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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第三章 大事件の遭遇と偉大な人物達との邂逅

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SS 14話 新メンバー候補

トーマ達と親交のあるパーティー2組がメインのお話です!

トーマ達がウェシロスに赴いて数日後……。


冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】————————


「「あ!ケインさん、皆様、お疲れ様です!」」

「おう、【デュアルボンド】の面々じゃねぇか?お疲れ!」


クエストを終えて帰って来たのは、ケインさんが率いるBランクパーティー【ディープストライク】の4名、イアンさんとイオンさんの双子の冒険者が率いるBランクパーティー【デュアルボンド】の4名だ。

戻って来た時間が一緒だったためか、偶々鉢合わせた。


「互いにクエストを終えた帰りみたいだな。そうだ!もしもこの後時間があれば、皆で一杯どうだ?」

「我々も暇なので良い機会です!」

「喜んで付き合いましょう!」

「「賛成!」」


ケインさんの飲みの誘いに対し、イアンさんとイオンさんだけでなく、【デュアルボンド】のメンバーであるエリーさんとサーシャさんも乗り気だ。

クエスト達成の手続きを済ませてすぐ、ギルドの併設スペースへと足を運んだ。


「「「「「「「「乾杯~!」」」」」」」」

「ぷは~!やっぱクエストを終えた後のエールは最高だな!」

「ア~ンド、から揚げやソーセージもね!」

「ケインさん、フィリナさん、野菜も少しは取りましょうね~」

「ハハハ……」

「サーシャ、これも食べてみたい!」

「お、美味しそう!」


乾杯をした後、ケインさん達はエールやギルド飯を味わいながら食事を楽しんだ。

近接戦がメインのケインさんとフィリナさんはエールをグイッと飲み干すと早くもおかわりをした。

エルニさんも野菜サラダも食べる事を進言し、ニコラスさんは微笑ましく見守っている。

エリーさんとサーシャさんも興味を持ったメニューを見つけては注文しており、イアンさんとイオンさんは落ち着いた様子でエールを飲んでいる。

それからしばらくして……。


「「エールとから揚げとソーセージを二人前!」」

「「マジで息ピッタリだな!」」


イアンさんとイオンさんは全くズレる事なく、ハーモニーを奏でるように注文し、ケインさんとフィリナさんはビシッとツッコミを入れた。


「そんでよう、Bランク向けのクエストを受けて帰って来たんだって?どうだ?Bランクのクエストは……」


酒が入ったケインさんの質問に対し、イアンさんとイオンさんは……。


「Cランククエストでは遭遇しないだろうモンスターとの戦闘が多くなった」

「採取系は少しの気の緩みで大怪我や命に関わる場所に出向く事も多くなった」

「だが、我々は事前の準備と綿密な作戦を持ってクエストに取り組んでいる」

「強いモンスターとの戦闘においては、我ら兄弟を中心に行い、エリーとサーシャの支援も大きかった」

「「故に、今回もBランククエストを達成できた!」」

「「なるほど……」」


イアンさんとイオンさんの淀みない掛け合いを交えた説明に、ケインさん達も苦笑いだ。

双子の冒険者として有名なイアンさんとイオンさんは兄弟ならではのコンビネーションが何よりのセールスポイントである。

特に彼らは【ジェミニの絆】と言うユニークスキルを持っている。

それは、このスキルを発動している間、イアンさんとイオンさんの身体能力は若干ながら向上され、思考と視界が共有されると言う効果だ。

このユニークスキルのお陰で、【デュアルボンド】と言う冒険者パーティーの名前を広げるに至ったのだ。

一方、エリーさんとサーシャさんによると、ユニークスキルを発現する前から一心同体に動いているとの事だから、コンビネーションに更なる磨きがかかっているのは確かだ。


「にしても双子ならではのユニークスキルだよな、【ジェミニの絆】って……」

「そうね。少なからずのパワーアップのみならず、思考や視界を共有するって、二対二の対人戦となったらほぼ無敵じゃん!」

「「だが、長時間の使用はスタミナ切れを早めるのが欠点!」」

「それを差し引いても凄いんだけどね!」


ケインさんとフィリナさんはイアンさんとイオンさんの持つユニークスキルについて感心している。

するとそこへ……。


「ケインさん達はどのようなクエストを受けたのでしょうか?」

