第204話 改めて前へ!
作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。
この話を以て、第三章は簡潔とさせていただきます。
第四章は2024年11月20日に開始される予定です。
・2024年11月17日は「第三章 キャラ紹介①」
・2024年11月18日は「第三章 キャラ紹介②」
・2024年11月19日は「第三章 あらすじ」
を公開したく思います。
面白いエピソードを投稿できるように努めていく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
俺達はウェシロスで起きた事件を解決してすぐに王都ファランテスにあるビュレガンセ冒険者ギルド連盟本部を訪れた後、拠点にしている街であるティリルに戻り、しばらくの休養を経て、冒険者としての活動を再開している。
「クエストお疲れ様でした!こちらが今回の報酬でございます!」
「ありがとうございます!」
俺達はCランク向けの採取系のクエストを終えて、報酬を受け取った。
「「「「「乾杯~!」」」」」
「ぷは~。クエストを終えた後のギルド飯は堪りませんね~!」
「「同感!」」
「ご飯も美味しいです!」
俺達は定番のギルド飯を飲食スペースで大いに堪能した。
明日はクエストに行かない日なので、いつも以上に楽しい雰囲気となっている。
時々他の冒険者達から声を掛けられる事もあり、互いに成果や体験した事の談議が飲みの席に華を添えさせてくれる。
こうして同じギルドの冒険者と交流する事はその場を盛り上げるだけでなく、情報交換し合う機会も自然とできる。
その得た情報をクエストに役立てていく。
人脈って大事だなと常々思うし、得た繋がりは大事にしていきたい。
「ふえ~、楽しかった~」
「ミレイユ。しっかり歩きなよ」
飲食を終えて帰路に着いている俺達だが、酔っぱらったミレイユをクルスが介抱しており、俺とセリカ、エレーナはそれを見守っている。
「この光景にも慣れたな……」
「そうですね」
「ふふふ……」
もう定番の流れと言って良いくらい、当たり前になりつつあったが、それが平穏を感じさせてくれる。
(俺がこの異世界に飛ばされてからもうすぐ一年が経つな……)
俺は歩きながら、今いるこの世界に来てから今日に至るまでの日々を思い返していた。
異世界に飛ばされてからセリカと出会い、冒険者になった。
前のパーティーに見捨てられたミレイユやクルスと仲間になった。
貴族の方々とも面識を持ち、良好な繋がりを持てた。
Cランクの冒険者になる事ができた。
実力や人格に優れた先達の冒険者達とも仲良くなれた。
エレーナを仲間に迎え入れた。
ダンジョンの攻略も経験できた。
リゾート地でセリカ達と思いっきり遊んだ。
自分だけの武具を手にする事ができた。
命懸けの戦いや修羅場もあったけど、楽しさや嬉しさの方が勝っている。
振り返るだけでも、長くこの世界で生きてきたようにも感じた。
だからこそ、俺はこう思っている。
(もっと……皆と一緒に冒険がしたい……)
そのためにも、俺はもっと強くなり、得た絆を大切にしたい。
改めてそう誓うのだった。
翌日——————
「手紙だ……ってミリアさんからだ。こっちはエルヴォスさんからだ」
俺は郵便ポストに入っている郵便物を取ると、その中にはウェシロスを拠点にしている冒険者ギルド【ティア―オブテティス】に所属しているAランクパーティー【ヴァルキリアス】のリーダー格であるミリアさんとビュレガンセ王国騎士団西方支部の副隊長を務めているエルヴォスさんから手紙が届いている。
「皆!【ティア―オブテティス】のミリアさんやビュレガンセ王国騎士団西方支部のエルヴォスさんから俺達宛に手紙が届いているぞ!」
「本当ですか?」
「何て書いてあるんですか?」
「今開けるよ」
まずはミリアさんからの手紙を開けて読む。
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トラストフォースの皆様ヘ
お元気にしていますか?
