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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第三章 大事件の遭遇と偉大な人物達との邂逅

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第170話 怪しきテイマーの企み

敵側のテイマーの目的が明かされます!

俺達は同じギルドの冒険者パーティー【ゴーファイターズ】のギンゼルさん達が行方不明になったと聞かされ、Bランクパーティー【ブリリアントロード】のウィーネスさん達と共に捜索や調査に当たる事となった。

俺達はウェシロスにある王国騎士団西方支部の副隊長であるエルヴォスさんと協力関係を

エルヴォスさんは不正の元凶である隊長のノージンによる一対一の決闘に勝利した事により、不正や癒着に手を染めている関係者の監査に乗り出していった。


「ここで大人しくしてもらいますよ!」

「ぐぅう……」


クジャール伯爵家の屋敷の周りにて、エルヴォスさん達は門番や逃げようとしている来賓客を組み伏せていた。

そこには俺達もいる。


「エルヴォスさん、現段階ではこれで……」

「問題はない。馬車に乗せて捕縛しておいて欲しい!」

「分かりました!」


逮捕した者達を閉じ込めるための護送用の馬車に次々と捜査対象者を押し込んでいき、満杯になったら騎士の一人がビュレガンセ王国騎士団西方支部へと運び、地下の檻に拘束していく手筈になっている。


(ノージンに賛同する騎士達や容疑者の貴族達は捕まえられている。だが、主犯格のポドルゾやゲオルグが見つからない。まさか、真っ先に逃げたのか?いや、今回の会合の主催者であり、盛り上がる時間帯を狙って奇襲と包囲をしたんだ。気配を探るのに優れたクルス殿やモレラ殿もいる。とすれば……)

「全員に告ぐ!これより我々はクジャール伯爵家の屋敷へと突入し、捜査へと乗り込む!証拠は見つけ次第確保せよ!」

「「「「「はっ!」」」」」


エルヴォスさんは次に屋敷への突入を部下達に命じ、俺達も乗り込む事となった。

俺はセリカとクルス、ウィーネスさんを含めた4名で行動する事になった。

そして一斉に屋敷に突入して数分後……。


「グゴオオオオオオオオオッ!!!」

「「「「「!?」」」」」

「何だ?この叫び声?」

「モンスターか?」


屋敷から少し離れた母屋のような建物から、大地の底から響くようなモンスターの咆哮が聞こえてきた。

恐らく大型のモンスターだと思われる。

それからズンズンと足音を立てながら姿を現していく。


「グギャァアアアア!」

「何だあれは?」

「まさか“メガオーク”?いや、それにしては兵器のようにも見えるが……」

「もしかしたら、あれじゃないか?『ゴーレム』か?」

「いや、それにしては『ゴーレム』そのものじゃない気が……」

(『ゴーレム』……?)


俺は“メガオーク”と言うモンスターの名前と『ゴーレム』と言う初めて聞くワードに一瞬固まった。

“メガオーク”はレア度Bのモンスターであり、高さ5メートルはする巨体を誇り、その中でも屈指の強さを誇るパワーとタフネス、頑強さが自慢であり、それらに限って言えば、下手なAランクモンスターよりも上だと有名であるのは聞いた事がある。

大きさでは“ミスリルメガリザード”と比べれば劣るものの、その分知性で勝るとの事であり、Bランク未満のパーティーが挑むのはかなり無謀と言われている位だ。

それ以上に、『ゴーレム』と言うワードが出た時、俺は思わずクルスに聞いてしまった。

『ゴーレム』とは、『鍛冶師』や『錬金術師』と言う製造がメインとなるギフト持ちが中心になって製造する事ができる特殊な魔道兵器の一つである。

堅牢な硬度をした外皮、凄まじい怪力を中心に様々な攻撃手段を備えていたりと、半端な攻撃どころか、少し強い程度の冒険者や騎士が束になってかかっても、手も足も出させないほどのスペックを持っている。

国の軍事兵器として扱われているだけに、強力な戦力として見做されているのと同時に、製造方法や必要な素材まで、国単位で極秘事項とされている。

他の国や悪質な輩にそれが伝わろうものなら、みすみす敵に塩を送るどころでは済まないからだ。

『ゴーレム』は戦闘を得意とする人間を中心にして操縦するものの、国の最終兵器として扱われる種類もあれば、戦線の補強程度で収まる種類も当たり前にあったりと、性能は本当にピンキリである。

だが、『ゴーレム』なのかモンスターなのか、どっちつかずなのは見て取れる。


「まさか、“メガオーク”に『ゴーレム』の製造ノウハウを取り入れて改造なんて事はないでしょうか?」

「いや、それはそんな……」

(それこそ、敵サイドに『鍛冶師』や『錬金術師』がいる。それも『ゴーレム』の製造技術に精通しているほどの……)


俺の懸念にウィーネスさんは歯切れの悪い対応をしていた。

ウィーネスさん達も冒険者としてのキャリアは長く、冒険者とは離れたジャンルでこそあっても、戦闘に関係する事の知識は少なからず持っている。

Bランクの冒険者であり、キャリアを重ねているウィーネスさんが少なからぬ怖気を感じると言う事は、危機的状況になりかねないと思うには充分な要素だった。


「どうかしら?私の下僕の出来栄えは?」

「「「!?」」」


俺の視線の先には一つの人影があった。

ポドルゾに従っている『テイマー』のマラリナであり、その手には禍々しさを滲ませる球体のような魔道具が握られている。

マラリナの後ろには、黒い兜と甲冑に身を包んだ妖しい雰囲気を醸し出す騎士らしき人物もいる。


「まさか、あれを作ったのは?」

「私の仲間に作らせたのよ。あれは“メガオーク”に『ゴーレム』の製造技術を取り入れた改造モンスターなの。でも、モンスターは私の支配権にあるんだけど……」

(この女が例の『テイマー』か?)


俺は目の前にいる女の『テイマー』こそ、冒険者達が行方不明になっている事件に一枚噛んでいる人物である事を理解した。


「あのモンスターでどうするつもりなの?今すぐ止めないと街に被害が出るわよ!」

「それはできないし、するつもりもないわ」

「何だと?何を考えているんだ?」

「あの改造された“メガオーク”である目的を果たすには、ここで止める訳にはいかないのよ。ごめんなさい」

「目的?」


俺達が問い詰めると、マラリナは飄々と答える。



「私はね……。『ゴーレム』とモンスターの融合体による軍団を作りたいの」

「はっ?」


マラリナの答えに、俺達の背筋が凍った。


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