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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第三章 大事件の遭遇と偉大な人物達との邂逅

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第164話 騎士団の浄化へ……

腐敗した騎士団を成敗していきます!

俺達は同じギルドの冒険者パーティー【ゴーファイターズ】のギンゼルさん達が行方不明になったと聞かされ、Bランクパーティー【ブリリアントロード】のウィーネスさん達と共に捜索や調査に当たる事となった。

俺達はウェシロスにある王国騎士団西方支部の副隊長であるエルヴォスさんと協力関係を結んだ。

そして、トラブル解決のために動き出そうとしていた。


「随分と集まりましたね。ザッと見て30人程でしょうか?」

「でも、今のこの状況、悪くないとあたしは見ている」


俺達はウェシロスからすぐ近くのヴェヌトイル商会が保有している倉庫に集まっていた。

年季が入っているのは目に見えて分かるものの、普通の一軒家の数倍以上はある大きな倉庫だ。

その頂上にはビュレガンセ王国騎士団西方支部の副隊長であり、腐敗した騎士団を変えようと奔走しているエルヴォスさんに加え、彼に賛同してくれている部下の騎士数名がいる。

そこにセリカとウィーネスさんもいる。


(しかし、随分と厄介な事になってしまったものだ。よりにもよって、クジャール伯爵家のパーティーの護衛に出向こうとする直前に……)


地上には騎士団の隊長であり、エルヴォスさんの上司であるノージンが騎士達を纏めて陣頭指揮を執っている。

この男は騎士団の隊長の責務を任されているにも関わらず、クジャール伯爵家の当主であるポドルゾやヴェヌトイル商会の会長であるゲルグオと繋がり、彼等にとって都合の悪いトラブルや事実を揉み消し続けている。

その見返りに賄賂や強力な武具を受け取る等の不正を現在進行形で続けている。

ノージンが隊長になってから、彼に続くように悪事に加担し、陰で横暴な振る舞いをする騎士が次々と現れてしまい、エルヴォスさんが大切にしていた組織は腐敗していった。

実際、冒険者達が行方不明になった事件に対しても、全く捜索をする事は無く、被害届や捜索願も隊長であり、騎士団の中で最も権力を持っているノージンが完璧に揉み消していた。

エルヴォスさんは腐り切った騎士団の現状を変えるべく、俺達と手を取るに至ったのだ。

現在、エルヴォスさん達と共に作戦実行へと至るのだった。


「ノージン隊長、倉庫の周りの包囲が完了致しました。内部も人の気配はございませんでした!」

「よし、ご苦労。これより、倉庫内部に突入していく。不正や癒着に繋がる証拠は見つけ次第、俺に渡せ。内部の調査が完了次第、原状回復をする事も忘れるな!」

「「「「「はっ!」」」」」


そんなノージンが部下達を引き連れて倉庫にやってきたのには、ある噂を嗅ぎつけた事がきっかけだった。


(最初は噂でしかないと思っていたが、万が一事実であれば、俺もこいつらも危ないからな……)


ノージンにくっついている部下数名から『不正の証拠を自身に反目する騎士が見つけたから秘密裏に調査する』と言った噂を認知したからだ。

最初は事実かどうかも怪しんでいたが、それが3つを越した辺りから事実の可能性が高いと思い始め、調査と不正の証拠の揉み消しに動いたのだ。

それだけならばともかくだが、今日はクジャール伯爵家が派閥貴族を交えたパーティーを開くため、その護衛に赴く予定だった。

しかし、直前になってそれが分かったため、ノージンは苦渋の決断の意味で戦力を分散させざるを得なくなってしまった。

ノージンを筆頭に調査と証拠を握りつぶす班、彼の右腕のような部下を中心にしたクジャール伯爵家らの護衛をする班、支部に残ってもらう班の3つに分けた。

証拠の握りつぶしは隊長であるノージンがいないと実行できないため、護衛に赴くのを後回しにせざるを得なくなったが、片付き次第速やかに向かうと言う事になった。

当然、ノージンに賛同せず、エルヴォスさんの味方をする騎士は支部に残している。

もしも調査する班にエルヴォスを筆頭に不正を暴こうとする部下を連れて来てしまえば、不正の証拠を掴まれてしまう可能性もある。

そう判断したノージンは自分に賛同する部下だけを率いて調査に乗り出した。


(今回に限ってエルヴォスが非番で助かったぞ……。あいつがいるとスムーズに進み辛いからな……)


倉庫の頂上には今まさにエルヴォスさんがいるものの、表向きは非番になっている。

今回の作戦のために理由を付けて部下と代わってもらったのだ。

だが、当のノージンは違和感を抱いている様子だったが、証拠の隠滅を最優先にしていたため、そこまで気が回らなかった。

そしてノージンは気持ちを切り替えた。


(不正が公になれば、少なくとも加担した俺達は破滅する。冷静沈着、かつ迅速に処理をせねば……)

「2名は外で見張って誰も入れるな!残りは俺と共に倉庫に突入し、証拠の調査及び隠滅しろ!かかれ!」

「「「「「はっ!」」」」」


ノージンは部下達に指示を飛ばして倉庫内に突入していった。

倉庫の中は数十人の騎士が入っても、一人一人が自由に動いても窮屈ではない広さだった。

在庫を出し終えた後なのか、木箱は数個がまばらに置かれているだけに余計広く感じる。

天井も高く、数か所ある窓から月明かりが差し込んでいるものの、何とか前が見える程度の明るさだった。

突入したノージン達は周囲を警戒しながらゆっくり歩いて行く。


「薄暗いな。明かりを付けてくれ」

「はっ!ただいま!」


部屋の暗さを煩わしく思ったノージンは部下に光を付けるように指示した。

その瞬間……。


ボボボン!

