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SS 17話 【ミリア視点】海に来ました!

ミリア視点のお話です!

頭の中でイメージしながら見ていただければより楽しめると思います!

「着いた~~!ルゾイエン!」

「海が綺麗~~!」

「いい天気~~!」

「ターニャ達、はしゃぎ過ぎよ。でも、休暇を楽しむにはベストな環境ね。ミリア」

「そうね。本当に素敵な場所だわ」


私達はビュレガンセでも屈指のリゾート地であるルゾイエンへとやって来た。

中長期に渡る海外遠征から帰って来てすぐ、ウェシロスを脅かす事件の解決にも動いた事を知っているヒルダさんの計らいでしばらくの休暇をもらえる事になり、リフレッシュの意味でルゾイエンへと赴いたって訳だ。

休暇なので、私達はいつもの冒険者ルックではなく、私服だ。


「さっきから思っていたんだけどライラ。随分オシャレなワンピース持ってたんだね。いつ買ったの?」

「遠征に出る少し前くらいかな?今まで着る機会がなかったからさ……」

「可愛い」

「着こなせるスタイルが羨ましい」

「メロやフォネも素敵よ。ターニャもね」

「おまけみたいな言い方された!」


私服姿になると、個性がやはり出るなと常々思う。

ライラは淡色のオフショルダータイプのワンピースを着用しており、綺麗で上品な印象を抱かせてくれる。

額にはサングラスまでかけている。

メロは半袖のTシャツとホットパンツ、フォネも似たような格好をしているが、こちらは寒色系の色で纏められている。

ターニャは黒いタンクトップに膝下までの長さがある白いパンツとカジュアルで動きやすそうな格好をしており、長身でスタイルの良い彼女の魅力を存分に引き出している。


「ミリアだって素敵な格好よ!いつ準備してたの?」

「昨日買ったよ」

(((何気に一番気合入れてるのミリアじゃん!)))


私も麻の素材でできた薄く白い五分袖のジャケットに蕾のように広がる淡い青色のスカートと涼し気な出で立ちだ。


「まずはホテルに荷物を置いて行こっか!」

「「「「賛成!」」」」


私達は目的地のホテルへ到着した。

とても立派で綺麗な外観をしており、中に入るとシャンデリアや動物のオブジェが飾られ、ところどころに一流と思わせるソファーやテーブル数個が置かれたロビーが広がっている。


