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何でも屋として生きていくアラサーの異世界ライフ ~サブカルチャー大好きな高卒アラサーが異世界に召喚されて現実世界で得た知識と経験をフル活用したら多方面で無双しかけている件~  作者: カワチャン
第三章 大事件の遭遇と偉大な人物達との邂逅

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第133話 久しぶりのグリナム

主人公達と縁のある街を再び訪れます!


翌日——————



俺達はティリルから半日かかる町の近辺で発生したレア度Cモンスターである“ファングラビット”の群れの討伐に動いている。

レア度Cのモンスターの中では体長1メートルちょっとと小柄だが、群れで襲って来るとかなり面倒くさいモンスターである。

発達した前歯で作物や家畜を荒らし回るモンスターなため、放置していると農家には大損害を被る危険性もある。

加えて脚力もあるので、ピョンピョン跳ね回るすばしっこさも厄介さに拍車をかけている。


「【氷魔法LV.2】『メガブリザード』!」

「「「「「ビャァアアアア!」」」」」」

「今よ!」

「ふぅん!」

「ハァア!」

「【聖属性魔法LV.1】『セイントスライサー』!」

「「「「「「ジャャァアアアア!」」」」」」」

「【剣戟LV.1】&【炎魔法LV.1】『ファイアースラッシュ』!」

「「「「ギィァアアア!」」」」


数十匹いたが、【氷魔法LV.2】『メガブリザード』で“ファングラビット”達を氷漬けにしていき、エレーナは魔法攻撃、俺はセリカやクルスと共に剣術で倒していく。

俺は最近覚えた技である【剣戟LV.1】&【炎魔法LV.1】『ファイアースラッシュ』と言う剣に炎を纏わせて切り裂く攻撃も可能になっていった。

出来る事が増えるって、嬉しくて楽しい。

それからして……。


「ありがとう。エレーナ」

「お気になさらないで下さい」


俺達は“ファングラビット”を全滅させる事に成功した。

一方、ミレイユはエレーナに【回復魔法】をかけてもらっていた。

ミレイユはその一体に気付く事ができず、嚙み付かれそうになったところを皮一枚で躱してはいたが、頬に傷を負ってしまっていた。

すぐにエレーナの【回復魔法】で治してもらったお陰で、ミレイユの顔には傷跡一つ残らない状態に戻った。


「少し油断してしまったみたいです。ごめんなさい!」

「いいって。大事にならなくて何よりだよ」

「町に戻って完了の報告をしに行こう!」

「うん……」


ミレイユは頭を下げて謝っていたが、俺とクルスが窘めた。

こうして俺達は依頼主の町長にクエスト完了の報告を行い、馬車で町を後にした。


「はぁ、やっちゃったな~」

「そんな事ないですよ。ミレイユさんの【氷魔法】のお陰で凄く戦いやすかったんですから」

「そうよ。次に活かしていこう!ね!」

「……」

(こりゃ落ち込んでるっぽいな……)