「う!」

「わぁ!」

「何だ?」

「ムッ?煙か?」


倉庫内に白煙が瞬く間に広がった。

突然の出来事に混乱する騎士達であったが、ノージンだけは動揺する事無く、事態を冷静に分析している。


(破裂音も起きたならば煙玉。と言う事は?)

「一旦倉庫の外に出て態勢を立て直すぞ!」

「「「「「はい!」」」」」


突然の奇襲と判断したノージンは態勢を立て直すため、部下達に一時撤退を指示する。

しかし、その瞬間、倉庫の扉が力強い音を立てながら閉ざされた。


「何だ?扉が突然閉まったぞ!」

「早く開けてって、あれ?開かない?」

「どうなってんだ?」

「俺達閉じ込められたのか?」

「おい!見張りは何をしている?」

(よし。上手くいっているな……)


突然扉が閉まっただけでなく、男の騎士数名がかりでも開けられず、ノージンが外にいる見張りを呼び掛けるも、応答がなかった。

それもそのはず、倉庫の外では……。


「「【氷魔法LV.2】『アイスウォール』!」」

「これで倉庫の中にいる騎士達は外に出られませんね!」

「そうね!後はトーマ達次第よ!」


扉はミレイユとリエナさんによる【氷魔法LV.2】『アイスウォール』で扉をガチガチに凍らせていた。

リエナさんの【土魔法】も込みなので、ちょっとやそっとの力では開けられない。

セリカとウィーネスさんの足元には見張りをしていた2名の騎士が気絶していた。

煙玉による白煙が舞ったと同時、セリカとウィーネスさんが屋根の上から一瞬で飛んで距離を詰め、2名の見張りをその場で制圧し、間を置かずにミレイユとリエナさんが飛び出て、【氷魔法】で扉を氷漬けにして中にいる騎士達を閉じ込めたのだ。


「隊長!扉の向こうから魔力を微かに感じます!魔法で閉じ込められた模様です!」

(先ほどの煙玉といい、魔力に魔法?まさか?)

「クソ、やむを得ない!この際だ、扉を破壊しろ!」

「しょ、承知しました!」


ノージンは一つの仮説を立て、部下に扉の破壊を指示した。

ヴェヌトイル商会が保有している倉庫の扉を勝手に破壊するのは不味いと思いはしたものの、今の状況を脱するにはそれしかないと判断したようだ。

部下の数名が【剣戟】スキルで扉の破壊を試みた時だった。


「ユニークスキル【ソードオブシンクロ】!」

「【付与魔法『LV.1』】『スリーピン』!」

「う……何だ?」

「急に、眠気が……」

「お、お休み……」


床より上にある積み荷スペースの脇から俺とエレーナがフード付きのローブを脱ぎ捨てて現れ、スキルと魔法による奇襲をかけた。

エレーナの【付与魔法『LV.1』】『スリーピン』は相手の眠気を誘うための魔法だ。

普通に使えば複数人に睡魔を襲わせる魔法であるが、そこに俺のユニークスキル【ソードオブシンクロ】で格段にパワーアップさせた事により、半分以上は確実に眠らせる事ができた。

にしても【付与魔法】って本当に便利だな……。


「ウグッ!」

「ガッ!」

「今度は何だ?」


ノージンが叫ぶと、今度は騎士達が弓矢や投擲用のナイフで次々と脚を刺されて行動不能となっていった。


「何だ?身体が痺れて……」

「動けねぇ……」

「くっ!」

(よし、順調だな)

(【気配遮断LV.3】の奇襲は効くだろう?)


そう、クルスとモレラさんだ。

二人は【気配遮断LV.3】を用いながら、暗がりから攻撃している。

【気配感知】を交えているから狙いはとても正確だ。


((後はノージンだけ……))

「ノージン・メノオ!」

「「「「!?」」」」


残りはノージンだけになった時、一人の男性の声が倉庫に響いた。

そして、階段を降りてきたのは、甲冑に身を包んだ一人の男性だった。


「あなたの悪行もここまでだ!」

「エルヴォス!貴様……」


そう、エルヴォスさんだった。

その表情には一種の決意で満ちており、俺とエレーナ、クルスとモレラさんはその気迫を感じて思わず動きを止めた。

相対するノージンの表情も怒りと不快感でいっぱいだ。

エルヴォスさんは腰に携える剣を抜いて前方に振りかざす。


「騎士として、ここで決着を着けよう!」


ビュレガンセ王国騎士団西方支部の副隊長であり、腐敗していく組織にピリオドを打とうとするエルヴォス・ブレドランと、その隊長であり、腐敗の象徴と化したノージン・メノオ。


信念を懸けた決闘が今、始まろうとしていた。


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