私達はしばらくの休暇を取ってから、冒険者稼業を再開しております。
最近の近況について報告したく思っています。
事件が終わった後のウェシロスは、【ティア―オブテティス】に所属している冒険者達やビュレガンセ王国騎士団西方支部の協力もあって、元の活気を取り戻しつつあります。
Bランクパーティー【スターレック】のイミニとアコナですが、ギルドに復帰はしているものの、ジゲラと一緒だった事もあって、若干針の筵気味にはなっています。
ヒルダさんも挽回のチャンスを少なからず与えてそれを必死にこなしているので、皆からの信用を取り戻すにはまだまだ時間はかかると思いますけど、見守っていく方針です。
手紙でもう一度伝える形にはなりますが、ウェシロスで起きた事件の解決に貢献していただき、本当にありがとうございます。
ギルド同士で協力し合う事があれば、是非とも【アテナズスピリッツ】に力を貸したいとヒルダさんも申しており、私達もその次第です。
また、トーマさん達と会える日が来る事を心よりお待ちしております。
ミリア・メーティス
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「ミリアさん達のギルドも順調そうみたいだな」
「みたいですね。次はエルヴォスさんから送られたのも見てみましょう!」
「そうだな」
続いて俺達はエルヴォスさんから届いた手紙を開け、これも読んだ。
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トラストフォースの皆様ヘ
先のウェシロスで起きた事件についての事や最近の状況について教えたく思い、手紙をしたためさせてもらった。
ウェシロスやその町村を治めていたクジャール伯爵家の当主だったポドルゾや派閥貴族の当主は王都の牢屋に投獄される事になり、爵位や領地も剥奪される事になった。
ヴェヌトイル商会の会長だったゲルグオやその実子であるギゼオロも投獄となり、組織の幹部格も同様だ。
ビュレガンセ王国騎士団西方支部の前隊長であったノージン・メノオを始めとする不正や癒着に加担していた騎士達は正式に解任及び更迭となった。
ノージンは主犯格のような存在だったのもあり、こちらも投獄となった。
犯した内容も内容なだけに、刑期は軽く見積もって10年は下らないとの事だが、余罪が発覚すれば、更に重くなるだろう。
まぁ、牢屋でたっぷりと反省するがいいって話だ。
一つの報せがある事を教えるが、先日、王都本隊の騎士団より、晴れて私がビュレガンセ王国騎士団西方支部の隊長に任命される事になった。
副隊長のポジションには信頼している部下であるシモーヌが任命された。
当初は王都本隊から誰かしらが隊長に就く形で派遣されると思っていただけに、私も驚きを隠せなかったがな。
だが、私はその決定を嬉しく思ってもいる。
これからは騎士として、民衆を守るために堂々と戦い、働く事ができるのだから。
現在はビュレガンセ王国騎士団の本隊から騎士を何人か派遣してもらえ、各支部の騎士団からも移籍と言う形で人材を補強してもらえている。
まだまだ事件の爪痕は残っているとは思うが、私は騎士として日々邁進していく所存だ。
トーマ殿達は冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】に所属しており、ティリルにあると言うのは存じている。
もしも困っている時はどうか力になって欲しいと、私がビュレガンセ王国騎士団東方支部の者達に掛け合っておいた。
東方支部の隊長は理知的な人格者として有名だから安心していい。
手紙でもう一度伝える事になるが、ウェシロスで起きた事件の解決や西方支部の騎士団の腐敗の浄化に大きな一助となってくれた事を、ビュレガンセ王国騎士団西方支部の隊長である私が代表して心から感謝を申し上げる。
お互いに良き人生を送れる事を心から願っている。
ビュレガンセ王国騎士団西方支部・隊長
エルヴォス・ブレドラン
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「エルヴォスさん、ビュレガンセ王国騎士団西方支部の隊長になったんですね!」
「そうみたいだな」
「エルヴォスさんが隊長なら僕も賛成ですよ!」
「わたくしもです!」
「何にせよ、皆さん元気にやってるって事ですね!」
こうして手紙でもらう形にはなるけど、見知った仲の人達が元気に頑張っている事を知らされたら、こっちまで元気をもらったような気分になる。
手紙を見て俺は思った。
「よし!今日は鍛錬に力を注いでいこう!そんでもって、お昼と夕飯は精が付きそうなご飯を食べるって事はどうだ!?」
「たまにはそんな日も良いですね!」
「賛成です!」
「魔法を使ったらお腹が空きますけど、美味しい物が後で食べられるならば頑張ります!」
「でしたら一層力を入れて取り組みましょう!」
「よし!やるか!」
「「「「オォオーーーー!」」」」
ミリアさんやエルヴォスさんの手紙を見て刺激されたのか、今日は自分を高めるための鍛錬に時間を割く事にした。
ロマンや情熱を持つのは良い事だけど、それは実力あっての話だ。
だからこそ、やりたい事があるならば、守りたい人がいるならば、前に進む事を止めてはいけない。
「セリカ!ちょっと本気で打ち込むぞ!」
「ドンと来いです!」
「「ハァアーーー!」」
そのためにも、俺はもっと強くなって見せる。
大好きな人達を守るためにも……。
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