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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第三章 大事件の遭遇と偉大な人物達との邂逅

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第203話 久々のクエストとギルド飯

冒険者としての活動を再開します!

俺達はウェシロスで起きた事件を解決してすぐに王都ファランテスにあるビュレガンセ冒険者ギルド連盟本部を訪れた後、拠点にしている街であるティリルに戻っていた。

しばらくの休養を満喫している中、冒険者ギルド【ティア―オブテティス】に所属していたマーカスさんが【アテナズスピリッツ】に正式に所属する事になった。


休養を命じられて一カ月が経った。


「【土炎風水(どえんふうすい)魔法LV.1】『エレメンタルショット』!」

「「「「「ギャァアアア!」」」」」

「ふぅ……。どうだろうか?」

「初めの頃よりは少しマシになったと思いますけど、完璧じゃないですね」

「だよな」


俺達は久しぶりにモンスター討伐系のクエストに赴いている。

内容はオーク系モンスターの殲滅だ。

全体的な数は50体近くであり、ほとんどはその下位種である“オーク”だ。

クエストをこなすのと同時に、ウェシロスの一件で会得した【土炎風水(どえんふうすい)魔法】を完璧にコントロールする訓練を実戦形式で行う事にしてみた。

もしもの時はミレイユの【爆撃魔法】による殲滅もできるからね。

但し、コントロールはまだ完ぺきではない。


「ガァ!グォオ!」

「フッ!ハッ!」


セリカとクルスはオーク達のリーダー的存在である2体の“ハイオーク”をそれぞれ引き受けている。

近接戦がメインのセリカはともかく、『シーフ』のギフト持ちであるクルスも問題なく相手をできている。

むしろ、軽やかな動きと先読みで翻弄しているくらいだ。


「ヨッ!」

「ギャァアアア!」


“ハイオーク”が剣を振り下ろしたところにクルスが最小限の動きで躱した瞬間、彼は投擲用のナイフをその右眼に当てた。

次の瞬間……。


「グガァアアア!」

「いっちょ上がり」


激痛でのたまう“ハイオーク”の背後に【気配遮断】スキルでするりと回り込み、その首を買い与えたばかりの特製のナイフで斬り裂いて致命傷を浴びせる。

そして“ハイオーク”の身体は魔石だけを残し、光の粒子となって消えた。


「凄いよクルス!“ハイオーク”が相手ならば一人で勝てるくらいになったじゃない!」

「いや、まだまださ」


もう一体を倒し終えたセリカは賞賛しながらクルスの下に駆け寄った。

こうして俺達はクエストを達成し、依頼主の町長に完了の報告を行い、ギルドへ戻った。


「お疲れ様でした!こちらがクエスト達成の報酬です!」

「ありがとうございます!」


夕方になり、俺はクエスト完了の手続きを済ませた。


「「「「「乾杯~!」」」」」

「やっぱこれだな~!」

「同感です!」

「クエスト終わりの一杯は最高です!」

「あ~、美味しい~!」

「生きているって感じがしますね!」


久しぶりのギルド飯を味わった。

クエスト終わりに飲むエールはやはり堪らない。

俺達はクエストについて振り返りながら語り合っていた時だった。


「久しぶりのギルド飯はどうだい?」

「あっ!」


聞き覚えのある男性に声を掛けられた俺達はその方角を向いた。


「ケインさん!皆さんも……」

「元気そうだね」


同じギルドに所属するBランクパーティー【ディープストライク】のリーダー格であるケインさんであり、同じメンバーのフィリナさんやニコラスさん、エルニさんもいる。


「目に付いたから話しかけたけど、新しいメンバーが入ったんだ。紹介するよ」

「新しいメンバーですか?」

(え?まさか……?)

「来てくれ」


新メンバーを紹介したいと言うケインさんに促される形で一人の男性が脇から出てきた後、俺達の下に歩み寄る。

その顔に見覚え、いや、バッチリ知っている。


「やぁ、トーマ。皆……」

「マーカスさん!」

「マーカスさん!ケインさん達のパーティーに入ったんですか?」

「あぁ。その通りだ」

「同じBランクパーティー【デュアルボンド】とどちらがいいかって決めるため、それぞれのパーティーで3日ずつ活動してたの。最終的にマーカスに判断してもらった後、ウチのパーティーに入るって決まったのよ」


フィリナさん曰く、マーカスさんは【アテナズスピリッツ】に移籍した翌日からウチのギルドのBランクパーティー【ディープストライク】と【デュアルボンド】のどちらかに入りたいかを決めるため、それぞれのパーティーに3日間ほど行動を共にしていた。

当然、その間はクエストにも行っており、戦闘における立ち回りから計画性までをマーカスさんが判断した末に決定する事となる。

それぞれのパーティーメンバーの人となりを確認する事も兼ねている。


「それでマーカスさんはケインさん達のパーティーに入る事を選んだんですね」

「そう言う事!」

「あの~」


フィリナさんは快活に答えてくれた。

するとエレーナが挙手をした。


「何故マーカスさんはケインさん達のパーティーに入られたのか、是非とも聞いてみたいのですが。もちろん、無理のない構いません」

「それは興味あるわね……」


セリカも興味を持ち始めている。

かく言う俺もだが……。


「う~ん。フィーリングかな?」

「はぁ……」

((何てフワッとした理由!))


そう言い切るマーカスさんだった。

ケインさんは『剣士』、フィリナさんは『武闘家』、ニコラスさんは『魔術師』、エルニさんは『僧侶』と前衛・後衛・支援のバランスがよく整っている。

そこに防御に優れたマーカスさんが入れば、戦線は格段に安定して戦いやすくなる。

モンスター討伐とかにおいては特に真価を発揮してくれるだろう。


「けど、マーカスが俺達のパーティーに入る事を決めてくれたのは本当に嬉しいよ。丁度、防御が得意な冒険者を探していたところだったからね」

「しかも、『重戦士』なのに【水魔法】や【氷魔法】が使えるのが分かった時には驚いたからね。ニコラスの【炎魔法】や【土魔法】、アタシの【風魔法】で四属性の魔法が使えるパーティーの出来上がりよ!」

「え?マーカスさん、『重戦士』でありながら、【水魔法】や【氷魔法】が使えるんですか?」

「あぁ。言わなかったっけ?」

「いえ、初耳です!」


何とマーカスさんは『重戦士』ながらも、【水魔法】や【氷魔法】を得意としている事も発覚した。

『重戦士』は【土魔法】や【岩石魔法】を得意としている者が大半と聞いてはいるものの、そうではないパターンの相手と出会うのは初めてだ。

マーカスさんの加入によって、ケインさん達【ディープストライク】は更に高い安定感を享受される事になり、一層の活躍が期待できるだろう。

フィーリングで決めたと言っていたけど、心のどこかで可能性を見出していたのではとも思ってなくもない。


「これまでは仮メンバーのような扱いではあったけど、これからはケインさん達と共に頑張っていくつもりだ」

「マーカスさん……」


意気込まんばかりのマーカスさんの表情は希望と未来に満ちているようだった。


「あの、よろしければ、一緒に飲みませんか?マーカスさんもこうして所属する場所も落ち着きましたし、俺達も飲み始めて少ししているので……」

「良いのか?」

「私達は構いませんよ。ケインさん達の新メンバーであるマーカスさんが加入すると言うおめでたい日ですので!」

「人数は多い方が楽しいですよ!」

「ははっ!トーマ達は本当に良い奴だな!」


それから俺達はケインさん達を交えてギルド飯を楽しんだ。


マーカスさんの冒険者人生により一層の幸がある事を願いながら……。

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