジョンはベカトルブの時より確かに規模は小さい。だがな、大変なのはここからだぞ)


だが、この時の俺達は知らなかった。

進んだ先に想像すらしなかった大きな試練が待ち構えている事を……。

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