「俺らか?ティリルから北西の村近辺に発生したコロニー殲滅へ赴いていたぞ!」

「しっかり片付けてやったけどね!」


エリーさんが質問すると、ケインさんとフィリナさんは自信あり気に答えたが……。


「その分、課題も見えたクエストでもありましたよ!」

「神経毒をもらって倒れたのも覚えてますよ!」

「「ウグ!」」


ニコラスさんとエルニさんの突き刺すような言葉がケインさんとフィリナさんを貫いた。

今回赴いたコロニー殲滅は鬱蒼と茂った森林の中であり、虫系のモンスターが中心との事だった。

レア度Bの“ジャンボマンティス”と言う虫系モンスターを筆頭に、様々な種類のモンスターに襲われたが、これを退けたと言う。

しかし、ニコラスさんとエルニさんが言うように、反省点は当然ある内容でもあった。

最終的にコロニー殲滅を完了したのはいいものの、ケインさんとフィリナさんはレア度Dの“パラライビー”と言う小さな蜂型のモンスターに知らずの内に刺されてしまった事で、後でショック状態になってしまって、森林を抜けた時には動けなくなってしまったらしいのだ。


「身体に違和感を少しでも覚えたならば、私が【回復魔法】で治しますよ……。もう治しましたけど!」

「あの節は……マジでありがとう……」

「面目ないわ……」


その時はニコラスさんの気づきとエルニさんの【回復魔法】で何とかなったが、滞在先の宿でもう一泊を余儀なくされてしまったようだ。

ニコラスさんとエルニさんも、今ではもう気にしてはいないようだが……。


「ケインさんとフィリナさんがそのような失態をしてしまうとは、珍しいですね……」

「昆虫系のモンスターは巨大なのもいれば、手のひらサイズより小さいのもいますから、見落としてしまうパターンもありますからね」

「そう、それが目に見えた課題なんだよな……」


エリーさんとサーシャさんがそう言うと、ケインさんはそう答えた。


「周囲のケアも確かに大事だし、それが第一であるのは事実である事は再認識できたわ。けど、今回のクエストで思ったのは、ニコラスとエルニの守備もできるなら強化したいって事なのよね……」

「それって、前衛で戦うケインさんとフィリナさんを後ろから援護射撃してくれるニコラスさんとエルニさんに被害が及ばないようにするって事ですよね?」

「うん、そうよ。ニコラスも【土魔法】や【岩石魔法】による守備を担うにしても、いざって時に主砲となる強力な魔法を撃ちたいのに魔力が切れかかりましたなんて事になったら目も当てられないからね……」


フィリナさんの考えている事に、周囲は納得している。

ケインさん達のパーティーは前衛・後衛・支援がバランスよく整っており、大抵の状況はスムーズに対応できる強みがあるのは確かである。

そこに優秀な防御役を担えるメンバーが加われば、より戦線は安定するのは誰が見ても分かる事だ。

防御や守備が得意な者もそうだが、周囲を警戒して対処できる存在がいてもいいくらいだ。


「そう言う事を経験しただけに、防御や守備が得意もしくは周囲を警戒しながらケアのできるメンバーも欲しくなってな。まあ、見つからないなら見つからないで、俺達が一層気を配ればいいだけの話だけど……」

「そうなると、【ディープストライク】の追加メンバーは『重戦士』となるのでしょうか?」

「もしくは感知に優れた『シーフ』や『アーチャー』となるのでしょうか?」

「まあ、そんなところかな?」


イアンさんとイオンさんの問いに対し、ケインさんはそう答えた。


「どっかにいないか、ウチのギルドに流れ着いてくれないかなんて思っているけど、世の中そんなに甘くないからね……」

「その通り!」


フィリナさんの甘くもある希望の言葉に対し、ニコラスさんはキッパリ言い切った。

そんなに甘い事があるならば人生どれだけ楽な事やら。


「それにしても、守備や感知を得意とするメンバーの重要性は確かに出てきた」

「願わくば、我々の次の新メンバーはそのような者が良いと思い始めている」

「確かにその方が戦線は安定するわね……」

「見つかればいいけど!」

「そっちも新メンバー探しを始めるつもりだな!」

「ですが簡単に見つかる事ではありません!」

「気長に探すつもりです!」


イアンさんとイオンさん達も新メンバー探しに意欲を見せ始めている。


「そうかい。じゃあ、互いに頑張りますか!」

「「ハイ!」」


ケインさんがそう言うと、皆で改めて乾杯し合った。

それからは互いの近況を報告し合っては食事と酒を楽しみながら一夜を過ごした。


ちなみに、全員が翌日、いつになく飲んだせいで二日酔いになってグッタリしてしまったのは、ここだけの話である。


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