セリカとエレーナが慰めのフォローを入れるも、ミレイユの表情を曇ったままだ。

時間が解決してくれるとも思ったが、余りに何もしないと言うのはとも考えている。

そうこうしている内に夕方の時刻が近付いている時だった。


「お客さん、今日中にティリルに着くのは難しいから、街で宿屋に泊まった方がいいよ。ほら、あのグリナムとか……」

「え?」


行者さんが呟くと、俺達は外を見た。

すると、訪れた事があるグリナムが確かにある。

確かに時間を考えたら、無理にティリルへ向かうよりも、グリナムで一泊するのが良いかもしれない。

一泊してもお金に余力はあるし、来た事のある街だから、勝手もいくらか分かっているつもりだ。


「皆……」

「「「「……」」」」

「でしたら、グリナムまで送っていただきたいです。お願いします!」

「分かりました」


俺はセリカ達から同意を示すようなアイコンタクトを確認した後、行者さんにグリナムまで馬車を進めるように伝えた。

すっかり夕方になった頃……。


「ありがとうございます」

「いえ、お安い御用ですよ……」


俺は気を利かして運んでくれた行者さんに交通費を渡した。

街へ寄る事を進言してくれるなんて、良い人だなと思い直した。


「いや~。久しぶりのグリナムだな~!」

「本当ですね~」


俺達は久しぶりに「農耕の街」で知られるグリナムへと足を運んだ。

グリナムはヒライト子爵家当主であるアスバン様が治める街の一つであり、俺達にとっては思い出深い場所でもある。


「Cランク昇格を懸けたクエストに挑んだ時の事を思い出しますね!」

「そうだな……」

「詳しい内容をアスバン様から直接聞いた時は驚きましたけどね……」

「え?どういう事でしょうか?」

「そっか、エレーナはあんまり知らないよね……」


初めてグリナムを訪れた当時はDランクパーティーであったため、エレーナはまだパーティーの一員ではなかった。

宿を目指す道中でエレーナに俺達がグリナムで何をしてきたのかを説明した。


「そうだったんですね……」

「初めて“フライングタイガー”と相対した時はマジでビビったよ」

「確かその時にトーマさんのユニークスキル【ソードオブシンクロ】を発現させて、最後は勝って、Cランクに昇格出来たんですよね!」

「少なくとも、どこかでミスや不手際があったら、今頃どうなっていたか分からなかったな」

「思い返すと本当に大変だったけど、同時に頑張って良かったって今でも思ってますよ!」


俺達はエレーナに当時の状況を思い出しながら話しており、心なしか、ミレイユの表情にも少しだけ明るさが戻っている。

思い出話に花を咲かせている内に、嬉しかった時や達成感を想い起こしたお陰かもしれないが、立ち直る切っ掛けが得られて良かった。

そうしている内に宿屋に着いた。

実を言うと、俺達がCランクの昇格を懸けたクエストに臨む際、宿泊の為に目を付けていた宿屋だったのだが、依頼主であったアスバン様の計らいであったのもあり、先延ばしにしていた。


「すみません。2~3人部屋を2つ利用したいんですけど、空いてますでしょうか?」

「ようこそお越し下さいました~。只今空いておりま……。ん?」

「どうかしましたか?」


宿泊する手続きを進めようとしたが、受付の一人が俺達を見て固まった。

何事かと確認すると……。


「もしかしますと、冒険者ギルド【アテナズスピリッツ】の【トラストフォース】の皆様でございますでしょうか?」

「は、はい、そうですが……?」

「これはこれはようこそお越し下さいました!またグリナムに足を運んでいただき誠にありがとうございます!」

「「「「「え?」」」」」


受付の男性は俺達が何者であるかを知ると、丁寧な態度をより一層強めていった。

確かにアスバン様からの依頼をこなした経験はあるけど、有名になっちゃったのかな?


「皆様の事はこの街で相当有名なんですよ!ヒライト子爵家当主の奥様が病床の際には大いに力になっていただいたとかないとかでそれはもう……」

「そうなんですね……」


どうやら俺の予想通り、俺達も随分と名前が売れて来たようだ。

聞けばグリナムには【アテナズスピリッツ】に所属する俺達以外の冒険者達のお陰で、モンスター退治や普通の人では見つけたり採取するのが困難な素材を手に入れてくれたりでかなり好意的に受け入れられているようだ。


「ですのでトーマ様達には是非ともサービスで特別価格のご宿泊を……」

「そんないいですって。我々も宿泊しに来ただけですから……」

「グリナムの発展に貢献して頂けていますから、出来る限りのサービスはご提供させて下さい!」

「でしたら、お言葉に甘えて……」

「ありがとうございます!」


俺達は遠慮しようとしたが、セリカ達に視線をやって「これは受けた方がいいです」と伝えるような目線を見て受け入れる事にした。

それから俺達は2人部屋と3人部屋それぞれに案内された。

2人部屋には俺とクルス、3人部屋にはセリカとミレイユとエレーナが泊まる事になった。


「久しぶりにグリナムに来たけど、まさかあんな風に歓迎されるなんてな……」

「この宿で一番良い部屋を通常料金で宿泊させてくれるのは嬉しいですけど、こうも手厚いと躊躇いを覚えますね……」


俺はクルスと荷物の整理をしながらそんな話をしていた。

まさかここまで自分達が高く評価されているとは思いもしなかった上にサービスまでしてもらえるとは少しも考えていなかった。

実際に俺達が泊まっている宿の部屋は2人部屋にしては結構広く清潔であり、ベッドもシングルではなくダブルと大きくふかふかだ。

セリカ達が泊まる部屋も同様だ。

そう思っていると、コンコンとノックする音が聞こえた。


「ハイ?」

「どうもトーマ様!私がこの宿のオーナーでございます!この度はご宿泊頂きありがとうございます!」

「こ、こちらこそ、良い部屋に泊めていただけて感謝しています……」


扉を開けると、泊まっている宿のオーナーらしき人物であり、恭しく挨拶をしてきた。

会話もそこそこにオーナーさんは話を切り出す。


「今回の宿泊でトーマ様達がご宿泊なさると存じましたので一つ提案を兼ねてお伝えしておきたい事がございまして……」

「何でしょうか?」

「実を言いますとですね……」


俺はオーナーさんの話を聞いた……。

それからすぐにセリカ達に共有して話を纏めた。


「でしたら、お伝えいただければ幸いです。ただ、本当に少し顔を出すだけのつもりなので……」

「かしこまりました。そのようにお伝えします」

「ありがとうございます」


俺はそんなやり取りを終えると、後にセリカ達にその内容を共有して同意を得られた。

俺達はその日、クエストで使用した分のアイテムを補充した後、飲食店で食事をした。

宿に戻った俺達は翌日にある場所へ向かうために早めの就寝についた。



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