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第205話 新たなる挑戦の幕開け

新章開幕です!

俺達はいつもの日常に戻っている。


「【剣戟LV.2】&【土炎風水(どえんふうすい)魔法LV.1】『エレメンタルセイバー』!」

「ゴァアアア!」


俺達はティリルから離れた場所に現れたレア度Cの“ブレイズレオ”の討伐をするためのクエストに赴いており、たった今完了させたところだ。

会得して間もない【土炎風水(どえんふうすい)魔法】も完全でこそないが、少しずつコントロールできるようにはなってきた。


「やりましたね!トーマさん!」

「あぁ。魔石も手に入った事だし、依頼主に報告しに行こう!」


俺達は“ブレイズレオ”の討伐に成功した事を依頼主の町長に伝え、ティリルへと戻っていった。


「確認しました。この手続きを以て、クエストを終了とさせていただきます」

「ありがとうございます!」


馴染みの受付嬢であるナミネさんから報酬を受け取った。

夜に差し掛かっているのもあって、セリカ達とギルド飯って筈なのだが……。


「あの……。【トラストフォース】の皆様でしょうか?」

「「「「「え!?」」」」」


声を掛けてきたのは、3人組の冒険者達だった。

見た感じ、駆け出しであるEランクの冒険者であり、それぞれが『剣士』、『魔術師』、『僧侶』なのが分かる。


「“ブレイズレオ”を仕留めたって聞きました!前々から注目していました!」

「お会いできて光栄です!」

「俺達、応援しています!」

「あぁ。ありがとう……」


パーティーを組んだばかりの初々しさを感じさせる冒険者達の応援に、俺達はどこかくすぐったい気持ちを感じた。

俺がこの異世界に飛ばされてから一年が経った。

初めてセリカと出会い、冒険者になって、ミレイユと出会い、クルスと出会い、エレーナと出会って仲間になった。

大変な事も辛い事も厳しい事も、協力し合ってきたからやってこられた。

そして、今をこうして生きている。


(ちょっと、こそばゆいな……)

「あんな風に後輩の冒険者達に応援されるようになるなんてね……」

「気が引き締まりますね」


後輩の冒険者ができるようになった事をまざまざと感じるようになったものの、それはそれで一種の責任感を抱いてしまいそうになる自分もいる。

まぁ、これまでに俺達が積み上げて、やってきた事を思えば当然かもしれない。

それでも、後進の事を考えれば、お手本であらんとする自分もいる。

そんな時だった。


「あの……。皆様。お伝えしそびれた事がございまして……」

「はい?」

「ギルドマスターがお呼びでございまして……」

「「「「「!?」」」」」


ナミネさんがギルドマスターであるカルヴァリオさんが俺達を呼んでいる事を伝えてきた。

それから案内されるがままに執務室まで案内された。


「呼び出して申し訳ないね……」

「いえ、問題ありません」

「最近の活躍が目覚ましいと聞いている君達に対し、ある話があってね……」

「は、はぁ……」


少しの問答の末にカルヴァリオさんが口を開いた。

その眼はどことなく、いつになく真剣さが宿っているようにも見えた。


「単刀直入に言わせてもらう。Bランク昇格を懸けたクエストを受けてみないかね?」

「え……?」


その話を聞いた俺達はその場で固まった。

【アテナズスピリッツ】で言えばケインさん達【ディープストライク】、ウィーネスさん達【ブリリアントロード】、イアンさんやイオンさん達【デュアルボンド】らがそれに該当する。

つまり、成功すれば尊敬しているBランクパーティーの冒険者達と同じ場所に立てると言う意味だ。

まぁ、冒険者としてのキャリアは上なので、敬意をしっかり持たなければだけどね。


「Bランクの昇格を懸けたクエスト……。俺達が受けてもいいって意味でしょうか?」

「ギルド側で君達のこの一年の活躍を精査しての判断だ。Cランクに昇格して以降、日々のクエストや闇ギルド事件の解決にダンジョン攻略、最近ではウェシロスで起きた事件の貢献。これだけでもCランク以上の実績を収めていると言っても過言ではない。その上で話を持ち掛けた次第なんだ」

「なるほど……」

(俺達が……ケインさんやウィーネスさん達と同じランクに……)

「但し、受けるか受けないかは君達の判断に委ねるが、もしも失敗した場合、3ヵ月間はBランクの昇格を懸けたクエストは受けられないからね。これも意地悪ではなく、短期間に無闇に挑んだせいで却って被害を受けてしまう冒険者達が出る事を避けるための規則だ。一度パーティー内で真剣に話し合った上で決める事を勧めるよ。ここに概要や詳細を纏めた書類一式が入っている。しっかりと目を通して欲しい」

「はい……」


そう言ったカルヴァリオさんは茶色の封筒を差し出し、俺はそれを受け取った。

ズシっとするような重さではないが、それなりの種類の資料が入っているのが分かるような重量感があった。


「因みに言わせてもらうけど、ケインやウィーネス、イアンとイオン達のパーティーは受けるかどうかの結論を下すのに1日は掛かっていたよ」

「わ、分かりました……」


早くとも2日以内に結論を出すと伝えた後、俺達は部屋を出た。


「Bランクか……」

「僕達もいよいよそこまで来たって事ですかね……?」

「まさか今日伝えられるとは思ってもいませんでしたよ」


ギルド飯を楽しむつもりだったが、話の中身も中身からか、そんな気分にはなれず、真っ直ぐ自宅まで帰る事にした。


(話を持ち掛けられた時は胸が高鳴ったけど、カルヴァリオさんのあの目……。クエストの中身が相当深刻なのか……?それとも……)

「何にしても、あの場で安易に決めてしまうよりも、戻って中身を確認してから決めた方がいいわよね……?」

「少なくとも、今はそれが最善ですね……」

「そうだな。まずは貰った資料を確認しよう」


表向きは切り替えてはいるものの、帰路に着く足取りはどことなく重かった。


明日はクエストに出向く事をお休みにするのは決めているが、果たしてどんな結論が下されるのやら……。

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