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第144話 棚ぼた

皆さんが好きであろうことわざ、

「棚からぼたもち」がテーマです!

私は好きですよ!

俺達はギルドマスターであるカルヴァリオさんの頼みで同じギルドの冒険者パーティー【ゴーファイターズ】のギンゼルさん達が行方不明になったと聞かされた。

Bランクパーティー【ブリリアントロード】のウィーネスさん達と共に捜索や調査に当たる事となった。

ふとしたきっかけで、ヴェヌトイル商会の会長であるゲルグオ・ヴェヌトイル様と話をする機会を得た末、僅かな手掛かりを得る事が出来た。


「なるほど、ヴェヌトイル商会の会長であるゲルグオ様と突然お話する機会が舞い込んで、その中で植物や自家栽培のビジネスも手を付けようって事が分かったと……」

「はい。ウェシロスの近くに、ヴェヌトイル商会が保有している私有地の農園がありますので、恐らく……」

「その近辺で、【ティア―オブテティス】のDランクパーティー一組が行方不明になったと……」


ゲルグオ様と話をしたその晩、ウィーネスさん達と酒場で合流し、成果を報告し合った。

それぞれが知っている情報を共有しながら、次にどう動くかを考えている。


「そう言えば、ヴェヌトイル商会の会長であるゲルグオ様と話した時、怪しかったところがあったんですよ……」

「怪しかったところ?」


俺はウィーネスさん達にその時の状況を伝えた。


「話を聞いていると、何か怪しいな……」

「昨日、私達が見聞きした事を照らし合わせても、調べる価値はありそうね……」

「そうね……」

「でしたら、明日はその農村付近を調べてみるって事でしょうか?」

「勿論よ!」


こうして、明日はウェシロス近辺にある農村の近くに足を運んで調べ上げる事が決まった。

進展する事を願いながら、俺達は夜を過ごした。


翌日—————


「よし!行くか!」

「「「「ハイ!」」」」


俺達は目的の農村まで足を運んだ。

ウェシロスから東へ歩いて一時間ほどの場所にあり、土地は小さいが、緑豊かで空気も美味しかった。

ヴェヌトイル商会が保有している土地もあるとの事だが、改めてスケールの大きさを感じざるを得ない。

ウィーネスさん達もこことは違った農村に赴き、調査に動いている。


「おや、冒険者の方かね?」

「ハイ。そうなんですよ……」

「ここの農村では何が有名なのでしょうか?」

「多種多様の果物を育てておってな~」


俺達は聞き込みを開始した。

表向きは遠いところからやってきた冒険者であり、ヴェヌトイル商会を余り知らないと言う設定で動いている。


「あ、あのマークって確か……」

「あぁ、ウェシロスに拠点を置いているヴェヌトイル商会のマークでな。この村の土地の一部は、その商会が保有しているんだ」

「凄い商会なんですね……」

「最近だと野菜だけじゃなく、植物もヴェヌトイル商会で栽培する事も決まってね……。何とウチの村でやる事になったんだ。あそこにいるのは商会から派遣された人達なんだ」

「へ~……」


村人の一人が指を差すと、そこにはヴェヌトイル商会から送り出されたであろう作業員や御者が数人おり、物資の運搬や作業現場を作っている様子だった。

どうやらゲルグオ様の言っている事は本当のようだ。

だが……。


(それだけなんだよな~……)


そう、行方不明になった冒険者達の手掛かりについては何一つ掴めていない状況のままであり、ゲルグオ様が見せたあの時の一瞬の焦りと言うヒントも、このままでは意味のない行動のままで終わってしまう。

何とかして証拠や次に繋がる手掛かりの一つでもと思った時だった。


「ん?兄ちゃん。もしかして、【ティア―オブテティス】の冒険者かい?」

「え?違いますよ。正しくはティリルを拠点にしている冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】に所属している冒険者ですけど……」

「【アテナズスピリッツ】!あぁ、あの時の冒険者さん達も……」

「ん?」


話している男性の一人が、俺が【アテナズスピリッツ】の冒険者である事に気付いたようだ。

だが、何故その名前が出た時の男性の反応はどこか妙だった。

ギルド名を思い出したようなリアクションではなかったのだ。


「名前は誰だったかな?クエストに向かう道中とかでこの村に立ち寄り、あそこの民宿に泊まっていったんだよ。その時に【アテナズスピリッツ】に所属している冒険者さん達みたいな事を言ってたような気がする……」

「本当ですか?ありがとうございます!」


思わぬところで聞いてしまった、探し続けていた俺と同じギルドに所属する冒険者パーティー【ゴーファイターズ】のギンゼルさん達の行方の手掛かりを掴めた。


俺は早速その民宿を訪れた。

はやる気持ちを抑えながら、俺はその民宿の従業員に話を聞いてみた。


「お忙しいところ恐れ入ります。ほんの少しだけお時間よろしいでしょうか?」

「いらっしゃいませ。何か?」

「こちらの民宿に4名の冒険者が泊まっている事を知りました。その詳細について伺いたく思いまして……」

「あぁ、確かに冒険者らしき方々がこちらに泊まっていましたね」

「それで、特徴としましては……」


俺はギンゼルさん達の外見的な特徴を始め、分かる限りで問答を行った。


「確かにお兄さんの言った通りの特徴でしたよ。今日から5日くらい前にここを出て、クエストに出向くとか言ってましたよ……。」

(マジかよ……)


ギンゼルさん達は少なくとも、この近辺で行方を晦ましていたと言うのがほぼ確定した。

願っていつつも思わぬタイミングで掴めたこの手掛かり、無駄には出来ない。


「ありがとうございます!行ってみます!」


俺達はその足で教えてくれた場所へ向かった。


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