「あの~。こちらのホテルに泊まろうと思っております。こちら宿泊券です」

「拝見します」


私は受付の男性にヒルダさんから貰った宿泊券を見せた。


「確認しました。ご案内いたします」

「ありがとうございます」


私達はホテルの従業員に案内されるがまま、宿泊する部屋へと案内された。

エレベーターから降りて歩くと、一つの扉があり、開けてもらえた。


「こちらでございます。ごゆっくりお寛ぎ下さい」

「「「「「うわ~~!」」」」」


案内された私達の部屋は、女性5人で過ごすには充分過ぎるくらいに広く清潔であり、窓には広く美しい海が広がっている。


「素敵~!」

「予想以上に良い部屋だ!」

「目の前には海!オーシャンビューじゃん!」

「ここまでグレードの高い部屋に泊まるのは初めてだわ」

「ライラに同じく!」


私達は泊まる部屋の絢爛さに感心しながら荷解きを行っている。

皆のテンションは高まっており、特にターニャは子供みたいな爛漫さを見せている。

海岸近くのコテージで水着も売っているみたいだから、まずはそこに行く事にした。


「アタシこれにする!」

「これも良いけど、こっちも良さそう!」

「いっそどっちも買っちゃえば?また水着が必要になる機会もあるだろうし……」

「それもそっか!」

「水着の他にはこれも欲しいな」

「じゃあ、私はこの水着にしよう!」


私達はコテージに寄り、水着や海で楽しむための道具が揃っている売店で必要な物を購入した。


「「「「「海だ~~!」」」」」


水着に着替える準備を済ませた私達はルゾイエンの名物的スポットである海岸に来た。

目の前には眩く輝きそうな砂浜と翡翠色がかかった紺碧色に広がる大海原があり、遠く離れた海底まで見えそうなほどに透き通っており、綺麗なサンゴ礁も生えている。


「こうして水着姿とか見てると、印象がガラッと変わるわね」

「言えてる」


私服姿もそうだが、水着姿でも個性が出ている。

私は紺色を基調にしたシンプルなタイプの水着であり、レース素材の上着を羽織っている。

メロは薄い黄色のワンピースタイプの水着であり、フォネは空色のサロペットのようなタイプと少し大人しい印象で薄いパーカーを着ている。


「ターニャとライラはこうして見ると本当にスタイル良いよね」

「そう?メロやフォネも可愛いよ!」

「よく似合うわよ」


ターニャは黒色の三角ビキニとスポーティーな印象であり、手足もスラリと長く伸びている。

私達のパーティーでは一番背が高いため、尚の事だ。

ライラは右肩の袖だけないオフショルダータイプの水着に薄い羽織ものの他に青色のパレオを腰に巻いており、上品なイメージを醸し出している。


「それじゃ、行こうか」


海岸に行くと、私達以外に既に何人かが来ていて、賑やかな雰囲気だった。


「おい。見ろよ。あの女性の集団」

「凄い美人ばっかりじゃねぇか!」

「綺麗~」

「皆スタイル良い~」

「ん?てかあの人達って……?」


空いたスペースを見つけて私達がそこに向かうと、老若男女問わずの視線を浴び、一人の男性が何かに気付いたような表情へと変わった。


「冒険者ギルド【ティア―オブテティス】に所属しているAランクパーティー【ヴァルキリアス】の5人じゃねぇか!?」


やっぱりルゾイエンでも私達の名前は通っていた。

すると少しだけ黄色い声が出始めてきている。


「あの金髪の女性が【ヴァルキリアス】のリーダー格であるミリアさんか?実物で見るとかなりの別嬪さんだ」

「あの背の高い人がターニャさんかな?めっちゃスタイル良い!」

「メロさんやフォネさんだ。近くで見ると可愛らしい!」

「あの亜麻色の髪をしているのがライラさんかな?綺麗で上品さも感じるぜ」

「本物の【ヴァルキリアス】をお目に掛かれるなんて、幸せだ~」


こうして聞いていると、本当に名前が売れてきたんだなと実感させられちゃうな。

少し変装すればよかったかもしれないと後悔はしているものの、過ぎた事は仕方がない。


「せっかく来た事だし、遊びますか!?」

「「「「おぉお~~!」」」」


気持ちを切り替えて楽しむ事にした。

手始めに海へ潜ってスキューバダイビングでサンゴ礁を眺め、気持ちの良い水の空間で癒されながらも涼んだ。

その後は海辺でバシャバシャと無邪気に水を掛け合って遊んだり、ライラの【水魔法】で水の芸術品を作って私達を感心させてもくれた。

気分を良くした後は私とターニャで水泳競争をしては引き分けた末に笑い合って、お腹が空いた時は美味しい料理を味わい、海水浴を楽しんでは充実した時間を過ごす事ができた。


「ふぅ~。潮風が気持ちいい……」

「本当ね……」

「心が和むわ~」

「「癒される~」」


私達は夕日が照らす海岸でのんびりしている。

沈みかける夕日とそよぐ潮風の気持ち良さが心の平穏をよりもたらしてくれている。

ヒルダさんからの提案でルゾイエンに来たけど、行って正解だったと心から思う。

遠征帰りからのウェシロスに迫るトラブル対応と心身共に疲労が貯まり気味になりかけていただけにだ。


「ミリア……。こうしてクエストとかを忘れて皆と過ごせる時間ができて良かったわ」

「お礼ならヒルダさんにね。このような機会をくれたのはあの人なんだから……」

「それもそうね」

「「「「「あはははは!」」」」」


私達は他愛もなく、屈託ない笑顔を見せ合った。


「それにしても、【アテナズスピリッツ】の冒険者達って、見どころあるよね。Aランクパーティー【ノーブルウィング】はもちろんだけど、確かBランクパーティー【ブリリアントロード】のウィーネスらとかも今回の事件の解決に貢献してくれたわね……」

「それにCランクパーティー【トラストフォース】とかもね」

「トーマ達の事よね!“ゴーレム”の改造手術を施した“メガオーク”を倒した」

「あれはCランクに収まっていい実力じゃないと思うわ」


私達は気が付けば、ティリルを拠点にしている冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】に所属しているトーマ達について盛り上がっていた。

今回ウェシロスで起きた事件は、私達だけでは到底解決できる内容ではなかった。

自分達のギルドに被害者が出ているのもあって、成り行きにしても、トーマ達には本当に感謝している。

感謝しているのは本当だけど、気掛かりのような節もある。


「ライラ。あの時トーマが“メガオーク”を倒した際に見せた力なんだけど……」

「それについてどう思うかだよね。『魔術師』の私から見ても、あれはスルーしていいやって思えない事象だわ」

「やっぱりね」

「え?何?」


私はトーマについて気になった事を『魔術師』であるライラに話を振り、意見を求めてみたけど、彼女も気になっているようだった。

あの時のトーマが見せた力について……。


「LV.1の段階とはいえ、【土炎風水(どえんふうすい)魔法】を使っていたのは、私も感じ取っていたの。あれを習得できるのは、『魔術師』であっても非常に稀な事のよ。ギフトが関係しているにしても、私は興味が尽きないわね……」

「ライラもやっぱりそう思う?私も目が離せないって思っているのが本音なのよ。あのトーマって男にはね……」


私はウェシロスで起きた事件において、解決に大きく貢献したトーマと言う男に柄も知れない興味を抱いている。

冒険者が強い力を持つ者に興味を抱くのは当然の話であり、私も現に興味を持ってはその力の根底を見極めたくてしょうがないくらいだ。


「トーマのような冒険者は初めて見たわ」

「ミリア、気になってる?冒険者として?それとも、男として……」

「冒険者としてに決まってるでしょ!茶化してんの?」

「ごめんごめん!」

「「「あははは」」」


ターニャは悪戯っぽく私にトーマの事が気になるかどうかの質問をして、少し顔を赤くしながら否定すると、ライラやメロ、フォネも苦笑いした。

気になるのは本当だけど、異性としてはまだまだ分からないところがあるからそれは何とも言えない。


「それにしても、世界はまだまだ広いわね……」

「そうね」

「本当。凄い奴が沢山いるって思わせるわ」

「同感!」

「同じく!」

(それでも、私は……私達はもっと上を目指す!)


私達は沈みかける夕日に向かい、更に高みを目指す決意を固めるのだった。


夜になったらホテルに戻って美味しい食事と快適なお風呂、部屋でガールズトークをしながら楽しく過ごす事になった。

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