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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第三章 大事件の遭遇と偉大な人物達との邂逅

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SS 20話 【エリー視点】姉妹トーク

Bランクパーティー【デュアルボンド】のエリー目線のお話です!

ティリルの住宅街の中に一軒の家屋があった。


大きさは人が4~5人が住めるほどのサイズの一階建てであり、若干の年季を感じさせるが、定期的に補修されている中古の物件だ。


その一つの部屋に朝日が差し込んだ。


「ふぁあ~。いい天気ね……」


私の名前はエリー・ウォンソン。

ティリルを拠点にしている冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】に所属している冒険者であり、Bランクパーティー【デュアルボンド】のメンバーの一人でもある。

こう言ってはあれだけど、私はよく早起きをする。

起きてすぐに私はリビングを兼ねたダイニングキッチンに行き、料理に取り掛かった。

ささっとではあるけど、焼いたパンにスクランブルエッグ、簡素なソテーにサラダと、栄養が取れるようなバランスの取れたような献立を作っていった。

そこに……。


「美味しそうな匂いが漂ったから起きてしまった」

「いつも朝食を作ってくれてありがとうな。エリー」

「イアン。イオン。おはよう」


リビングに入って来たのは、【デュアルボンド】のリーダー的存在であり、看板を担っている存在のイアンとイオンだ。

二人は実の双子であり、パーティーの看板である存在だ。

見ての通り、顔立ちはほとんど瓜二つであり、同じメンバーである私でもしっかり見なければ明確に区別できないほどだ。


「う~ん。おはよう、お姉ちゃん。イアン、イオン」

「サーシャ。おはよう」

「「おはよう」」


最後に起きてきたのは、サーシャであり、私の妹だ。

正確には、腹違いの妹だ。

私が幼い頃に母が病死してしまい、父子家庭となった。

それからしばらくした後に両親と離婚して母子家庭となったサーシャの母が私の父と結ばれて再婚した。

同時にサーシャとは血の繋がっていない姉妹となり、同い年だけど、私の方が早く生まれたのもあってお姉ちゃんとなり、サーシャは妹と言う事になった。

妹や弟がいたらいいなって思っていた私にとっては嬉しい事だった。


「さあ。できたよ!」

「わ~い。美味しそう!」

「「「「いただきま~す!」」」」


クエストに出向く予定はないため、私達はゆっくりと朝食を味わった。

その後、イアンとイオンは武具屋に行って、私はサーシャと一緒に日用品やアイテムの買い出しに赴いた。


「「ふぅう~。落ち着く~!」」


必要な物を買い終えた私とサーシャはお洒落な雰囲気があるカフェに入って一息ついた。

因みに今日は全員、私服だ。

二人揃ってお茶菓子を堪能しながら、最近の事について語り合う。


「それにしても、ウェシロスで起きた事件って本当にセンセーショナルって思ってならないんだよね~。」

「そうね。ウチのギルドから冒険者パーティーが行方不明になって、捜索に出たら気鋭の商会で知られたヴェヌトイル商会の黒い商売やビュレガンセ王国騎士団西方支部との癒着、クジャール伯爵家が絡んだりで混沌としたわね。それから【ティア―オブテティス】に所属している冒険者がウチへ移籍。本当にいろいろあったわ……」

「確か、マーカスさんだったよね?『重戦士』でBランク冒険者の……」


次は最近、【アテナズスピリッツ】に移籍してきたマーカスさんについての話題へ移った。

マーカスさんはヴェヌトイル商会の会長だったゲルグオの親戚であったが、親族らしい愛情を余り受けられないまま育った事も知った。

加えて、彼が前にいたパーティーにおいても便利な道具のように扱われていた事も共有された。

最近の一年だけだったとはいえ、利用され続けるだけの日々は想像以上に厳しい事だと言うのはすぐに理解できた。


「ウチのギルドに来た時は引き入れようって思いもしたけど、最終的にはケインさん達のパーティーに入る事を決めちゃったもんね~」

「次に引き入れようとする冒険者は防御に優れたメンバーにしたいって前々から決めていただけに少しショックだったけど、マーカスさんが決めたのなら仕方ないよ。それに、ケインさん達によく貢献してくれるって私は思うよ」

「お姉ちゃんがそこまで買うなんてね」

「実力も実績も本物だったからね」


マーカスさんを私達のパーティーに引き入れたかったけど、過ぎてしまった事はしょうがない。


「にしても、ウィーネスさん達もだけど、トーマ達も大活躍したんだってね」

「みたいよ。魔道兵器“ゴーレム”の改造手術を施したモンスターを倒したとか」

「凄いよね!私達だけじゃどうにかできるか分かんないってレベルの相手にさ……」


同じギルドに所属しているCランクパーティー【トラストフォース】のトーマ達の活躍は本当に目覚ましい。

同じメンバーであるセリカやミレイユ、クルスやエレーナも着々と実力を付けていき、今ではウチのギルドのCランクパーティーの中では上位の方に位置して、Bランク冒険者だって視野に入っているとも見ている。


「嫉妬しちゃってる?」

「してないと言えば嘘にはなるかな?でも、実力があるのは今回の一件で改めて理解できたし、私達も先輩冒険者としてもっと腕を磨いていこうとも思ってる。追われるプレッシャーも感じてはいるけど、遅れを取るつもりはないよ」

(この子ったら……)


サーシャがキッパリ言い切る様子を見るに、追われる立場の大変さを知ってはいるものの、油断し切るどころか、努力を重ねて頑張る姿勢を見せている。

どこか緩い雰囲気はあるサーシャだけど、真剣に考えるべきところはよく考え、間違いは素直に認められる人柄をしている。

何なら、追い付かれたは追い付かれたで、割り切った上で努力していこうとも見て取れる。

イアンとイオンも同じ気持ちだろう。


「まぁ。今後もしっかりやっていきますかって事ね!」

「そうよ!同じ『魔術師』である【ディープストライク】のニコラスさんや【ブリリアントロード】のリエナさんだって追い抜いてやるつもりなんだから!」

「Aランクパーティー【ノーブルウィング】のウルミナさんは?」

「それは……あの……まだ視野に入れなくてもいいかと……」

「相手選びすぎよ!」

「アハハハ!」


そうして、私はサーシャとの大事な姉妹の時間をゆったり過ごすのだった。

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